高圧セレンを交換しました。交換後、正常な電圧が確保できました。

バンブルビーは全てそのままですが、フォノイコのカソードバイパスコンが違うタイプが付いていたので全てMarantz7純正SPRAGUEの新品に交換しました。

裏面です。妙に配線がぐちゃぐちゃで違和感満載です。

最近ヤフオクで落札された Marantz7 オリジナル S/N 10100番台グリーンです。 こちらでレストアすることを前提に落札されました。

★最初の試聴風景です。

思ったとおりなかなかの良い音が出ています。メインボリュームがメキシコクラロなので雑味はあるもののバンブルビーの音は健在です。

当工房のオールバンブルビー機と比較しても遜色の無い音です。


ただ今、エラールのピアノのレコードを聴いています。いつもの麗しい旋律が響きます。






★本機はボリュームを除けば私が扱ったMarantz7オリジナルの中では最高の素質を持ったセブンだと認識します。気になる箇所を修正したレストア後が楽しみです。






2024. 3. 28 検査
2024. 4. 18,19 進捗
2024. 4. 23 レストア完了

裏面です。

一緒に送って頂いた青色の復刻低圧セレンに交換しました。


★レストア完了です。                           2024. 4. 23

こちらの右テスターは高圧B3です。こちらも228.5Vと少し低い値です。

こちらの右テスターは高圧B2です。こちらも245.6Vと少し低い値です。

左テスターはヒーター電圧です。17.14Vを示し少し低い値です。右テスターは高圧B1です。265.1Vでこちらも少し低い値です。

★電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーの検査です。

★内部です。

2ポッチのMarantz7オリジナルS/N 3桁台純正クラロスタットボリュームに交換しました。やはり音のときめきが違います。これがMarantz7オリジナルの音です。

今回の交換部品です。以前交換された怪しい代品ボリュームやセレンは撤去です。

バランスボリューム周りの配線も正規の状態に直しました。

内部です。バンブルビーにはこちらで特殊なコーティングを施しました。良い状態をできるだけ長く保ちます。

レストア後の音を聴いてからセラミックコンデンサーを交換しました。周波数特性的には問題は無かったのですが低域の出方が違います。純正SPRAGUEの良品に交換すると低音の歯切れが良くなります。

綺麗な出力波形が出ています。周波数特性、歪率なども良い値です。

残留ノイズです。極めて良い状態です。

こちらの左白テスターは低圧セレン直後です。 26.24Vで良い値です。

こちらの左白テスターは高圧セレン直後です。 339.2Vで良い値です。

こちらの左白テスターは高圧B2です。 262.3Vで良い値です。

こちらの左白テスターは高圧B3です。 242.1Vで良い値です。

左の白テスターは高圧B1です。 284.6Vで規定通りよい値です。右手スターはヒーター電圧です。 18.96Vで良い値です。

ぐちゃぐちゃだった配線を正規の状態に直しました。

★レストア完了後の各電圧チェックです。

低圧セレンを交換した後の各電圧を計ります。

こちらの左テスターは今回交換した低圧セレン直後の電圧です。25.88Vと良い値です。

左テスターは高圧B1です。254.8Vと最初の電圧より下がっています。右テスターはヒーター電圧です。18.8Vと最初より上がってよい値です。




こちらの左テスターは高圧セレン直後の電圧です。303.5Vとかなり下がっています。

★今回低圧セレンを交換すると、低圧電圧は良好に成りましたが、この影響なのか高圧側の電圧が落ちています。
やはり高圧セレンも劣化が進んでいます。 交換の必要があります。











同じくこちらは逆方向です。 38.1kΩと逆方向にも導通があります。

交換前にセレンの単体検査です。こちらは順方向の抵抗値です。 9.91kΩで良い値です。

試聴風景です。
ガリは無くなりましたが9時から11時位の角度で右チャンネルからポツポツ音が出ます。12時以降で普通に聴けます。

しかしボリュームを元に戻すと極めて良い音に変ります。いつものMarantz7オリジナルのきらめくような音です。










(2024. 4. 19)
★今度は一緒にお送り頂いた低圧セレンを交換します。

元に戻した純正クラロスタットの2ポッチです。

Marantz7本体に戻し音出しを行ってみます。

オシロの下段が右チャンネルで上段が左チャンネルです。右チャンネルが少し不安定です。

再度組み付けし、仮の箱に入れて左右の特性を測ります。

まずはケースを外し左右を分離します。


★外された純正クラロスタットボリュームを分解し清掃を行いました。                      2024. 4. 18

表面の全てのバンブルビーはテスター表示の通り良好です。長い長いエージングの成果が詰まって全体のバランスが取れた貴重品です。この後当工房で特殊コーティングを施し、なるべく良い状態を長く持たせます。

ライン先頭右0.01uFに少し漏れがありますが音にもそれ程影響は無く、オリジナルの長いエージングを考慮すると交換の必要はありません。

★バンブルビーの漏れチェックです。

低圧φ35です。こちらも3ブロックとも良好です。

セラミックコンデンサーです。少し容量が減っています。まだ使えそうです。

高圧2段目φ35です。こちらも3ブロックとも良好です。

同じくカソードバイパスコン先頭です。以前交換されたようですが違うものに交換されています。

高圧先頭のφ25です。3ブロックとも良好です。

フォノイコカソードバイパスコン2番目です。容量が膨らみESRも高い状態です。

ガリが出るので安易にメインボリュームを、しかもよりによってバッタ物のメキシコクラロに交換されました。日本マランツや専門店にレストアに出すと普通はこうなりますが。
左右の出力の音量が違います。このボリュームのギャングエラーに拠るものです。

高圧セレンを交換されています。恐らくMarantz7オリジナル後期純正のようです。当時はまだこのようなものもあったのでしょう。羨ましい時代です。

S/N 3桁台以前に共通のビス穴位置です。天板を外す時きつくビスが締められていましたが幸いねじ山は大丈夫でした。
この真下に電源トランスがあります。最初期の頃は設計ミスでねじが真下のトランスに当りねじ山が切れているものが多いようです。 S/N 4桁台から改善されています。

しかも電源周りまでぐちゃぐちゃです。どうなったのでしょう。一応音は出ますが。

メインボリュームと高圧セレン以外はほぼオリジナル状態です。

トーンコントロール低音右のスイッチ全体が回転しています。この為配線がぐちゃぐちゃになりました。

全体に綺麗ですが、以前どこかで電源コードを交換されたようです。外すのに苦労の痕が目立ちます。コツがわかればこんなに傷をつけなくても簡単に外すことができます。

★レストア後の試聴エージング風景です。

Marantz7オリジナルの極めて良い音が出ています。










ヤフオクで出品されている内容をこちらも見ていました。大変良い状態のものです。メインボリュームを交換されていますが、元のボリュームを付けて貰えるので、これで3桁台の大きな致命傷は解消です。
こちらで分解修理をします。
ついでに未使用の低圧復刻セレンも付いているようです。検査をして良品であれば使います。

Marantz7 S/N 10100番台 レストア依頼 概要

とりあえず交換してみます。

今度は完全にカーボンとスライダーを分解し、清掃とグリスアップを行います。

左右のユニットの特性を測ります。

電源を入れて各電圧を計ります。