★今回普通に音は出ていますが、上記の様に電源が既に限界に来ています。

早めにチェック出来て良かったです。

最初の音出しでレコードが荒い感じがしたのも電源電圧が異常に低かった事が原因のようです。カップリングコンデンサーやRIAA偏差コンデンサーが良好なのでやはり電源のリプルが乗っているのが原因のようです。

電源回路は高圧セレンと電解ブロックコンデンサー3本全てを正規仕様の新品に交換しました。

交換した0.22uF 4本です。
シルバーの2本はアリゾナキャパシタ。右の茶色の2本はMarantz7オリジナル後期型純正のGood-ALLで近年社名が変ったTRWのWE仕様新品です。

Marantz7 14000番台 レストア依頼機 S.T様 概要

表面です。フォノイコは特に問題は無かったのでRIAA偏差のコンデンサーを含めそのままです。
ラインアンプはカップリングコンデンサー4本とMarantz純正SPRAGUEのセラミックコンデンサー新品交換です。

2019.11. 25 掲載、検査完了
2019.11. 28 レストア完了

高圧セレン直後です。324.2Vを示し良好です。

★ レストア完了です。                                                         2019.11.28

今回は主に電源回路がレストアの中心でしたが、電源を交換して試聴するとどうも音が良くなりません。
取り敢えず検査の時に漏れがあるラインのカップリングBlack-CATと最終のカップリングも交換しました。

しかし、それでもまだ割れたような音が少しあります。
全体にいろいろ良くなってきたので細かい音色が気になってきます。

最終的には裏面の横一列の小さなカップリング4個も全てGoodAll-TRWの新品に交換しました。
これで漸く納得の行くいつものMarantz7の音です。

★それでは電源を入れて各部の電圧をチェックします。

低圧の電解ブロックコンデンサーです。ご覧のようにLeaky表示でリークしています。

電源トランス高圧出力電圧です。AC282.4Vを示し良好です。

まず、コンセント「N」極-筐体間の漏れ電圧です。AC29.02Vで良い状態です。殆ど漏れはありません。

高圧セレン直後の電圧です。274.0Vを示します。正常な電圧より50V程落ちて不良です。

交換部品です。
ランプが暗かったので交換して置きました。

高圧B3です。227.4Vを示し良好です。

高圧B2です。251.5Vを示し良好です。

★レストア後の各電圧です。

★レストア後のエージングを行っています。

繊細な音はクラシックに合います。さすがのMarantz7です。
いつもの心地よい調べが広がってきます。


JAZZでは音色のはっきりしたトーンが魅力です。






低圧セレン直後です。27.07Vでこちらもまあまあです。

ヒーター電圧です。18.95Vで前と同じで少し低いですがまあまあです。

高圧B1です。272.7Vを示し良好です。

電源回路です。3個の電解ブロックコンデンサー全てを交換し一部抵抗も交換しています。

横一列のカップリングコンデンサーです。音の良いGoodAll-TRWです。
元のコンデンサーは特に不良では無かったのですが、銘柄もよくわからず音が悪かったです。
こう言うことは特性にも表れず、聴くしか方法はありません。

裏面です。低圧セレンは良品なのでそのままです。
最終的に横一列の小さなカップリングコンデンサー4個もGoodALL-TRWの新品に交換しました。
これで音の透明度は格段に良くなりました。

パイロットランプです。かなり暗い状態です。
こちらに予備がたくさんあるので交換します。

★各カップリングコンデンサーを検査しました。

高圧2段目φ35です。こちらも静電容量はありますが、少しESRが高い状態です。
何とかこのコンデンサーで高圧は持っていますが、この電解コンデンサーの3ブロック中1ブロックが抜けると連鎖反応で全てのブロックが抜け大きなノイズが出ます。

特に問題無く普通に音は出ているが、どういう状態か見て欲しいとのご依頼です。

最初に音出しをしましたが、やはりノイズも無く音漏れもありません。
少し音に粗さが出ていてレコードの音が気になります。


殆どのカップリングコンデンサーは前回他でのレストアで交換されています。
この為こちらの検査でもほぼ良好です。
フォノイコのバンブルビーも良品です。

ただ、ラインアンプのBlack-CATが左の画像のように左右とも漏れ電圧があります。
ここはよく壊れるところなので既に劣化している可能性があります。

ヒーター電圧です。18.89Vを示し少し低い値です。

低圧セレン直後の電圧です。27.15Vを示しまあまあの電圧です。

高圧B1です。228.2Vを示しかなり落ちています。

高圧B2です。211.5Vを表示しこちらもかなり落ちています。

高圧B3です。193.4Vを示し、真空管動作限界値200Vを切っています。

高圧先頭φ25です。静電容量はありますがESRが測定の最大値を超えて機能していません。完全に不良です。

裏面です。電源回路の電解ブロックコンデンサーがオリジナルのままです。セレンは交換されています。
横一列の小さなカップリングコンデンサーも交換されています。
トーン回路のカップリングも交換されています。

★電源を入れる前の各電解コンデンサー類のチェックです。

内部です。前の他でのレストアでカップリングコンデンサーを交換されています。コーネルデュブラーとBlack-CATがメインです。
なかなか良い組み合わせだと思います。