Marantz#7レストア10400番台 S.M 様 概要

★ 一通り検査しました。                                     2017, 7, 1

バンブルビーは裏の0.01uf/400Vを良品と交換しました。
電源のブロックコンデンサーは先頭のφ25を新品の代品に交換しました。

最初期特有のぶっとい0.33uFは何とか生かしています。セラミックと他のコンデンサーの値で調整しました。



これ等の変更により、こちらにある秘蔵品と同じ様にきれいな音を奏でてくれます。

特にレコードのずっしりと響く低音や澄み切った中高音はなかなかのものです。



大変貴重な、総グリーンハンマートーン塗装3桁台としての貴賓は音にも出ています。









バンブルビーは表の0.22uF/200Vを良品と交換しました。他のバンブルビーは中には何とか使えるものもありましたが概ね大丈夫かと思います。
セラミックとRIAA偏差のコンデンサーも交換しています。
また、フォノイコのカソードバイパスコンは4本ともSPRAGUE新品と交換しました。容量が倍位膨れたものやESR値が高い物など、ここは確実に交換が必要です。

★ レストア完了です。                                     2017, 7, 12

最初の音だしの時にも書きましたが、予想通り電源のブロックコンデンサーが2本不良でした。
また、ラインアンプもバンブルビーが2本不良です。これだけで済んだのでなかなか良い状態です。
セラミックコンデンサーは2本とも不良です。普通はどこでも代品は持っていないので前回のレストアではそのままのようで、当然不良でした。
こちらで純正SPRAGUEに交換できます。
RIAA偏差のコンデンサーも2本とも不良です。
上記ブロックコンデンサーの高圧B電源初段φ25と、ヒータ用φ35が不良です。それぞれ3ブロック中2ブロックが抜けていました。
左がφ25の高圧B電源初段のブロックコンデンサーを検査しています。 Leakyと表示され不良です。
右の画像も高圧で2段目のφ35です。これは3ブロックとも良品です。
これ以外にヒータ用φ35も3ブロック中2ブロックが不良でした。


電圧は高圧、低圧とも正規の値です。セレンは大丈夫です。










★ 本機も3桁台特有のグリーンハンマートーン塗装です。全体にきれいです。

全てがオリジナル状態で3桁台としての致命傷も無く大変すばらしい個体です。久々にレストア依頼でこのような素晴らしい物を見ました。

★ 左側面のみ通常のブラウンハンマートーンでそれ以外の4面がグリーンハンマートーンになります。

電源コードもオリジナルの丸コードで損傷も非常に少なくとても良い状態です。

★ 唯一この左側面のみ通常のブラウンハンマートーンです。

★ 内部は完全なオリジナル状態です。恐らくバンブルビーは良品が多いと思います。

以前他でレストアされているのでそれなりの音が出ています。
ただ持っていない部品は交換されていないのでそれなりで済ませてあります。

裏のぶっとい0.33uFもこの型番としては付いています。もう少し後の500番台始めから通常の細いタイプになるのでしょう。
ただ、音的には良品かどうかは微妙で検査をしてみないとわかりません。










★ こちらの依頼は特に音的には問題無さそうだけども一応診てほしいということでした。
少し前に他でオールバンブルビー化にされています。

早速まずは音だしを行いました。

レコードでは、RIAA偏差が崩れています。低域が弱く高域が尖がっています。
ラインアンプでも全体にバンブルビーの音ですが、やはり低域が弱く高域が出ています。恐らくセラミックと一部のバンブルビーが不良です。
全体に粗く感じるので電源もダメでしょう。ブロックコンデンサーはどれも未交換のままです。

一般にはこの様な音でもMarantz7オリジナルとして良い音と評価されていると思いますが、こちらのレストア機とは違う音です。

この後詳細に検査をして周波数特性やイコライザーカーブ等の検査、歪やSN比の検査、および電源のコンデンサーの単体特性の検査などを順次行ってゆきます。