2019.11. 25 掲載、検査完了
2019.11. 27 レストア途中経過
2019.11. 29 レストア完了

★回路の各抵抗値も正常になり、漸く電源が入れられます。

まずは電源回路の各電圧をチェックします。

右の2段目です。Leaky表示とESRも計測限界値を越して不良です。

右の1段目です。静電容量が倍以上に膨らんでいます。近いうちに破裂します。

裏面です。こちらも低圧セレン以外は全てオリジナルです。

★レストアが完了しました。                                                           2019.11.29

各電圧も正常になり音もとても良い音です。


高圧セレンを交換しました。

★レストア後の試聴、エージング風景です。

エージングの時間経過と共に良い音になって行きます。

さすがの良品バンブルビーです。
特にレコードはとても良い音です。

今回は音に影響のあるところに良品バンブルビーを使いましたが、その効果は抜群です。
オールバンブルビー機とほぼ変わらない透明で、臨場感と躍動感が強く感じられます。







交換部品です。

ライン部左1段目です。160.1Vを示し良好です。

ライン部右1段目です。158.8Vを示し良好です。

フォノイコ右です。 150.6Vで良好です。

フォノイコ左です。 150.4Vで良好です。

★各回路の真空管プレート電圧です。

ライン部左2段目です。164.1Vを示し良好です。

ライン部右2段目です。165.5Vを示し良好です。

ヒーター電圧です。 18.44Vでまずまずの値です。

低圧セレン直後の電圧です。 25.91Vと少し低いですが良好です。

高圧セレン直後の電圧です。 328.6Vを示し良好です。

← セレンを外した状態で回路の抵抗値を計りました。

37.8MΩを表示し、これで普通の状態です。 (こちらの単位はMΩです)

高圧セレンを外して計測してみました。
順方向に62.7kΩを表示しています。

(デジタルテスターなので極性は逆です)

今度は逆方向ですが、何と!83.0kΩの導通があり順方向と殆ど同じ値です。
このセレンは両方向とも短絡状態です。 (単位はkΩです)

よく出回っている青い復刻セレンはokと書いてありますがこの様に不良が多いようです。
当工房ではなるべくこの青い復刻は使わずに茶色の復刻セレンを使っています。

電源回路は電解ブロックコンデンサーを3本とも正規仕様の新品に交換しました。
低圧セレンもオーナー様が交換されているのでそのままです。

電源を入れる前に回路の抵抗値を計ると異常に低い値です。
画像はB3の端子ですが、どの端子もほぼ同じくkΩ単位です。
どこかに短絡或いはリークの個所があります。

音に重要なところのみを良品のバンブルビーと交換しています。
代品のカップリングコンデンサーはMarantz7オリジナル後期型の純正に使用されているGood-Allで現在社名が変ったTRWの新品を使います。

★レストアはほぼ完了し電源を入れて各電圧のチェックをする前の状態です。                               2019.11.27

いつも通り各抵抗を計り短絡が無いかチェックすると、高圧-アース間で異常に低い抵抗値を計測しました。
これはどこかに接触或いは部品のリークが考えられます。

この為、各部をチェックし最後に高圧セレンを検査しました。
今回は高圧低圧セレンともオーナー様が交換されているのでそのまま使用する予定でした。


電源回路の抵抗です。左画像は2割程膨らんでいます。

★電源を入れる前の状態チェックでは電源回路の電解ブロックコンデンサーが全て不良で交換の必要があります。

交換後こちらの高圧セレンを使って電源を入れ、各電圧を計ります。

この時各回路の電圧やカップリングコンデンサーの状態、音出しでの音質やノイズのチェック、計測器に依る波形等のチェックを行います。

★この他、電源トランスは各抵抗値を計った結果特に問題は無さそうですが、電源を入れてみないと正確な状態はわかりません。

左の2段目です。こちらもLeaky表示とESRも計測限界値を越して不良です。

左の1段目です。こちらも静電容量が倍近くに膨らんでいます。

★今回は電源を入れると同じ様に煙が上がることが予想されるので状態だけチェックして、不良部品の交換後電圧チェックとカップリング等のチェック行います。
まずは電解ブロックコンデンサーのチェックです。

高圧先頭φ25です。Leaky表示でリークしています。

★フォノイコのカソードバイパスコンです。

聴いていると突然内部から異音がして焼け焦げた匂いが漂って来たようです。
セレンが焼けたようなのでご自分で手に入れて高圧低圧とも交換されましたが、やはり交換した高圧セレンが焼けたようです。
この為修理を依頼されました。

高圧B1です。 277.0Vを示し良好です。

高圧B2です。 256.7Vを示し良好です。

高圧B3です。 235.7Vを示しこちらも良好です。

裏面です。横一列の小さなカップリングもGoodAll-TRWの新品です。

レストア後の内部です。全てのバンブルビーは不良なので一部良品バンブルビーと交換し、他は代品でレストアしました。
フォノイコのカソードバイパスコンも全て純正SPRAGUEの新品に交換しました。

低圧φ35です。こちらもLeaky表示でリークしています。

高圧2段目です。良さそうですが静電容量が少ないようです。

内部です。カップリングコンデンサーはフォノイコ以外はオリジナルです。セレンの周りはご自身で交換された時に拭き取られたのか、きれいです。

Marantz7 15000番台 レストア依頼機 S.S様 概要