Marantz 2 修理依頼 概要

2023. 2. 16 掲載
2023. 2. 20 検査修理完了

こちらは赤くなる方です。やはり廃棄値を示しています。

もう1本もそろそろダメなようです。

★もう1台の大丈夫の方のアンプも軽く検査します。

バイアスチェックです。正常です。

★試聴エージング風景です。 鳴らし始めて3時間程経過しています。

何事も無かったように優雅にMonitor REDを鳴らしてくれます。



本機は4年前に当工房から購入頂き、毎日長時間オーナー様のお店で鳴らして来られたようです。
出力管は音の良いTelefunken EL34を付けてお出ししましたが、どれも中古品の為消耗の度合いによりバラつきがあります。勿論、Telefunken EL34の新品は世の中に有りません。程度の良い中古品を探すのみですが、いよいよ最近では枯渇状態です。
また、購入後一度もバイアス調整をされなかったので出力管の消耗の度合いによりバイアスのバランスが著しく崩れ、損傷が加速されたと考えます。通常は真空管が廃棄値をかなり過ぎてもこの様な事にはなりません。音が悪くなるだけです。

今回、お店のスタッフの方の発見が早かったので大事に至らなくて良かったです。






運送途中で壊れた整流管をこちらのmodel 2から外して仮に使っています。

左テスターは高圧B1です。 413Vを示し良好です。右はバイアスです。 -43.1Vを示し良好です。これで電源廻りは異常ありません。

バイアスメーターです。振り切れます。時間の経過と共に調整不能に陥り、一気に指針が最大位置をカンカンと打ち始めます。この後出力管が赤くなります。

まずは心配していたバイアスセレンの検査です。この画像は逆方向の導通を調べています。OL表示で良好です。順方向も問題ありません。

出力管の上の方が焦げています。この為この機体が不良と判断します。


音出し風景です。異常があった左のアンプの出力管は、こちらのストック品のelectro-harmonixの新品です。正常な右のアンプはTelefunken EL34です。

もう1本も正常です。

出力管の検査です。正常です。

左テスターは高圧B電圧です。403Vを示し、少し低いですが時間の経過と共にもう少し上がって行きます。右はバイアスです。 -44.4Vで良好です。

出力管をこちらの新しいストック品に交換してみます。

左画像のように定位置で安定します。

★出力管の検査です。

★内部の他の部分も確認して電源を入れてみます。

バイアス回路の電解ブロックコンデンサーの検査です。こちらは問題ありません。

もう片方のブロックも問題ありません。

(2023. 2. 20)
★詳しく検査です。

4年前に当工房から購入頂きました Marantz model 2 赤メーターの初期型です。 今回、ボンと言う音が出て出力管が赤くなったので修理を依頼されました。 購入後一度もバイアス調整をされていないそうです。

真空管を挿したままお送り頂きました。運送途中の衝撃で整流管が1本割れていました。