検査で動かす度にスポンジが剥がれてきます。
Marantz7 10300番台 検査依頼機 H. T 様 概要
パネルがピリピリするのでコンセントN極-筐体間の漏れ電圧を調べると AC161.4Vもあり、かなり漏れています。電源トランスの漏電です。交換が必要です。
高圧セレン直後の電圧です。 214.1Vで正常な値より110V以上下がっています。
裏面です。恐らく低圧セレンのみかなり以前に交換されたようですがこれ以外は全く手を入れてありません。
★以上の通り久しぶりにこれ程ひどい個体を検査しました。
電源が入らないのではなく、入るのですが電圧が各真空管が動作する限界値を下回っているので動作できない状態です。
従って最初の音出しもできません。
まずは電源回路を電源トランスも含めて全て交換が必要です。
カップリングコンデンサーやバイパスコンなど消耗部品は全て交換です。
フロントパネルの裏の切替スイッチが全て摩耗しています。まずは部品も無いので分解修理が必要です。
各部の小物パーツがかなり腐食が出ています。アース浮きあります。渡りなどの補修が必要です。
リヤパネルの出力調整ボリュームが左右とも固着して動きません。分解修理が必要です。
ヒーター電圧です。 12.73Vでヒーターが点灯しない状態です。
低圧セレン直後の電圧です。20.38Vで完全に不良です。
フォノイコのカソードバイパスコン1段目です。リークして不良です。
★電源を入れて各部の電圧を計ります。
Marantz7 S/N.10300番台グリーンです。電源が入らないので検査を依頼されました。
高圧B2です。こちらも165.5Vで100V以上下がっています。
高圧B3です。こちらも147.1Vで極めてひどい状態です。
高圧B1です。 179.5Vと正規の値より100V以上下がっています。
フォノイコのカソードバイパスコン2段目です。容量が4倍に膨れ上がって不良です。
低圧φ35です。こちらも殆どリークして不良です。
一部で良品の部分もありますが不良のブロックが多くあります。
高圧先頭φ25です。リークしてESRも計測の限界値を越えて完全に不良です。
こちらはフロントパネル中央のノブの状態です。4本とも垂れ下がってロックできません。
内部のロック機構が摩耗しています。
この画像では見難いですが、本来はスリットの中央で一列に並んでいます。
★電源を入れる前に各電解ブロックコンデンサーのチェックです。
S/N 3桁台以前の特徴であるぶっとい0.33uFワックスタイプコンデンサーです。
残念ながら両方とも不良です。
内部です。こちらはほぼ60年間メンテをされていない状態です。劣化したスポンジの粉が内部全体を汚しています。
左側面のみブラウンハンマートーンでこれ以外は全てグリーンハンマートーン塗装です。
当工房の300番台と同じです。
右側面とリヤパネル、天板底板がグリーンです。