殆どのカップリングコンデンサーはASCに交換されています。
このリストアされた方はかなりズボラな方のようです。カップリングコンデンサーには方向があります。
巻き始めと巻き終わりです。取付けの時にはきちんと揃えて貰いたいものです。
基板からフロントパネルへの渡り線もぐちゃぐちゃです。

Marantz7レストア依頼 16000番台 Y.N 様 概要

2018. 2. 13

★ 今回は裏の入出力端子も改造されていたのを純正端子に戻したので結構手間が掛かりました。

音は、これもかなり良い音になったと思います。
本機はMarantz7オリジナル初期型なので標準でクラロスタット製のボリュームが付いています。
これに現在新品で手に入るカップリングコンデンサーの中でこちらで選定した音の抜けの良い物を選んで構成しています。

これ等の要素に加え電源回路を刷新したことにより、特に音に重要な中音域で伸びのある音を再現しています。


★レストア後の本機の音は良質バンブルビーで構成したMarantz7オリジナル初期型の音に極めて近い状態だと思います。

しかも全てのカップリングや電源等の部品が新品のためこの良質の音は今後長期に渡ってい維持できるでしょう。




本日1日エージングを続けて、問題が無ければ発送します。


ただ今レコードでビバルディのバイオリン協奏曲「ラ・チェートラ」作品9を聴いています。
とても澄み切った繊細な響きです。





今回も沢山の部品が交換になりました。

特に右下のパイロットランプが電源交換の後点かなくなりました。
切れたのかと思って抵抗を測ると導通があります。
良く見るとスタンレーの6.3Vで国内仕様です。

Marantz7のパイロットランプはGEの2V仕様なので正規の電圧では点かないようです。

こちらに予備の正規品がありましたので交換して置きました。

裏の入出力端子も純正に交換しました。

裏面もいつもの姿です。
トーン回路のカップリングは音の良いSPRAGUEに交換しました。

後の入出力端子も純正に交換しました。
しかし取付けのリベットは無理にリベット打ちをすると本体を壊す恐れがあるため今回もビス止めです。

全ての電解ブロックコンデンサーは正規仕様の新品に交換し、低圧整流もダイオードから復刻セレンに交換しています。

この為、電源回路は完璧な状態です。

いつもの見慣れた通常レストアの姿です。
今回も電源部が改造されていましたがレストア後は普通の正規の形に戻りました。

オーナーの方が所有されているコンデンサー類です。
使えるものがあれば使ってほしいとのご意向です。

ブロックコンデンサーは国産仕様に交換されています。
しかもまだ足りなかったのかチューブラコンも追加されています。

早速検査をしました。
ご覧の様にバンブルビーは全て不良です。
1本のみ絶縁抵抗は無限大でしたが静電容量が0uFです。こんなこともあるのですね。

ブラックビューティー(160P)4個は絶縁抵抗はOKですが静電容量が3割程膨れています。
これまで160Pは音を悪くするためなるべく使わないようにしてきましたが、今回は折角なので一応音に余り影響の無い所に使おうと思っています。

オレンジドロップは完全良品です。
しかし音は薄い感じになるためできるだけ使わないようにしています。

他のASC等は今回は使用しない予定です。

良く見ると低圧回路は全てチューブラコンです。
ブロックコンデンサーの位置には入らなかったようです。
整流器もブリッジダイオードに交換されています。
ここでもマグネットが正極、陰極共に装着されています。

高圧も最初のφ25ブロックコンデンサーはジャンプして使用されていません。

とにかく最低の労力で音を出すことに専念して何でもありの世界になっています。

カソードバイパスコンも縦型が装着されています。
できれば普通のチューブラコンにして貰いたいものです。
一応これでも良いのですが見た目が良くないですね。
ビンテージアンプですから余り変な姿ではまずいでしょう。

Marantzの純正RCA端子はとてもチープで貧弱です。
何度も使っているとグラグラになります。
だからと言って交換してしまってはビンテージアンプとしての品位は無くなります。
しかも音を良くするために金メッキの端子に交換されたのでしょうが、音には全く影響ありません。
キチンと接触していれば何でも良い筈です。

これがSN3桁台では完全な致命傷となります。

今回はこれを純正に戻します。

高圧セレンにダイオードを追加されています。
どういう訳かリード線にマグネットを装着してあります。
高周波であれば多少ノイズキャンセルにはなりますが、ここは60Hzの低周波です。
全く意味は無いと思いますが危ないですね。
しかもセレンの不良では順方向のみならず逆方向にも導通があり整流しないのでダイオードをパラに接続しても無意味です。
やるならセレンを外してダイオードのみで整流した方が良いと思います。

背面のRCA端子が改造されています。

Marantz7オリジナル16000番台です。

外観は殆ど傷や汚れが無くとてもきれいです。

早速音出しをしました。
歪も無く良い音ですが、使用されているカップリングコンデンサーの殆どがASCのため全体に薄い感じになっています。
レコードはRIAA偏差が崩れ低域が弱い感じです。

それにしてもこの電源の状態でよく音が出ています。セレンの不良でダイオードを並列に装着してありますがあまり効果が無いようです。
高圧B電源はかなり落ちて何とか音が出る状態です。

このため音は全体に透明感が無く半導体アンプのような音になっています。


★ レストア完了です。                                                            2018. 2. 21


いつもの様にライン部はGoldenBlackで決めています。裏の0.01uFは今回GoodAll-TRWにしました。
フォノイコ部ではASCとGoodAll-TRWを中心に裏の0.01uFもGoodAll-TRWです。
前回までフォノイコ前段もGoodAll-TRWでしたが中高域の伸びがもう少し欲しかったのでASCに変更です。
カソードバイパスコンも正規のチューブラコンに交換に交換しました。