2023. 3. 27 検査
2023. 3. 31 レストア完了

以前のレストアでカップリングコンデンサーを全てブラックビューティー(160P)に換えられていましたが、今回音に特に影響のあるところのみ音の良いコンデンサーに交換しました。フォノイコはRIAA偏差を決めるコンデンサーが劣化して値が変わっていたのでブラックビューティーからマイカコンデンサーに交換しました。


★レストア完了です。                                              2023. 3. 31

電源回路です。高圧セレンと高圧側電解ブロックコンデンサーφ25、φ35の2本をオリジナル仕様の新品に交換しました。

カップリングコンデンサーはフォノイコが0.1uF、ラインアンプは0.22uF/400を音の良いUSA仕様のコンデンサーに交換しました。フォノイコのカソードバイパスコンもMarantz7純正SPRAGUEの新品に交換しました。

こちらのブロックの絶縁抵抗は無限大で正常です。

同じ電解ブロックコンデンサーのこちらのブロックは35.23MΩの導通があります。
やはり簡易検査で良品と判断しても単体検査では絶縁不良のブロックがありました。これがノイズの大元になります。

こちらの白いテスターは高圧B3です。 244.2Vで良好です。

左の白いテスターは高圧B1です。 278.3Vで極めて良い値です。右の黒いテスターはヒーター電圧です。こちらも18.68Vで良い値です。

交換部品です。

左右とも奇麗な波形です。ノイズも極めて少ないようです。 周波数特性も良好です。

★レストア後の試聴エージング風景です。

殆どノイズは感じません。 音に明るさと透明感が戻りました。低音もダイナミックに響きます。

良い音になりました。














★電源回路の全ての予定の部品を交換した後、電源を入れてみます。

低圧セレンも新品に交換しました。

★レストア途中の状況です。高圧初段φ25を取外して単体検査の状況です。

裏面です。こちらも電源回路意外は以前のままです。気になるところの抵抗やコンデンサーは単体検査を行って状態を確認しています。

セラミックコンデンサーもMarantz7純正SPRAGUEの新品に交換しました。

★最初の音出し風景です。


やはりブラックビューティー(160P)の音です。奇麗だがパッとしない音とよく言われますが、その通りですね。
久しぶりに160Pの音を聴きました。当工房のオールバンブルビー機や本来のMarantz7とは全く違う音です。

本機は以前老舗のヴィンテージショップ様できちんとレストアされています。その時は概ね良かったのかも知れませんが、その後8年程でオリジナルの電源部品は劣化が進み今回の不具合になっています。
やはりそろそろ寿命が来ているオリジナル部品に拘ると早く異常が出てきます。

音を出す前の無信号時にギューンというノイズが気になります。フォノイコでは結構なノイズ音量です。恐らく電源の電解ブロックコンデンサーが検査では良好ですが、やはり劣化してこのノイズ源となっています。
フォノイコのRIAA偏差も崩れています。


2時間程聴いているとギューンの他にガサゴソ、パツパツのノイズが混ざってきます。

電源部を中心に一通りの部品交換が必要のようです。


★この他、各カップリングコンデンサーのブラックビューティーは全て良品です。

Marantz7オリジナル14000番台です。 8年程前に老舗のヴィンテージショップで購入されたそうで、きちんとレストアされています。

高圧B3です。こちらはとうとう200Vを切って194.2Vです。

高圧B2です。こちらも208.3Vで極めて低い値です。

★電源を入れて各電圧を測ります。

左の2段目です。こちらも良い値です。

左の初段です。こちらも容量が1.5倍以上膨れてプツプツの泡が表面に出ています。不良です。

★フォノイコのカソードバイパスコンです。

裏面です。こちらも奇麗です。

★まずは電源回路の電解ブロックコンデンサーのチェックです。

内部です。とても奇麗な状態です。 カップリングコンデンサーは定番のブラックビューティーに全て交換されています。

高圧セレン直後です。258.7Vです。通常ここは330V程なのでこのセレンが不良です。

ヒーター電圧です。 16.78Vでかなり低い値です。ここは15Vを切るとTelefunkenの真空管は動作しません。通常は19.8Vです。

ヒーターセレン直後の電圧です。24.15Vでこちらもかなり低い値です。

高圧B1です。 224Vで規定より50V以上低下しています。

右の初段です。容量が2倍程膨れています。電解液が滲んでプツプツの泡が表面に出ています。不良です。

右の2段目です。良い値です。

高圧先頭のφ25です。3ブロックとも良い値です。

低圧φ35です。こちらも3ブロックとも良い値です。

高圧2段目φ35です。こちらも3ブロックとも良い値です。

Marantz7 S/N 14000番台 修理レストア依頼 概要

こちらの白いテスターは高圧B2です。 266.0Vで良好です。