Marantz7 15000番台 検査依頼 O.D 様 概要
★レストア後の試聴エージング風景です。
オールバンブルビーの良い音が戻りました。
高圧B3です。234.8Vを示し良い値です。
高圧B2です。255.2Vを示し良い値です。
高圧B1です。273.3Vを示し良い値です。
低圧セレンも交換し、これで電源回路は完璧です。
★レストア後の各電圧をチェックします。
全て良品バンブルビーです。
電源トランスの交換、電解ブロックコンデンサーは3本とも交換し高圧セレンも交換しました。
主に電源回路の部品を交換し、フォノイコのカソードバイパスコンも交換しました。また、フォノイコのカップリングコンデンサーがブラックビューティーに交換されていたので良品バンブルビーに交換しました。
裏面です。こちらもカップリングコンデンサー4本をブラックビューティーに交換されています。他はオリジナルです。
電源回路の配線がブロックコンデンサーがオリジナルの割には妙に乱雑です。以前レストアされた方は何かしたのでしょうか?
調べてみると電源トランスが交換されています。しかもこの年代よりもかなり前のタイプです。
高圧セレンが不良なのかまたダイオードがパラに接続されています。一見電圧が高くなるのでそれで良しとされますが、不良のセレンからマイナスの電圧も出ているので、次の電解ブロックコンデンサーがダメになります。これを放置して聴いているとブロックコンデンサーが一斉に連鎖で破裂します。
電解ブロックコンデンサーは3本ともオリジナルです。
★最初の音出しです。
電源電圧の状態や各カップリングコンデンサーの状態が良いので普通に聴けます。
レコードもしっかり低音が出ています。
しかし、30分程聴いていると次第に音が荒れてきます。
恐らく電解ブロックコンデンサーの不良から温まってくるとリプルが多くなってくるようです。
CDの音がセレクターの各レンジで漏れてきます。ボリュームを完全に絞っても漏れています。
CDやレコードを聴いているとパネルのピリピリ感はありません。漏電が全てCDプレーヤーに流れています。
CDプレーヤーが危険です。
ヒーター電圧です。17.2Vでかなり下がっています。
低圧セレン直後の電圧です。24.52Vでこちらも下がっています。
高圧B3です。238.3Vを示し良い値です。
高圧B2です。259Vを示し良い値です。
★カップリングコンデンサーの漏れチェックではバンブルビーを含めすべてのコンデンサーは良品です。
高圧B1です。276.5Vを示し良い値です。
高圧2段目φ35です。良い状態です。しかし他と同じくらい年数が経っているので交換した方が良いと思います。音漏れの原因になります。
高圧先頭φ25です。3ブロックともリークしています。
低圧φ35です。3ブロック中2ブロックでリークしています。
★電源を入れて各部の電圧を計ります。
内部です。カップリングコンデンサーが一部ブラックビューティーに交換されています。フォノイコのカソードバイパスコンが国産の電解コンデンサーに交換されています。RIAA偏差コンデンサーがオレンジドロップに交換されています。高圧セレンにダイオードが併設されています。
低圧セレン直後の電圧です。26.16Vで良い値です。
ヒーター電圧です。18.26Vで良い値です。
高圧セレン直後の電圧です。323.1Vと良い値です。
裏面です。低圧セレンを交換しています。こちらも横一列の小さなカップリングコンデンサー4本を良品バンブルビーに交換しました。
★レストア完了です。 2021. 12. 4
パネルを触るとピリピリするので漏れ電圧を計りました。
筐体-N極間で AC53.2Vで漏電があります。
触ってピリピリする割には漏れ電圧が低いので電源トランス2次側で漏電しているのでしょう。
このままでは何れ電源トランスの焼損が起こります。
先程の電源回路の配線の乱雑さから、この電源トランスは一度交換されています。
恐らく高圧セレンがダメで電圧が低い状態で長期間聴かれていたのでしょう。それでトランスが焼損し、幸い部品で電源トランスがあったので交換されたようです。
しかしこの交換したトランスはもっと古いタイプから取り外されたもので、既に漏電の兆候があったと推測します。この為部品取り機となりました。
高圧セレン直後の電圧です。326Vを示し一見良さそうですがダイオードが併設されています。この為負の電荷も通過しているのでリプルが乗り、次のφ25の電解ブロックコンデンサーにダメージを与えています。
★まずは電解ブロックコンデンサーのチェックからです。