最終的な内部裏面です。

内部上面のバンブルビーを全て代品のコンデンサーに交換しました。

フォノイコが特にSN比がよくないので、カップリングコンデンサー以外に各段のプレート抵抗も4本とも高級品のAMRGに交換しました。

Marantz7 10700番台 再レストア依頼機 T.E様 概要

2019.10.18
2019.10.21 再レストア完了

交換した不良のバンブルビーと抵抗類です。
パイロットランプは前回も交換しましたがまた切れたようです。
念のためチェックするとランプの電源電圧はきちんと正規の値なのでNOS品のため経年劣化かも知れません。

電源回路の抵抗と高圧用ブロックコンデンサー2本を交換しました。
抵抗は真空管プレート抵抗を交換したものと同じAMRGです。

表面の高圧用ブロックコンデンサーです。

(2019.10.18)
異音の発生は予想通り真空管のソケットの接触不良からでした。
各真空管のピンの曲りを念入りに矯正し腐食をサンドペーパーで落とし、且つ念のためソケットに接点復活材を塗布すると異音は殆ど出なくなりました。

取り合えず試聴すると、やはり安定したとても良い音になりノイズもほとんど気になりません。
こちらにあるオールバンブルビー仕様の3桁台と比べてもかなりノイズは減ったと思います。

ボリュームのガリも接点復活材を塗布し何度も回すとほぼ気にならない状態です。




(2019.10.21)
残留ノイズの軽減のためいろいろやってみたのですが最終的に電源の高圧用ブロックコンデンサー2本と抵抗を交換しました。
抵抗はプレート抵抗と同じ高級品です。
一応電解コンデンサーの容量アップのためチューブラコンを追加してみたのですが、残留ノイズは変わらないのでオリジナル状態尊重のため余分なものは取り外しました。

接点復活剤塗布から3日経って全体に馴染んできたのかボリュームのガリは最大まで回しても出ません。


本機は極めて貴重なSN.3桁台です。一般的な4桁台とは内部配線なども違うことからノイズを拾いやすい構造ですが、これだけの処置でかなりノイズは少なったと感じています。

これ以上になると配線なども手を加えなければならず、貴重なオリジナル状態から逸脱します。










裏面のカップリングでは160Pに交換されていて前回の検査では良品のため今回も流用です。ここはあまり音に影響の無いところなので160Pでも問題ありません。

本機は今年の8月に当工房でレストアしたものです。その時の状況はこのレストア依頼機【86】10700番台に掲載しています。
当時の検査では電源回路とすべてのバンブルビーが不良と判断しましたが、オーナー様の要望でバンブルビーをそのまま残しています。
今回は音がレストア前より悪くなったと感じられ、ボソボソ、キュィーンなどの異音や特にフォノイコのノイズが大きくなったことにより再レストアとなりました。
やはり不良のバンブルビーが音を悪くする要因ですが、レストア前までは電源が劣化し電圧がかなり落ちていたので真空管も本来の性能が発揮できすノイズ等が余り目立たなかったのではないかと思います。
そこで前回のレストアで電源回路を修理したことで正規の電圧になり各真空管のゲインも上がったことからノイズが目立つようになったと判断します。
今回は音を悪くする劣化したバンブルビーを全て代品のコンデンサーに変え、異音の発生原因も突き止め且つ極力ノイズを減らす方向で再レストアとなりました。

フォノイコ次段後の0.1uFにGoldenBlack、最終段後の0.47uFはWE仕様GoodAll-TRW。
ラインアンプでは音に一番影響のある0.22uF/400Vはアリゾナ。最終段カソードフォロアの0.22uF/200VにはGoodAll-TRWを使用しました。
これは当工房の最近のベストな組み合わせです。