Marantz7レストア依頼機 12000番台 K.T 様 概要

★再調整です。                                                    2017.11.7

電源回路は全てのブロックコンデンサーを新品に交換しました。
高圧セレンも逆方向に導通があり不良で交換です。

交換したバンブルビーの一部は亀裂が入っています。
湿気が入り絶縁体が膨らんでこうなります。これらの絶縁抵抗は0.5MΩと完全にリークしていました。

今回も沢山の部品が交換になりました。
まず、電源回路は全てのブロックコンデンサーを交換し、セレンも高圧低圧とも代品の新品に交換です。
セラミックも交換しました。
カソードバイパスコンも全て不良です。

今回は裏の0.33uF SPRAGUEと、何と!フォノイコの0.0056uFは辛うじてOKです。これはラッキーでした。

しかし、今回も他のバンブルビーは全滅です。
よくヤフオクなどにバンブルビーと謳っているものが出品されていますが、間違いなくどれか或いは全て不良です。

まだ代品に交換されている物の方が良い音の筈です。

在庫のあった160Pの良品を最終段カソードフォロア後に使っていましたが、高域がいまいちだったので黄色のWEST-CAPに交換してみました。
これでかなりBumble-Beeの音に近付けたと思います。

★レストア完了です。                                                  2017.10.30

★レストア状況です。                                               2017.10.24

裏面の0.01uF 4個は最近の高性能メタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサーを選択しました。
以前も書きましたが全てのカップリングをGoldenBlackやMPPFにすると音は良いのですが高域がきつく平面的になります。
新しいトランジスターアンプはこれらのコンデンサーの特性もあって平面的な音なのです。
本機ではライン部最終段カソードフォロア後を160Pにして中域の厚みを出しています。

オールバンブルビー化でない場合はこちらでは良くGoldenBlackを好んで使います。
今回も一番音に影響する0.22uF/400Vの所に使いました。フォノイコの最終段0.47uFにもこちらに在庫があったので使いました。
他はたまたま160Pの良品があったので余り音に影響のない所に使っています。
セラミックは本機も容量が少なくなり不良だったのでいつものようにSPRAGUEに交換です。
フォノイコのカソードバイパスコンは4本ともESRが膨らみ不良でしたので新品交換です。

内部はかなり汚れていましたが、こちらで丁寧に清掃を行いご覧の様に大変きれいになりました。
ゴムが切れていたチューブマウントも交換です。
全体に菱形に歪んでいた筐体も矯正してご覧の通り普通の状態です。

★検査完了です。                                            2017,8.30

一通り検査をすると予想通りバンブルビーは殆どダメです。
これもあまり手を加えてないオリジナル状態なので、殆どの消耗品であるコンデンサー類は交換になるようです。

★ こちらでは、先に11000番台をお持ちの方がもう一台あるので見てほしいとの事でレストアの依頼をされました。

先の11000番台は素性も良いのでできるだけオリジナルに近い状態を望まれましたが、本機は状態もあまり良くないのと2台同時に高価なレストアを行うのも大変なのでそこそこ良い音になれば良いとのご希望です。

いつものように電源の漏れ電圧を確認しコンセントプラグの方向を確認した後早速音だしを行いました。
意外に音はまともに出ます。少し歪感もあるので当然どれかのバンブルビーはダメなようです。

電源も全く違うブロックコンデンサーに換えてあったり低圧セレンはダイオードに換えてあります。

しかもケースが歪んで上下のカバーを外すと菱形に歪みます。恐らく以前レストアの時に天板底板を外した状態で落下したのでしょう。
チューブマウントのゴムも3点とも切れてチューブマウントは宙吊り状態です。












レストア完了後1週間ほどエージングを繰り返していました。

聴いているうちにやはりいつものバンブルビーとは違う感じが気になりました。
どうも音が薄っぺらい感じがします。このため裏の0.01uFを最近入手した白いTRW(Good-All)に換えてみました。

やはり期待通り音の厚みが増します。
これで何とか良い音になりました。バンブルビーの様にダイナミックで透明な音です。
普通に聴いていてもいつものバンブルビーと変わらず違和感はありません。


前回は音が良いと定評のメタライズドポリプロピレンフィルムコンデンサーを使用してみましたが、やはりいつもの音とは違います。
現代の高級トランジスターアンプはこのコンデンサーを多用しているため恐らくこの様な音だと想像できます。


ダイオードで組まれていたヒーター用整流回路も復刻ですが新品のセレンに交換しました。



これから音の調整に入ります。