こちらでは今回で2度目の電源トランスの交換になります。

発売から60年近いビンテージアンプです。そろそろこうなってもおかしくない年齢?です。
しかも本機は過去に一度水没しています。

急いで代品を探さなければなりません。

★参考に、ソケット周りを詳しく紹介します。 2017.10.14

改めて確認すると全ての真空管のソケットは泥で汚れています。
チューブマウントのアルミフレームなどは届く範囲で拭いてありますがソケットの細かいところや配線の隙間には泥が付着しています。

★再検査です。 (2017.10. 4)

早速不良のトランスを外すと、水没の爪痕が。。。

恐らくハリケーン等で河川の氾濫に会ったのかも知れません。
ヒューズボックスやACアウトレットの上に泥が堆積しています。

★ 修理完了です。                                                         2017.10. 3


電源トランスが見つかりました。 今回もかなり高価ですが背に腹は代えられません。至急取り寄せすぐに特性検査です。
各巻き線の抵抗も良好、開放電圧も正規の値を示し良品でした。

Marantz#7 修理  10400番台 H.S 様 概要

2017. 9. 28

異音の原因を探るためまず真空管を疑い1本交換して電源を入れるとまたヒューズが飛びました。
このためこの真空管の周りを注意深く見ると、ピンが黒く汚れています。

真空管ソケットの漏電です。

全てのソケットは浸水のため泥で汚れています。恐らく全てのソケットの中は泥が詰まっているのでしょう。
他にもボリュームなどに泥が入り込んでいるかも知れません。

これは重症です。



真空管ソケットは全て交換になります。
しかも、また電源トランスを探さなければなりません。
これで2個もの貴重な純正トランスが破損しました。



当分の間、再起不能のようです。











★ 2017.10.12記載

もしかするとこういう事で再起不能となり部品取り後廃棄処分の道をたどることになるのかも知れません。
即ちトランスの様に簡単に複製できない物が破損した場合です。
電源が入らなければ何もできません。

例えは本機の様に3桁台でありながら4桁台のパネルが装着してある。
すると、このパネルの元々装着してあった本体はどこへ行ったのでしょう。。。。

たまにヤフオクにMarantzやMcIntoshその他の本体から取り外した純正部品が出品されますが、そうなると本体は当然解体されて個体として存在しないのでしょうね。
この様な部品を見るといつも不思議に思います。

今回の様に電源トランスが破損した場合、代品は皆無なので純正トランスを探すしか方法はありません。
しかし、そもそも純正トランスが出回ること自体が有り得ないことかも知れません。
他の部品は結構代品があります。





前回オーナー様が保管されていた青い復刻セレンに交換したのですが、これが順方向逆方向とも導通があります。
しかも1次側とアース間でショートしていました。

これがヒューズが切れる直接の原因と判断してこちらの復刻セレンに交換しました。(上と右の画像)

しかしこれでもヒューズが飛びます。

このためやはり電源トランスの絶縁不良と判断します。

本機は少し前にこちらでオールバンブルビー化レストアと電源修理を行ったものです。
前回はこのアンプが過去に水没した形跡があり電源回路のトランスを除く殆どの部品を交換しました。
良品のオールバンブルビー化もあってとても良い音に蘇り、こちらも納得の行く音になったと思いオーナー様にお返ししました。
それから2週間程でボボボと異音が出てヒューズが飛んで音が出なくなったと連絡がありました。

早速再度送って頂き検査しました。

以前は水没のため電源トランス以外を交換しました。しかしこの電源トランスだけなかなか代品が無いので交換せず先送りしたのですが、このトランスが心配だったため真っ先に1次側2次側の抵抗値を測りました。
簡易的に絶縁抵抗も測っていますが特に問題無さそうでした。

このピンの根元の青くなっている部分はスパークの痕でしょうか?この周辺は焼け焦げたように黒くなっています。

ソケットにひびが入っているようにも見えます。



こんな状態でよくこれまで鳴っていたものです。

オーナーの方は1週間ほど音を出していなかったそうで、その後真空管を交換されて異音が発生しヒューズが飛んだと言われています。
日本は湿気が多いのでこの休止中の1週間で泥に湿気が溜まり、且つ真空管の抜き差しで湿気の持った泥の塊の状態が変わり完全に漏電状態になったと推測できます。

いつも電源を入れていれば内部の熱で湿気も特に影響しないのかも知れません。






ソケットの中も泥が入り込んでいます。画像は入り口なので良くわかりませんが奥にピンで押し込まれ固まっています。

やはりソケットに付着した泥と湿気などで漏電したようです。


恐らく上の画像のACアウトレットの中もこのような状態で大変危険です。

ボリュームには高圧電圧は掛からないので危なくは無いのですがやはり泥が入り込んでいる可能性が高いと言えます。





今度は音もしっかり出ています。前回レストアしたオールバンブルビーの音が蘇りました。

やはり電源トランスが不良でした。



しかし、しばらくレコードを鳴らしていると左右からブーンというハム音が時々出ます。

今回のトランスの不良でどこか悪影響が出たのかも知れません。

これからまた各部の検査です。







トランスを交換して各部の電圧を計ると高圧、低圧共良好です。

この電源トランスの表面に内部からの錆が白く浮いて来ています。
(白いのは錆止めの下塗り塗装です)
恐らく内部は大変なことになっていると推測できます。