普通に音は出るのですが、余り良い音ではありません。この為波形を見ながら不良個所の特定を行いました。

Marantz7 S/N 12000番台 修理依頼 概要

2022. 7. 11 検査初掲載
2022. 8. 21 修理完了
2022. 8. 22 エージング調整完了

電源回路の抵抗類を交換しています。

ラインアンプ初段のプレート抵抗を音の良いものに交換しました。

★電源を入れる前にヒューズと電源トランスの1次側の巻き線抵抗を計ります。

ヒューズも抵抗値も問題ありません。

裏面です。電源回路の抵抗を色々交換しています。ラインアンプ初段のプレート抵抗とフォノイコのバイアス抵抗も交換しています。

結構いろいろ換えてみました。 漸くいつもの奇麗な波形に戻りました。

両チャンネルとも奇麗です。

★最後の試聴です。

漸く良い音が戻りました。




(2022. 8. 22)
修理完了から2日間エージングを行っていました。この間抵抗やバンブルビーも別の物に交換して音の調整を行っています。

これぞ Marantz7オリジナル 純正クラロスタット + バンブルビーの音です! 深い味わいの中に凛とした輝き。

ストラディバリウスの音色が響き渡り、至極の空間を醸し出しています。



(試聴用システム構成)
カートリッジ: Ortofon SPU-GE
MCトランス: ウエスタン 618B
プレイヤー: LINN SONDEK LP-12
プリアンプ: 本機 Marantz7オリジナル
パワーアンプ: ウエスタン 350B pp MKe-124A
スピーカー: TANNOY GRF Monitor RED 15



今回の交換部品です。

★修理後の最終的な内部です。

★この間結構な時間を掛けていろいろ探っています。

上面はバンブルビーとラインアンプのプレート抵抗をオリジナル品に交換しています。 このため一見全く変りません。

それでも上の段の波形に少しノイズが乗っているのが確認できます。

抵抗を幾つか交換してかなり良くなりました。

真空管も換えてみて波形を観察します。かなり細かいノイズが両チャンネルで乗っています。

★この3点以外のカップリングコンデンサーのバンブルビーは大丈夫です。

改めて各電解ブロックコンデンサーをチェックしました。全て良い状態です。
出力端子のアース浮き対策として前からアースの渡りを掛けてあります。この為、右チャンネルの音漏れはボリュームに依るものと判断します。

上の画像のように左チャンネルのジーのノイズや、オーナーさまのお宅で左の出力が弱くなる現象はカップリングコンデンサーの劣化に依るものと推測します。








同じくこちらもラインアンプ右チャンネルのカップリングです。 1.386Vの漏れがあります。

こちらはフォノイコの左チャンネル最終のカップリングです。 120.4mVの漏れがあります。

ラインアンプ左チャンネルのカップリングです。 1.525Vの漏れがあります。こちらはよく不良になる個所なので適応するバンブルビーの良品は極めて手に入り難いものです。

★左チャンネルからジーというノイズが出ています。また右チャンネルは音漏れがあります。
バンブルビーなどのカップリングコンデンサーの劣化が進んでいるのかも知れません。





★バンブルビーの漏れ電圧をチェックしました。

★以上の様に普通に電源が入ります。

この後もう少し詳しく各部をチェックし、時間を掛けてエージングを行ってみます。

(2022. 7. 12)
★本日、最初の音出しを行いました。

高圧B1です。280.1Vと規定値そのものを表しています。良好です。




低圧のヒーター電圧です。こちらも規定値に極めて近い18.99Vです。良好です。

2年ほど前に当工房から購入頂いたMarantz7オリジナル S/N.12000番台です。最近電源が入らなくなったので修理を依頼されました。


★漸く修理完了です。                                       2022. 8. 21

工房の移転が完了し新規の場所での試聴です。 この時点で劣化したバンブルビーの交換を終えての試聴です。

★内部です。当時と同じ状態で特に問題点は見当たりません。

★電源を入れてみます。