Marantz7 S/N 14000番台 修理レストア依頼 概要

こちらの左の白いテスターは高圧セレン直後です。343Vを示しよい値です。

2023. 11. 13 検査
2023. 11. 26 レストア完了

裏面です。

★この他、バンブルビーは殆ど漏れ電圧があります。全て良品交換が必要です。

★電源を入れて各電圧を計ります。

この他、表基板上のフォノイコのカソードバイパスコンは、電解液の漏れにより表面に塩が吹いているので検査するまでもなく4本とも新品交換が必要です。

こちらは低圧セレン直後です。こちらも22.96Vとかなり低い値です。不良です。

内部です。コンデンサー類は交換されているところがありますが大きな改造はされていません。

★レストア後の試聴エージング風景です。

良い音が戻りました。特に音に重要なラインのバンブルビーが良品だったので、いつもこちらで聴くオールバンブルビー機と殆ど変わらない澄み切った良い音が出ています。

いつもの試聴用のクラシックのレコードでは、極めて透明感があり特に低音の解像度が抜群です。決してボン付かず怒涛のような重低音が響きます。これは電源周りが極めてレギュレーションが良いことが伺えます。やはり新しい電源トランスが効いています。















こちらの左の白いテスターは低圧セレン直後です。28.22Vを示しよい値です。

左の白いテスターは高圧B1です。277.2Vで良い値です。中央のテスターはヒーター電圧です。19.65Vで極めて良い値です。

こちらの左テスターは高圧B3です。236.8Vで良い値です。

電源回路の抵抗はレギュレーションを良くする為にMarantz7純正A&Bの容量の大きいものに交換しました。低圧セレンも新品に交換しました。

横一列の小さなカップリングコンデンサーは、以前ブラックビューティー(160P)に交換されていましたが今回Marantz7オリジナル後期型純正のGoodAll-TRWの1000V耐圧に交換しました。音の抜けが違います。

★レストア後の各電圧チェックです。

不良のバンブルビーをUSA仕様の黒いコンデンサーに交換しました。残っているバンブルビーに特殊なコーキングを施しています。フォノイコのカソードバイパスコンは4本ともMarantz7純正SPRAGUEの新品に交換しました。ラインのセラミックコンデンサーも純正SPRAGUEの新品に交換しました。以前交換されていたブラックビューティー(160P)はまだ良品ですが、音が悪いのでUSA仕様に交換しました。

チューブステーのラバーマウントが3本とも切れてステーが外れていたのでゴムを新品交換しました。

レストア中、足を外してバンブルビーの単体チェック風景です。ラインのバンブルビーが2本良品です。ここは音に極めて重要なところなのでラッキーです。

交換部品です。

出力波形と周波数特性、ひずみのチェックです。綺麗な波形が出ています。

残留ノイズです。0.003V以内と極めて少ない値です。

こちらの左テスターは高圧B2です。257.8Vで良い値です。

新品のラバーマウントと、取り付けナットはこちらにあるバレル研磨機に掛けてピカピカになりました。

真空管カバーもバレル研磨機に掛けてピカピカになりました。

ぼろぼろだった内側のスポンジを新しく交換しました。

カップリングコンデンサー以外のバンブルビーもできるだけコーキングを施しています。

高圧セレンを交換し電解ブロックコンデンサーも3本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。

電源トランスを特注トランスに交換しました。

★余りにも電圧が低く電源トランスが漏電しているので、安全の為こちらでの最初の音出しは控えます。

これ程ひどい状態は久し振りです。

内部です。かなり様子が変わりました。

★余りにも電圧が低いので電源トランスが心配なのと、フロントパネルを触るとピリピリ感じるので筐体 - コンセントN極間の電圧をチェックしました。

高圧セレン直後の電圧です。237.0Vで正常値より100Vも下がっています。高圧セレンが不良です。

低圧φ35です。こちらも3ブロックともまあまあの値ですが高圧と同様です。

高圧2段目φ35です。こちらは3ブロックともまあまあの値です。しかし、先頭と同じ年月が経っているので先は短いと考えます。

高圧先頭φ25です。3ブロックとも抜けきっています。完全に不良です。

★電源を入れる前にブロックコンデンサーのチェックです。

裏面です。こちらも一部のコンデンサーを交換されていますが良い状態です。

40年程前に都内の某ショップから購入されました。暫く聴いていなかったそうで久し振りに聴くとフォノイコからノイズが出るのでレストアを依頼されました。


★レストア完了です。                                             2023. 11. 26

左画像の様にアンプ筐体アースとコンセントN極間の漏れ電圧がAC161.4Vもあります。 電源トランスがかなり漏電しています。

この状態では、この161.4Vの電圧はRCAプラグのシールドを介して他の機器に流れているので普通はピリピリ感は感じません。しかし、特にCDプレーヤーやパワーアンプなどのトランジスター機器では、場合に拠っては(発火するなど)極めて危険な状態になります。

こちらは高圧B3です。こちらも異常な低さです。こちらはフォノイコのB電圧になり真空管の動作点を下回っているのでノイズが発生しています。

左テスターはヒーター電圧です。15.25Vで極めて低く真空管の動作の限界値です。右の白いテスターは高圧B1です。何と!205.3Vで異常な低さです。これまでの最低値です。

こちらの白テスターは高圧B2です。こちらも192.9Vと異常な低さです。