Marantz#7オリジナル 13000番台 概要

今回の出品は1958年から登場し10001〜23000番台まで作られたMarantz#7の中では初期型の13000番台の貴重な1台です。
この頃から17000番台まではMarantz#7オリジナルとしては安定し、一番良い音に仕上がった時期だと言えます。
裏面の内部です。真空管の後ろに横一列4個並んでいる小さなコンデンサーがバンブルビーです。
特にこのコンデンサーが劣化しやすく、ほとんどのレストア機は他のコンデンサーで代用しています。
左下2個の赤いGood-Allのコンデンサーも絶縁抵抗無限大で良品であることを確認しています。このコンデンサーも音質に大変重要なコンデンサーです。
万一不良になってもこちらでは代品を保有していますので交換可能です。このコンデンサーの仕様は大変珍しく代品もなかなか手に入りません。純正でもバンブルビーは無かったのでしょう。#7オリジナルには数種類のタイプが使用されています。






また、オリジナルではありませんが新品ウッドケースと新品117V昇圧電源トランスを希望の方におまけで付けます。

よく他の出品で100Vでも使えますと謳っている方もいますが、技術的に言いますと重要な高圧B電源の電圧が1割以上低下します。
これは低音域がぼやけ中高域が歪み、しかも危険な真空管バイアスC電源の電圧降下も同時に起こります。
貴重なNOS管などの劣化に繋がりますのでお持ちで無い方はぜひオリジナル正規の117V電圧で使用された方が良いと思います。

真空管は皆さん良くご存知のTelefunkenダイヤ有を6本全てに使用しています。
このため、全ての面に於いてベストな音質と言えます。
リヤパネルにも少し傷があります。シリアルナンバーは初期型13000番台と大変貴重な個体です。
電源コードもオリジナルで状態も良く、コンセントプラグは特徴のあるカラス口です。
本機は50年の歳月を考えるときれいな方です。特にシャンパンゴールドのパネルは今も美しく輝いています。
もちろんセンターレバーのノブはこげ茶色で、全体として高貴なたたずまいを感じます。
しかし細部では経年による劣化や汚れ錆などが見受けられます。
特にヒューズBOXは腐食や溶着があり安全のため新品交換しました。また、つまみにもビンテージアンプらしく一部腐食があります。
消耗品である電源コードは幸いにも状態も良く、コンセントプラグは独特なカラス口で大変貴重です。
上から見た内部で、基板上にバンブルビーコンデンサーの良品が並んでいます。大変状態の良いクラロスタット製ボリュームと左端に青いセレン整流器があります。
音質重視のためフォノイコ周りのコンデンサーも#7純正のSPRAGUE新品に交換済です。これはとても劣化のしやすい電解コンデンサーです。
見えにくいですが音質にとても影響のある特殊なコンデンサーも新品交換しています。
木製ケースは新品なので大変きれいです。