Marantz7 17000番台 レストア依頼機 S.Y様 概要

こちらもフォノイコの初段管カソードバイパスコンです。
ご覧のようにリークしてESRは計測の最大値を示し全く機能していないようです。
この様なオリジナル状態で表面に泡を吹いているものは大体このような状態です。

フォノイコのカソードバイパスコンです。
ご覧のようにリークしてESRもかなり高い値です。不良です。

2019. 6. 19 初掲載
2019. 6. 20 レストア途中経過
2019. 6. 30 レストア完了

低圧セレン直後の電圧です。27.31Vで良好です。

★レストア完了です。                                                                               2019. 6. 30

★以上のように検査では電源が極めて悪い状態です。

特に高圧はこれまで検査した中ではかなり低く、よくこれまで動作していたものだと驚きます。

いつもは最初の音出しを行なうのですが、この状態では聴くほどのこともないようです。

ここまで悪くなると貴重な電源トランスが心配です。

これまでレストア後、正常な電圧に戻ったあと暫くして電源トランスがスパークして巻き替えになったケースが何度もあります。

★いよいよ各部の電圧測定です。

高圧セレン直後の電圧です。144.4Vです。
通常電源投入時は360V以上、安定値でも310V位出ます。
完全に高圧セレンが不良です。

高圧B3です。246.1Vで良好です。

内部上面です。音に重要なところをGoldenBlackに交換しています。それ以外は元の160Pのままです。
音に悪影響していたフォノイコのカソードバイパスコンは全て純正SPRAGUEの新品に交換しました。
フォノイコのRIAA偏差コンデンサーもマイカコンに交換しました。
セラミックコンデンサーも良品交換しています。

★レストアを終えただ今試聴エージングを行っています。

やはり極めて透明感と歯切れの良さが際立ちます。

実に良い音です。













交換部品です。電源部品に加え今回はたくさんの抵抗を交換しました。

ヒーター電圧です。19.16Vで良好です。

高圧B2です。265.4Vで良好です。

高圧B1です。286.1Vで良好です。

高圧セレン直後の電圧です。333.3Vで良好です。

★電源をさわったので再度各電圧をチェックします。

裏面です。電源の抵抗を全て高級品に交換しました。各真空管のプレート抵抗も同じく高級品に交換しました。これにより音の通りがよくなり歯切れの良い音が堪能できます。
トーンのカップリング(0.33uF/200V)も11000番台に使用されている音の良いSPRAGUEの良品(黄)と交換しました。


ヒーターセレン直後の電圧です。 26.93Vで極めて良好です。

ヒーター電圧です。DC18.95Vと規定値18.9Vに極めて近い値です。

★電源が正常になったので早速各部の検査と音出しを行いました。

その結果、カップリングコンデンサーは160Pと裏のTRW 4本は大丈夫ですが、表のオレンジドロップ2本が何故か不良です。
またトーン回路の白色のGood-All 0.33uF/200Vも容量が膨らんで低音が増幅され不良です。


音出しではフォノイコの音が歪みます。カップリングの160Pは正常ですが、やはり初段管のカソードバイパスコンの不良に依ります。


以上の不良部分の交換によりかなり良い音になります。

高圧B3です。こちらも236.7Vで良好です。

高圧B1です。 278.4Vを示し規定値280Vに極めて近い値です。

高圧B2です。これも258.7Vを示し良好です。

電源トランス2次側です。AC280.8Vを示し一応良好です。

高圧セレン直後の電圧です。DC330.3Vを示し良好です。

低圧セレンも新品と交換しました。

高圧セレンを新品交換し電解ブロックコンデンサーを3本とも正規仕様新品と交換しました。

★各部の電圧です。


★検査では余りにもひどかった電源をまず修理しました。                                                       2019. 6. 20

ヒーター電圧です。17.24Vを示します。
少し低い値です。

心配していた電源トランスの出力です。AC291.3Vを示します。
正常と言うより20V程高い値です。
1次側巻き線のどこかでショートしている可能性もあります。

念の為、電源トランスの1次巻線抵抗を測ります。
27.6Ωを示し少し高い値です。

高圧B2です。116.2Vです。 正常値は250V位です。

外観はきれいな状態です。

★電源を入れる前のコンデンサーの状態をチェックします。

内部です。一通りコンデンサー類は交換してあります。高圧セレンが焼けています。
電解ブロックコンデンサーはオリジナルです。

ヒーターセレン直後の電圧です。24.72Vを示します。
やはり少し低い値です。

高圧B1です。何と 124.8Vです。これでよく動いていました。
正常値は280Vなので半分以下です。
ここまで下がると電源トランスが心配です。

高圧B3です。106.9Vを示します。こちらも正常値は210V位です。

高圧2段目です。何とか使えそうですが1段目が不良の状態で使われていた為こちらも近いうちにリークします。

低圧ヒーター用です。こちらも3ブロック中2ブロックでご覧のようにリークして不良です。

高圧先頭のφ25ブロックコンデンサーです。
3ブロックともご覧のようにLeaky表示でリークしています。不良です。

裏面です。低圧セレンが交換してあります。カップリングも交換してあります。