2024. 7. 1 検査
2024. 7. 9 レストア完了
2024. 9. 16 再修理

こちらはボリューム後のシールド線のアースポイント変更後の値です。右は0.5mV、左は0.2mVで右側の大幅改善が見て取れます。どちらも最初の測定の半分以下です。

いろいろやってかなり良くなりました。こちらのメーター読みでは右が0.7mV、左は0.2mVの洩れです。

修理完了後の内部です。


★かなり時間が掛かりましたが漸く修理完了です。                            2024. 12. 2

          

左右の出力の残留ノイズです。少しノイズが出ています。

裏面です。こちらも殆どオリジナル状態に仕上げられています。

★修理後の試聴風景です。

音洩れは殆ど目立たなくなりました。



イヤー、今回は極めて大変でした!
時間を掛けてあらゆる可能性を確かめ多くの部品も交換してみましたが殆ど効果はありません。
最終的にわかった事はメインボリューム周りの特性です。このクラロスタットはフォノイコのときだけケーブルの誘導を引っ張るようです。フォノイコではレコードの信号をいつも最大に増幅しているのでケーブルやボリューム本体のアースが不十分ではこれに音声信号が乗るようです。
Marantz7オリジナル初期型ではこのケーブルのシールドが不十分で中期型あたりから改善されています。

今回、シールドアースポイントの変更でかなり改善しました。
完全に漏れを無くすにはボリューム交換になりますが、本機はS/N 3桁台の最初期型なので2ポッチの純正クラロスタットです。 不可能です。









チェック中に思わぬ状態を発見しました。フォノイコの左のTAPE READ回路の断線です。今回の件とは直接は関係ありません。これは前のレストア屋さんがRIAA素子の交換の時に外れたもので、気が付かなかったのでしょう。今回こちらではRIAA偏差のコンデンサーは交換済みなので触っていません。

ボリューム後のシールド線のアースポイントを変えました。元々Marantz7オリジナル初期型のアースの取り回しは極めて変です。今回これが仇となりました。15000番あたりからかなり改善されています。

フォノイコの右に少し音漏れがあります。

早速の状態チェックです。

こちらでチェックすると、やはり左の出力が出ていません。

詳しく調べてみると、左のボリュームから延びているシールド線に這わしてあるアース線の接続ポイントが断線していました。これは19000番台までの初期型ではたまにある事で、線が経年で硬化し運送中の振動でハンダ付け根で断線します。
繋ぎ直して左右ともハンダ盛で強化しました。また他にも怪しいところがあったので処置しておきました。

一応電圧のチェックです。左の白テスターは高圧B1です。278.7Vで良い値です。右テスターはヒーター電圧です。17.26Vでまあまあの値です。

★修理後の状態です。オシロの波形は左右の出力を表示しています。
左右とも綺麗な波形が出て、状態も安定しています。



★レストア完了です。                                                2024. 7. 9

不良だったトーン回路後の0.33uF/200を、同じSPRAGUE NOS品に交換しました。音の明瞭さが違います。

電源回路は正規の状態に戻りました。抵抗も純正A&Bに交換しました。

Marantz7の音に重要なSPRAGUEのセラミックコンデンサーです。正規の容量のものに交換しました。

★電源回路の高圧セレン、低圧セレンとも流用の為、各電圧にその影響が出ていますが、ブロックコンデンサーが新しいので当分は良い状態で聴けると思います。

左の白テスターは高圧B1です。 279.0Vで極めて良い値です。右テスターはヒーター電圧です。 17.0Vでまあまあの値です。

こちらの左テスターは高圧B3です。 236.9Vで良い値です。

こちらの左テスターは高圧B2です。 258.6Vでまあまあの値です。

こちらの左白テスターは高圧セレン直後です。328.2Vでまあまあです。

こちらの左白テスターは低圧セレン直後です。25.1Vで少し低い値です。

裏面です。こちらも殆ど変りません。

★レストア後の試聴エージング風景です。

いつもの爽やかなMarantz7オリジナルの音が戻って来ました。

各楽器の音像がはっきり解る中高音の透き通るような透明感。低域まで解像度が高く、吼えるようなドスの効いた低音。これぞMarantz7オリジナル・オールバンブルビーの音です。







こちらは左右の出力波形です。左右とも綺麗な波形が出ています。周波数特性、歪み率とも良好です。

残留ノイズの測定です。ミリバルのメーター読みで左右とも 0.0003Vと極めて良い値です。波形の乱れもありません。

横一列の小さなカップリングコンデンサー4個を良品のバンブルビーに交換しました。

★レストア後の電圧チェックです。

電解ブロックコンデンサーは3本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。高圧セレンはそのままです。

