Marantz#7レストア11000番台 M.Y 様 概要

2016.11.23
最初に全てバンブルビーでしたが、音にとても重要な0.22uF400Vを2個交換しました。
フォノイコはカソードバイパスコンと最終のカップリング0.47uFの片側を交換しています。このカップリングが歪の元でした。これは絶縁抵抗は無限大で良品の様に見えましたが静電容量がかなり膨れています。特に放電時間が殆ど無くコンデンサーとしての役割を果たしていなかったようです。
セラミックコンデンサーも純正SPRAGUEに交換です。
カソードバイパスコンはまだ使えそうでしたが表面に粉が吹いていて隣のバンブルビーに掛かっています。汚いので新品のSPRAGUEに交換しました。よくオリジナル状態で黄色く汚れたままの物を見ますが、中の電解液が外に噴出して変色しています。出来れば交換したいものです。
RIAA偏差を決める0.0056uFも抜けていました。このコンデンサーも純正バンブルビーの良品は皆無です。
今回はUSA製の代品を使用しました。

この他のイコライザーカーブでold 78やColumbia/LPの特性も検査しました。
高圧B電源の電圧が異常に低いようです。通常300V程出ている物が本機は270Vで明らかにセレン交換になると思ったのですが交換しても電圧が上がらないのでやはりブロックコンデンサーです。
写真の様にチューブラコンデンサーを追加すると規定通りの電圧になりました。

裏面の4個のバンブルビーのうち3個を交換しました。これ等も特に絶縁抵抗は皆無限大でしたが静電容量が膨れていたので周波数特性が悪く交換になりました。誤差5%以内の良品を使用しました。
トーン回路内のカップリングで0.33uF200VのSPRAGUEは珍しく良品でした。

音は素晴らしいの一言です。
やはり各コンデンサーの良品交換して最後の決め手は電源です。抜けるような澄み切った音は電源がしっかりしていなくては出ません。
60年近く経ったビンテージアンプの電源回路のブロックコンデンサーは殆どへたり切っています。しかもこのブロックコンデンサーは極めて特殊なため代品もありません。特にφ25の20uF x3は皆無です。しかもここにはφ25しか入りません。

見た目は悪くても上の画像の様に国産のチューブラコンで構わないので追加するべきです。
こんなちっぽけでチープなコンデンサーを追加するだけで劇的に音が変わります。











2016.12.14
★レストア完了です。
レストア前の最初の音出しでは、
LINE入力でまず気になったのは左右の出力がとても小さいようです。
こちらのレストア済みは、後ろの左右のアッテネータを中間位に設定してクラロの角度が10時半位の位置での音量では、
この11000番台は、後ろのアッテネータが左右ともmaxでクラロは12時位です。
左右の出力が違っていたり音量が小さい場合カップリングコンデンサーが抜けている可能性や高圧B電源の低下が予想されます。

左右の音も歪と言うよりザーと言うノイズが混入しているような気がします。
Phonoはさすがに両チャンネルとも歪が多く感じられます。バイオリンがギーギー音です。

全て純正バンブルビーですが音は我慢されていたようです。若いシリアルナンバーで高額なものの中にはこのような状態のものが多く見受けられます。