4本並んだ小さなコンデンサーもバンブルビーに交換しました。

電源回路の抵抗は全て純正A&Bの良品に交換しました。一部容量を大きくしてレギュレーションを良くしています。

★レストア後の各電圧を測ります。

2021. 12. 1 検査修理完了
2021. 12. 8 レストア完了

内部です。基板の上のカップリングコンデンサーは全て良品のバンブルビーに交換しました。フォノイコのカソードバイパスコンも4本ともMarantz7純正SPRAGUEの新品に交換しました。セラミックコンデンサーも純正SPRAGUEの正規品に交換しました。電源回路は電源トランスを特注品に交換し、高圧セレンも交換しました。電解ブロックコンデンサーは低圧φ35をオリジナル仕様の新品に交換しました。

★上の様に今回の音がでなかったのは電源トランスの1次側の断線から2次側に正規の電圧が掛からなかったためと想像します。しかしこちらへの輸送途中の振動等で断線個所がショートし正常に2次側へ供給が可能となっています。しかし1次側のショートで2次側に通常より高い電圧が掛かっています。

電源トランスの交換が必要です。


また電源トランス1次側のショートから漏電が起こり、外部機器に悪い影響が出るので今回は最初の音出しはできません。

右側の1段目です。容量が1.5倍に膨れています。

高圧セレン直後の電圧です。339.1Vを示し良好です。

★レストア後の試聴エージング風景です。

他のレストア依頼のMcIntosh MC275も並んでいますが、実際試聴しているのはレコード + 本機 + Marantz9k(改) -> TANNOY Monitor RED 15 です。

ただ今、サンサーンス 交響曲第3番を聴いています。

ゆったりした調べの中に雄大さと力強さが感じられ良い音です。
いつものバンブルビーの音です。











高圧B2です。264.0Vで良い値です。

高圧B3です。243.0Vで良い値です。

左テスターはヒーター電圧です。18.87Vを示し良好です。右の白いテスターは高圧B1です。284.1Vで非常に良い値です。

交換部品です。今回も大物が並んでいます。青い高圧セレンに小さなダイオードがぶら下がっています。

高圧セレン直後の値です。329.5Vで良い値です。

低圧セレン直後の値です。26.13Vで良い値です。

裏面です。電源回路は低圧セレンを交換しました。真空管の後の横に4本並んでいる小さなカップリングコンデンサーも良品バンブルビーに全て交換しました。真空管ケースも腐食が激しかったので当工房でバレル研磨機に掛けて磨きました。

電源トランスを交換し高圧セレンも交換しました。

基板の上は良品のコンデンサーが並んでいます。

★レストア完了です。                                                 2021. 12. 8


(2021. 12. 6)
★ただ今レストア中ですが、電源トランスの交換作業中に高圧セレンの裏にダイオードが隠れているのがわかりました。
セレンの外観が新しそうだったのと巧妙に隠してあったので検査の時に気が付きませんでした。

やはりこれだけ電源トランスの状態が悪いので高圧セレンが無事なのは変だと思いました。
これもベテランのレストア屋さんの仕事です。

★CDなどの外部機器を繋がない状態でフロントパネルを触るとピリピリ感電するので筐体コンセント間の漏れ電圧を測ります。通常この漏電はCDなどの外部機器に流れているのでパネルを触っても感じません。

N極間です。AC30.14Vで正常です。

★電源を入れて各電圧を測ります。

左側の1段目です。容量が1.5倍に膨れています。

左側の2段目です。容量まあまあですがESRが非常に高い状態です。不良です。

★カソードバイパスコンです。

★まずは各電解コンデンサーのチェックからです。

長い間聴いていなかったが久しぶりに繋いでみると音が出ないので修理を依頼されました。

しかし、L極間ではAC137.3Vを示しこれは高過ぎです。

電源スイッチを切るとN極間でAC101.7Vが検出されます。これは完全に電源トランスが漏電しています。

低圧ダイオード直後です。26.27Vで良い値です。

ヒーター電圧です。18.47Vで良い値です。

高圧B3です。245.6Vでこちらも少し高い値です。

高圧B1です。291.1Vを示し異常に高い値です。

高圧B2です。268.3Vです。こちらは少し低い状態です。

電源を入れる前にヒューズの確認です。外してみると1.5Aのヒューズがついていました。Marantz7の標準は0.5Aです。これでは何か有ってもヒューズは飛ばなく危険です。
こちらで正規の0.5Aに入替て電源を入れます。

電源トランス1次側のインダクタンスを測ります。89Hとかなり高い値です。

電源トランスの2次側高圧です。こちらはまあまあの値です。

右側の2段目です。容量が倍に膨れESRも高い状態です。不良です。

高圧先頭φ25です。3ブロックとも良好です。

低圧φ35です。こちらは3ブロックともOL表示で計測不能です。完全に不良で機能していません。

高圧2段目φ35です。こちらも3ブロックとも良好です。

裏面です。こちらもカップリングコンデンサーと低圧セレンをブリッジダイオードに交換されています。電解ブロックコンデンサーはオリジナルのままです。

内部です。10年程前に一度メンテナンスに出されたそうです。この時コンデンサー類やセレンも交換されています。

Marantz7 S/N 17000番台 修理依頼 概要