★それでは電源を入れて各電圧のチェックです。

カップリングコンデンサーは代品(ビタミンQ)に交換されています。

2020. 7. 13 検査完了
2020. 7. 16 レストア完了

側面のスポンジも新しく交換しました。

裏面です。電源回路の低圧セレンはダイオードに交換されています。低圧ヒーター回路に青い電解コンデンサーを3本追加されています。横一列の小さなカップリングコンデンサーも代品のビタミンQに交換されています。

高圧セレン直後の電圧です。298.2Vでかなり落ちています。

Marantz7 12000番台 修理依頼機 I. S 様 概要

低圧ダイオード直後の電圧です。 27.65Vで良好です。

高圧B3です。 239.7Vを示し良好です。

交換部品です。

低圧の整流器は良品なのでダイオードそのままです。
低圧回路に追加されていた青い電解コンデンサーも必要が無いので撤去です。
これでオリジナル状態に戻りました。

横一列の白いコンデンサーが音の良いマランツ純正GoodALL-TRWです。
画像の左側に金色リードの黒い抵抗AMRGが見えます。張りのある音に貢献します。

裏面です。横一列の小さなカップリングコンデンサーもマランツ純正GoodALL-TRWの新品に交換しました。
ガサゴソとノイズが出ていたV4-b,V5-bのプレート抵抗も高級品のAMRGに交換しました。

交換した高圧セレン直後の電圧です。328.1Vを示し良好です。

高圧B1です。 282.5Vを示し良好です。

高圧B2です。 259.7Vを示し良好です。

ヒーター電圧です。 19.38Vで良好です。

★レストア後の試聴エージング風景です。

バンブルビー機のような爽やかな音色です。時間が経ってもノイズはありません。









いつものようにマランツ純正GoodAll-TRW(赤)と音の良いフランス製のコンデンサーに交換しました。このフランス製のコンデンサーはエージングを重ねるにつれて音が良くなってきます。ここは音に大事な所です。

交換した赤い高圧セレンとセレンの下にφ25のブロックコンデンサーが見えます。このφ25は極めて貴重な物で他ではもう手に入らないものです。また手前の長いφ35低圧のブロックコンデンサーも全く手に入りません。この為、他のレストア屋はどれも他の代品で改造します。本機も改造されていました。

内部です。前の状態ではカップリングコンデンサーの値を違うものに交換されていたので、まだ良品ですがこちらで正規の値の音の良いものに交換しました。
フォノイコのカソードバイパスコンも違うメーカーに交換されていたのでMarantz7純正のSPRAGUEの新品に全て交換しました。ここはかなりレコードの音に影響します。
電源回路は高圧セレンと電解ブロックコンデンサーを3本とも正規仕様のオリジナル同等品に交換しました。

電源回路の電解ブロックコンデンサーは高圧の2本が代品に交換されています。
低圧側に青いコンデンサーが追加されています。高圧セレンはかなり前に青い復刻セレンに交換されているようです。

★以上の結果、高圧セレンが不良で電圧が落ちていることから、交換された高圧の電解ブロックコンデンサーの先頭も早々とリークし始めていました。
この為、電源を入れて時間が経って温まって来ると電解ブロックコンデンサーが機能しなくなりブーンとノイズが発生したようです。

音漏れも低圧ブロックコンデンサーの不良から発生しています。
クラロスタットボリュームも劣化により音漏れしています。

高圧の電圧は全てかなり落ちていました。こちらでは常にコンセントの電圧は117Vで検査します。この状態でこれだけ電圧が落ちていますが、これを100Vで聴いているとこれに2割程まだ電圧が落ちるので、その内電源トランスが漏電し始め、最後はトランスが焼損してご臨終です。
普通はMarantz7の電源トランスは部品単体としては皆無なので部品取り機となって解体の運命です。

低圧ダイオード直後の電圧です。27.45Vで良好です。

高圧B3です。214.9Vでこちらもかなり落ちています。

高圧B2です。232.1Vでこちらもかなり落ちています。

ヒーター電圧です。19.35Vで正常です。

高圧B1です。251.0Vでこちらもかなり落ちています。

同じく低圧のブロックです。Leaky表示でリークしています。

前回レストアされた方は低圧のブロックコンデンサーがダメなので小さなチューブラコンデンサーを3個直列並列に繋がれています。
念のため計るとこれもリークしています。
結局このように小細工してもダメなようです。

★電源を入れて各部の電圧を計ります。

高圧2番目の電解ブロックコンデンサーです。全ブロックで良品です。しかし画像のブロックは極めて高い静電容量です。1ブロック余ったのでパラに繋がれています。これではレギュレーションが悪くなりMarantz7の音では無くなります。

こちらは低圧の電解ブロックコンデンサーで未交換のオリジナルです。一部で計測不能の表示があり完全に不良です。

高圧先頭です。これは交換されているので大丈夫かと思ったのですが一部でLeaky表示でリークしています。

交換された4本のカップリングコンデンサーです。勿論全て良品です。

よく見ると交換された代品のカップリングコンデンサーは値が違います。本来0.22uFの所を画像の4本が0.33uFです。これではCR特性が変り音が変わってきます。
最初の音出しで丸く感じたのはこのためです。高域が出ていなかったようです。

こちらはMarantz7 S/N.12000番台のとても奇麗な個体です。

遥々名古屋から持って来られたので早速音を一緒に聴いてみました。電源投入時の無音状態では特にノイズも無く、少し温まった状態から音出しを始めました。
少し丸い音かなと思います。バンブルビーでは無いそうなので透明感は劣ります。

色々曲を聴いているうちに1時間位から小さく音漏れとブーンと言うノイズが出始めます。恐らく電源が劣化しています。


★レストア完了。                                                      2020. 7. 16

今回は部品が揃っていたので早くできました。

改造された電源回路です。
よく見ると電解ブロックコンデンサーの先頭φ25の所に代品のφ35をベーク板を撤去して無理矢理押し込んでいます。この改造もかなり大変だったと推測します。

★電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーのチェックです。

内部上面です。全ての主要カップリングコンデンサーは購入先のショップで新品の代品に交換されています。またフォノイコのカソードバイパスコンも新品交換されています。