ALTEC 1570B パワーアンプ レストア依頼機 T.H様 概要

2018.12.25 初掲載
2019. 1. 17 修理完了


★修理完了です。                                                                     2019. 1. 17

Marantz #8B,#9が小さく見えます。

容積では#8Bの4倍です。

★音が出るようになって改めて試聴です。

最初の電源投入時から片方のアンプからザーというノイズが発生します。

各真空管が温まるとこのノイズは消えますが、入力ゲイン調整のボリュームを上げて行くとかなりの大きさで今度はジーと言うノイズが発生します。

恐らく電源がかなり劣化して信号にリプルが乗っている音です。
ボリュームを絞って音量を変えても一定の大きさでノイズが出ています。

電源の電解ブロックコンデンサーは以前他でのレストアで全てCP-Manufacturing製に交換してあります。
このブロックコンデンサーは寿命が短いようで、こちらでMarantzやMcIntoshのレストアでかなり交換しています。


ジーの音を我慢して暫く聴き込んでいるとバイオリンの音が割れたように聴こえます。一定の周波数で歪が発生するようです。
恐らくカップリングもダメなところがあります。



★後で改めて付いているコンデンサーを観察すると高圧B電源の初段、耐圧1000Vのコンデンサーはコーネルデュブラーの5uFオイルコンです。
回路図を見て驚きましたが、やはり最初から1000V耐圧の電解コンデンサーは存在していなかったようです。これは恐らくまだ使えると予想します。

このためやはりリプルの原因は次段からの上記電解ブロックコンデンサーの不良に拠るものと推測します。





★回路図を元にいろいろ回路を探っていましたが、最終的には出力トランスの結線が外れていました。

このアンプはウエスタンのアンプの様にトランスの巻き線の組み合わせでスピーカーの選択を行います。
この結線の組み合わせを決定するジャンパープレートの欠落により音が出なかったようです。

しかも全てのジャンパープレートの取付ビスは緩んでいたため接触不良も起こしていました。

欠落したジャンパープレートの代わりに電線を代用し、全てのビスの増し締めも行い音が出るようになりました。

こちらのスピーカーでは画像のような接続により正常に音が出ます。

内部です。結構ガラガラです。後で追加されたキャノンプラグは単に入力端子にパラに繋いで有りました。
この為音が出なかったのは入力端子の接続間違いでは無く、やはりどこか回路の異常です。

全体にきれいです。サイドの木製のカバーは新しく、一般には付いていません。
本機特注かも知れません。

ALTEC 1570B モノーラルパワーアンプです。音が出ないので診て欲しいとのご依頼です。
なかなかデカい!

珍しいのでいろいろ撮りました。

取り敢えず信号波形を見ます。

奇麗なサインカーブが出るので入力側の異常では無さそうです。

これから少し時間を掛けて回路図を眺めながら原因究明です。