★レストア状況です。                                                   2020. 6. 5

バンブルビーが全て不良の為、オールバンブルビー化をご希望されました。

取り敢えず良品と交換する前に既存のバンブルビーの足を片側外して単体での絶縁抵抗を計りました。

2020. 6. 3 検査完了
2020. 6. 5 レストア状況
2020. 6. 9 レストア完了

高圧セレン直後です。前回とほぼ同じく335.5Vで良い値です。

内部上面です。電源回路は電解ブロックコンデンサーを3本とも正規仕様の新品に交換しました。カップリングも良品バンブルビーに交換しました。セラミックコンデンサーも純正SPRAGUEのNOS品に交換しました。
フォノイコのカソードバイパスコンも全てMarantz純正SPRAGUEの新品に交換しました。RIAA偏差のコンデンサーをマイカコンに、抵抗をVishayの良品に交換しました。

★最初の音出しでは、まずバンブルビーが入っているにも関わらすラインアンプの音が少し丸く低音がはっきりしません。
この為、上の画像の様にラインアンプの裏のぶっとい0.33uF/200Vを外して単体検査を行いました。やはり静電容量が膨れ絶縁不良です。

トーンのツマミを回すと左右ともバツンと大きな音が出て、しかも漏れ電圧も高いのでバンブルビーも幾つか(殆ど)不良です。
フォノイコはかなりガーガーと耳障りな音です。こちらもバンブルビーが劣化して音を悪くしています。

★ラインアンプの低音がぼんやりしていたのでトーン回路のぶっといカップリングコンデンサー0.33uF/100Vを片側の足を外して単体検査を行いました。

同じく左の絶縁抵抗です。0.262MΩ(262.4kΩ)で完全に絶縁不良です。

左側です。静電容量が0.41uF(410.5nF)を表示してかなり膨らんでいます。

同じく右の絶縁抵抗です。 70.8MΩでこちらも完全に絶縁不良です。
因みに良品は4100MΩ以上(∞)です。

右側です。静電容量は0.366uF(366.5nF)と少し膨らんでいます。

低圧セレン直後の電圧です。26.31Vで良い値です。

ヒーター電圧です。18.14Vでまあまあの値です。

★こちらはラインアンプで音に特に影響のあるバンブルビーの漏れ電圧をチェックしています。
左右ともかなり高い値を示し不良です。

★レストア後の試聴エージング風景です。

いつものオールバンブルビーの音が戻って来ました。

特に本機は低域が軽快な音を響かせてくれます。
良品バンブルビーの中でもいろいろ個性がある中、極めて良い音を出していると感じています。















交換部品です。全てのカップリングコンデンサーを交換しました。
特にS/N 3桁台トーン回路のワックスタイプはどこにもありません。

ヒーター電圧です。17.78Vで少し低い値ですが時間の経過と共にもう少し上がります。

低圧セレン直後です。25.9Vでこちらも少し低い値です。こちらも時間の経過で少し上がります。

高圧B1です。281.3Vで良い値です。

高圧B3です。242.0Vで少し高めですが良い値です。

高圧B2です。263.0Vで良い値です。

←ぶっといワックスタイプ S/N 3桁台中期以前に付いている純正SPRAGUE 0.33uF/100Vです。 奇跡です。

★レストア後の各電圧のチェックです。セレンが変らないのでほぼおなじだと思いますが念のために。

裏面です。横一列4個のカプリングコンデンサーも全て交換しました。
左下のワックスタイプのぶっといコンデンサーも交換しました。

内側のスポンジを張り替えました。
私はこれまで余り気にしませんでしたが気にされる方もいたので取り寄せてみました。
これで音が変ることは無いと思いますが本来は付いているものなので。

★レストア完了です。                                                   2020. 6. 9

部品が揃っていたので結構早くレストア完了しました。


裏面の小さな横一列のカップリングです。

どれも完全に不良です。

表面のバンブルビーの絶縁抵抗値です。全て数メガから数十メガΩで不良です。

良品は最低でも500Mから4100MΩ(=∞)です。

高圧B2です。こちらは269.0Vでかなり高い状態です。

高圧B3です。こちらも益々高く248.8Vを示しています。

高圧B1です。287.6Vで少し高い値です。

高圧セレン直後の電圧です。331.4Vで良い値です。

フォノイコのカソードバイパスコンです。全体にESRが高く、こちらは特に静電容量が1.5倍以上膨れています。これは後で交換されたものです。

★それでは電源を入れて各部の電圧を計ります。

高圧2段目です。ESRが少し高めですが各ブロックともまだ何とか良い値です。

高圧初段です。Leaky表示でリークしています。ESRもかなり高い値です。

低圧です。こちらもESRが高くLeaky表示でリークしています。

裏面です。こちらも殆どオリジナル状態です。恐らく低圧セレンは交換されています。
こちらも配線が異様に乱れています。何があったのでしょうか?

★それでは電源投入前の各電解ブロックコンデンサーからチェックです。

内部です。フォノイコのカソードバイパスコンの一部が交換されている以外は全てオリジナルです。
配線が異様に乱雑になっています。

Marantz7 10100番台 修理依頼機 Y. H 様 概要

Marantz7 S/N 10100番台全面グリーンです。殆ど手を加えていないオリジナル状態です。