内部です。余り変りません。

★期待を込めて、最初の試聴です。

音はまあまあですが、オールバンブルビー機としてみると、いつも聴くこちらの音とは全く違います。まるでブラックビューティー(160P)でフルレストアしたような輝きの無い曇った音が出ています。しかも妙に低音がボンボンと目立ちます。

裏面のバンブルビー4本が不良でもこんな音にはなりません。バンブルビーが偽物かと思って詳しく調べましたが間違いなく本物の良品です。真空管もTelefunken ECC83<>有です。

恐らく電源回路の改造によるものです。マランツセブンの音にはなっていないようです。

普通はこの音でも良い音と言われるのでしょうが、本来のマランツセブンは5月の澄み切った青空の如く輝くような透明感が味わえます。

だからこそ、マランツセブンなのです。

こちらの右テスターは高圧B2です。256.9Vで少し低い値です。

こちらは表面のバンブルビーのチェックです。基板上のバンブルビーは全て良品です。さすがです。

こちらは裏面のバンブルビーの漏れ電圧です。4本ともかなり漏れがあります。経年で劣化したようです。

こちらの右テスターは高圧B3です。237.7Vで良好です。

左の白テスターは低圧のヒーター電圧です。17.66Vで少し下がっていますが、まずまずの値です。右テスターは高圧B1です。277.9Vで良好です。

★それでは電源を入れて各値を測ります。

こちらはラインのセラミックコンデンサーです。このショップ様はいつもこのような大きいSPRAGUEのセラミックコンデンサーを使われます。ここもマランツ7の音にとても重要なところです。
以前これを検証したことがありますが、どうも音がぼやけてしまうようです。
今回も最初の試聴で音に違和感を感じています。

こちらはフォノイコのRIAA偏差を決めるコンデンサーです。
左右とも微妙ですが全体としては何とか使えそうです。

こちらは低圧φ35です。画像の様に3ブロック中2ブロックで計測不能で完全に抜けています。残り1ブロックで辛うじて機能を果たしています。後の試聴で音漏れはこの抜けたブロックの回り込みが原因です。

こちらは高圧の2段目φ35です。本来この2段目も3ブロックですが、このブロックコンデンサーは4ブロックあります。測定では全ブロック良品ですが、値が全く違います。完全に別回路を組まれています。
後の検査で残留ノイズが出ているのはこのブロックが原因です。正規の回路ではないのでリプルが取りきれないのでしょう。

★まずは各ブロックコンデンサーのチェックからです。

こちらは高圧先頭φ25のSPRAGUE製ですが、2ブロックしかありません。しかも各値が全く違います。ここはマランツ7の音にとても大事なところです。このように改造されては全くセブンの音にはなりません。

電源回路は、こちらも復刻の低圧セレンに交換されています。

しかし、よく見るとブロックコンデンサー周りの配線がいつもと違います。
これは改造されています。 後でブロックコンデンサーのチェックの時詳しい様子がわかります。

電源は、きちんと復刻高圧セレンに交換されています。電解ブロックコンデンサーは高圧φ25とφ35のみ交換され、低圧はオリジナルのままです。よく見るとφ25はオリジナルSPRAGUE製です。専門店だけあって、さすがにこう云うものをお持ちです。

内部です。綺麗な仕事をされています。

とても綺麗なMarantz7オリジナル S/N.10700番台です。こちらは東京港区のMarantz7専門のオーディオショップでオールバンブルビー化にレストアされたものです。今回オーナー様が別のショップにメンテを依頼され、そのショップ様からこちらにオリジナルに近い状態にフルレストアを依頼されました。

フォノイコのみ右側から音が少し漏れています。

メーター読みでは右が1.1mV、左は0.5mV程の音洩れです。





★ボリュームを絞っても片側だけ少し音が出るので再修理を依頼されました。                            2024. 11. 7

右側面に店の宣伝用の金属製のラベルが貼られています。これを取る場合、確実に塗装が剥がれます。折角の無傷のオリジナルの塗装ですが、いつかは誰かが剥がすことになるでしょう。その時が致命傷となります。
このマランツ専門ショップ様はヤフオクでも出されているアンプにこのラベルが貼られています。これを見るといつも心が痛みます。

Marantz7 S/N 10700番台 レストア依頼 概要

★片側の音が出ないので再修理を行いました。                                     2024. 9. 16

交換部品です。右端のφ25ブロックコンデンサーはSPRAGUEの良品ですがやはり全く違うものが付いていました。中央のφ35高圧のブロックコンデンサーも形式が違うものです。これらで組まれた電源回路がMatantz7を違う音に変えています。また黄色のSPRAGUEの0.33uFの劣化と大きなセラミックコンデンサーが音を曇らせています。使う部品の選定は重要です。

こちらはフォノイコのカソードバイパスコンです。既に交換されているので4本ともまだ何とか大丈夫です。