Marantz#7レストア10500番台 K.Y 様 概要

2017.2.13

以上の結果、以前の160Pの円やかで大人しい音からバンブルビーらしいダイナミック音に変わりました。

透明で伸びのある中高音、怒涛の如く叩きつける重低音。正にバンブルビーの音です。







裏面は横一列の小さなカップリングを全て良品バンブルビーに戻しました。
0.33uF200Vのコンデンサーは正常でした。
低圧セレンは茶色で正規品のようです。ヒータ電圧は正常です。

基板上の160Pを全て純正バンブルビーの良品に戻しました。
各部の電圧は正常です。フォノイコ部のカソードバイパスコンデンサーも新品に交換されています。
セラミックコンデンサーは容量不足で不良なのでSPRAGUEの新品と交換しました。

最初に症状のあったセレクターのテープヘッドの発信音は、予想通りRCA端子のアース浮きでした。前レストアでこの端子を全て新品交換されたときにアースの渡りを取るのを忘れたのでしょう。テープヘッドのイコライザー回路の中で発振を起こしていました。
この渡り配線は各端子の配線を行う前に施設するものですが、各端子の配線の後では隠れて見えないところなのでかなり難儀でした。
結局、側面を外して半ば分解状態で行いました。

渡りを取った後はセレクターを回しても発信音は出ません。正常に戻りました。

裏面です。横一列のカップリングも全て160Pに交換されています。
側面のスポンジも交換されています。

内部です。基板上のカップリングコンデンサーは全て160Pに交換されています。とても丁寧な配線で繊細な気配りが伺えます。
清掃も行き届いています。

天板や底板はご覧のように傷一つ無く大変きれいですが、よく見ると再塗装されています。しかも開いてみるとこの天板と底板は新規に製作した物です。
後ろのパネルのRCA端子とアース端子は全て純正の新品交換されています。

また、前面パネルのツマミは後で金メッキされています。パネル表面も薄く金塗装されていました。
このため驚くほどきれいです。

シリアルナンバー10500番台の大変貴重な個体です。外観は驚くほどきれいです。都内の某ショップからの購入だそうです。
恐らく相当高額だったと予想されます。

本機はこのショップでレストア後の販売のようです。内部のカップリングコンデンサーは全て160Pに交換されています。
電源回路もブロックコンデンサーが1本交換されていました。
音は160Pらしい大人しい音できれいに出ています。

所有者の方のお話ではセレクターを回すときテープヘッドの所でピーと言う発信音が出るそうです。実際こちらでも確認できました。

★レストア後です。

2017.3.3