Marantz#7修理 10500番台 K.Y 様 概要

2017.7.15

以上の結果、高圧セレンとブロックコンデンサーの交換でテープヘッドの発振は無くなりきれいな音が甦りました。

以前オールバンブルビーにレストアして約半年ですがバンブルビー全体が劣化していて、今回イコライザーのバンブルビーの劣化が大きく、これが音を濁らす原因となっていました。

皆さんご存知のようにバンブルビーは現在ではどれも新品は無く、殆ど不良品の中から極めて数少ない良品を選んでこちらではレストアを行っています。しかし良品と判断して装着しても今回のように半年でダメになるケースもあります。


ビンテージアンプの当時の音を維持することは奇跡に近い位大変難しい事です。





今回も、透明で伸びのある中高音、軽快な重低音。正にバンブルビーの音が再び甦りました。







今回交換した主な部品です。

左より、高圧B電源初段φ25、低圧ヒータ用φ35、高圧セレン、イコライザー初段カップリング0.1uF/400V2本、同イコライザー最終段カソードフォロア後カップリング0.47uF/200V2本。

イコライザーの音が悪かったのはこの0.1uFと0.47uFが特に大きく劣化していました。

高圧セレンとブロックコンデンサーのφ25とヒータ用φ35を新品交換しました。
測定すると高圧セレンは順方向が2.5MΩ逆方向3.5MΩとなり殆ど整流できていない状態です。この為マイナス側の電圧がブロックコンデンサーに掛かり不良の元となっていました。
こちらで復刻ですが高圧セレンを交換しました。

★修理完了後です。

2017.8.3

★電源の特にブロックコンデンサーが2ブロック以上不良になると様々な症状が出てきます。
今回は、前回レストア時に修理したセレクターのテープヘッドでピーと発信音がでる症状が悪化しています。

本機は以前他でレストアされたときに背面の入力端子を全て交換されています。このときイコライザー関係の入力端子でアースの渡り配線を施さず、この為ピーとテープヘッドで発振していました。
これをこちらで全て渡りを取ることにより解消できました。

しかし今回は電源回路のブロックコンデンサーがリークしアース不良を起こして前回と同じようにテープヘッドでアースが浮く状態となり発振していると考えます。
上の画像では一番下の低圧ヒータ用ブロックコンデンサーの不良が直接の原因と診ています。

一般にこのブロックコンデンサーの代品はありません。この為他のレストアされるところではチューブラ電解コンデンサーを並列に追加して凌ぎます。こちらでは代品ですが同規格の新品を確保することができます。


また、音はイコライザーが特に音が悪く感じます。電源修理後この原因を探りたいと思っています。

高圧B電源ブロックコンデンサー初段です。Leaky表示を示し3ブロック中2ブロックが不良のようです。ESRは1Ω以下で問題は無いのですがリークして静電容量が計測できません。

これも半年程前にこちらでオールバンブルビーにレストアしたものです。

最近また前回と同じようにセレクターを回すときテープヘッドの所でピーと言う発信音が出るそうです。こちらでも確認できたのですが今回は前回よりも大きな音です。
恐らく電源によるものではないかと推測しています。

★検査中です。

修理前の画像です。

高圧B電源の2段目のブロックコンデンサーです。以前に交換されているようです。ESRは少し高いようですがきちんと値が出て3ブロックとも正常です。

今度は低圧ヒータ用ブロックコンデンサーですがこれも3ブロック中2ブロックがLeaky表示で不良です。