★本機に付いていた真空管はフォノイコにMullard ECC83とKB/D CV4004、他はTelefunken ECC83 <>有で主にスムースプレートです。(画像の奥)
オーナー様が音的に気にされていたので、こちらのTelefunkenで試聴してみます。
試用真空管はこちらの所有機Marantz7 S/N 10400番台グリーンから外した、Telefunken ECC83 <>有 リブプレート同一ロット6本組を使用します。(画像手前)
特に違うのはフォノイコでやはり音の抜けが違い、音の厚みとダイナミックさも違って聴こえます。
ラインはスムースプレートかリブプレートの違いと言って良いと思います。繊細さと迫力の違いと言えるのでしょう。
元の球で問題はCV4004(Mullard M8137)です。TelefunkenやMullardのECC83より雑な音に感じます。多分互換性があると言われて使用されていると思いますが厳密には違う音です。
暫く聴いていると全体に馴染んできたのか、オールTelefunkenではこちらの所有機 S/N 3桁台グリーンと同じ音に感じます。
実に良い音です。
ヒーターセレン直後の電圧です。 26.01Vで良い値です。
★レストア後のエージング風景です。
さすがのMarantz7 with Bumble Bee です。抜けの良いダイナミックな音が甦りました。
オーケストラの細部のパートが聴き分けられます。
堂々とした低音は心が躍ります。
電源回路が元気になると音にも躍動感が漲(みなぎ)ります。
交換部品です。
★レストア後の各部の電圧を計ります。
高圧セレンと電解ブロックコンデンサーの先頭φ25を交換しました。最近ではこのφ25は部品で持っている所は皆無に近い状態です。
ヒーター電圧です。 18.05Vで良い値です。
高圧B3です。 237.8Vで良好です。
高圧B2です。 257.0Vで良好です。
高圧B1です。278.8Vでこちらも素晴らしい値です。
高圧セレン直後の電圧です。333.1Vと素晴らしい値です。
全て良品のバンブルビーです。フォノイコのカソードバイパスコンは全て純正SPRAGUEの新品に交換しました。
RIAA偏差のコンデンサーも交換しました。
側面のスポンジ交換を行いました。当工房ではこれまで余りスポンジは意識していなかったのですがご要望があったのでトライしてみました。
スポンジはたくさん取ったので今後はいつでもできます。
★レストア完了です。 2020. 4.
24
今回検査したコンデンサーの全てです。
検査結果をラベルに記入しています。上段が静電容量(単位μF)、下段が絶縁抵抗値(単位MΩ)です。
Bumble Beeは下段中央の小さな0.01uF以外は全て不良です。
160Pは全てOL表示で良品です。
★カップリングコンデンサーのバンブルビーは概ねまだ大丈夫ですが、ラインの0.01uFは左右とも劣化しています。
フォノイコのRIAA偏差のコンデンサーも劣化しています。
★最初の音出しでは少し粗い音がして、中高域で歪が感じられます。
1時間程聴いていると特に問題の無い音に聴こえるのでやはり電源が温まるまで荒れた音なのでしょう。
電源が温まった後の音はやはりバンブルビー機としては余り元気の無い音です。電源電圧が低い為だろうと思います。
今回のBumble Beeで唯一良品です。 0.01uF/400Vです。
★ご依頼のあった所有コンデンサーのチェックを行いました。 2020.
4. 24
・絶縁抵抗計 SANWA model MG500
・静電容量検査 SANWA model CD771 (デジタルマルチテスター、静電容量0セット機能付き)
こちらはBumble Bee 0.01uF/400VのNOS未使用品です。全て不良です。
この時の表示は7.33MΩで4100MΩ以上の無限大には程遠い値です。
基本的に世の中の未使用品は全て不良と考えてください。当時から品薄であり良品は使い尽くされ不良のみが出回ったと考える方が自然です。
当工房でも未使用品を何度か見ていますが100%不良でした。もし良品が有った場合偽物の可能性があります。
Bumble Bee 0.47uF/200V の絶縁検査です。200V耐圧は絶縁抵抗計は250Vレンジで出力します。全ての0.47uFと0.1uFは不良でした。
当工房で良品として扱うのは絶縁抵抗が500MΩ以上、静電容量15%以内です。
ブラックビューティー(160P)の検査です。こちらは耐圧400Vなので500Vレンジで出力です。
全ての160Pは良品でした。 無限大はOL表示です。
無限大としての絶縁抵抗値は4100MΩ以上。
低圧セレン直後の電圧です。26.15Vと良い値です。
ヒーター電圧です。18.08Vで少し低い程度でまあまあです。
高圧B3です。こちらも212.1Vとかなり下がっています。
高圧B2です。こちらも230.5Vとかなり下がっています。
高圧先頭のφ25です。3ブロック中2ブロックでLeaky表示の通りリークしています。
低圧です。3ブロックとも良好です。
高圧2段目です。3ブロックとも良好です。
★電源を入れて各部の電圧を計ります。
裏面です。こちらも完全なオリジナル状態です。
★まずは電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーのチェックです。
内部上面です。完全なオリジナル状態です。
天板や後面には殆ど傷や汚れがありません。RCA端子もまるで新品の様にきれいです。
11000番台に特徴の丸い電源コードも補修テープを巻かれて健在です。かなり大事に使われています。
オーナー様は補修部品をたくさんお持ちで同梱されました。
大変きれいでオリジナル状態のMarantz7です。 最近2台目の#7を手に入れたが以前こちらでオールバンブルビーにレストアした物と音が違うので診て欲しいとのご要望です。
高圧B1です。こちらも247.6Vとかなり下がっています。
高圧セレン直後の電圧です。293.8Vで30V程下がっています。
Marantz7 11000番台 レストア依頼機 M. Y 様 概要