交換した高圧セレンと電解ブロックコンデンサーです。

2021. 6. 17 検査
2021. 7. 13 レストア完了

★内部です。

高圧セレン直後の電圧です。何と! 209.5Vと100V以上下がって完全に不良です。

裏のフォノイコのRCA端子です。中の絶縁体が割れて落ちるので瞬間接着剤で付けました。純正端子に交換もできますがここはかなり大変な個所で、リベット留めの場合この部分を全て分解しなくてはならずかなりコストが掛かります。また交換すると姿が変わりオリジナルの価値が無くなるので補修に留めました。

交換部品です。

ヒーター電圧です。 186.8Vで良好です。

低圧セレン直後の電圧です。27.06Vで良好です。

高圧B1です。 275.8Vで良好です。

高圧B2です。 250.6Vで良好です。

高圧B3です。 226.6Vで良好です。

こちらはまだ最終試聴前の状態なので裏面のバンブルビーは残こしての計測です。この後の試聴で白いGoodAll-TRWに交換しています。

フォノイコのカソードバイパスコンです。マランツ純正SPRAGUEの新品に4本とも交換しました。
電源回路は電解ブロックコンデンサーを3本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。高圧セレンも交換しました。表のバンブルビーは全て良品のためそのままです。フォノイコのカソードバイパスコンもマランツ純正SPRAGUEの新品に4本とも交換しました。ラインのセラミックコンデンサーもマランツ7純正SPRAGUEのNOS品に交換しました。

★レストア後の試聴エージング風景です。

殆どのバンブルビーは活きているのでとても良い音です。

電源も良い状態なのでいつものMarantz7の音に戻りました。













高圧セレン直後の電圧です。329.0Vで良好です。

★各電圧チェックです。

裏面です。低圧セレンも交換しました。横一列のカップリングコンデンサーは音の良いGoodAll-TRWの新品に交換しました。

入出力端子のアースに渡りを掛けました。

ラインアンプのセラミックコンデンサーです。

★バンブルビーの漏れ検査では裏面の4個が少し洩れています。

他は電源電圧が極端に低いので漏れは検出できません。恐らく電源が正常になるとはっきり出てくるでしょう。

★最初の音出しです。

電源が上がってくるとジーとブーンが混ざったようなノイズが出ます。電源不良の音です。

CDの音が他のレンジでも出ます。音漏れです。

音はバンブルビーにも拘わらず少し丸い音です。まだ歪みまでは出ていませんが絶縁不良の個所もあるようです。







20年程メンテしていないので健康診断と音漏れがあるので見て欲しいとのご依頼です。


★レストア完了です。                                     2021. 7. 13

余りにも電圧が低い状態で使用されているので電源トランスが心配になります。

筐体-コンセントN極間の漏れ電圧です。良い状態です。

低圧ダイオード直後の電圧です。26.57Vで良い値です。

ヒーター電圧です。18.82Vで良い値です。

高圧B2です。162.4Vとかなり下がっています。

高圧B3です。148Vと真空管の動作限界に近い値です。

高圧B1です。こちらも100V以上下がっています。

4本とも静電容量が倍に膨らんだりESRが非常に高く不良です。

★電源を入れて各電圧を測ります。

低圧φ35です。静電容量はありますが損失係数が高くリークしています。不良です。

高圧初段φ25です。静電容量はありますがESRが高い状態で不良です。

高圧2段目φ35です。大体良い状態です。年数が経っているのでできれば新品交換されれば良いと思います。

★カソードバイパスコンです。

真空管はヴィンテージMullard管です。私の好きな球です。

★電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーのチェックです。

裏面です。かなり早期に低圧セレンをブロックダイオードに換えてあります。これ以外はオリジナル状態です。

電源回路も全てオリジナルのままです。
よくこれまで無事でした。

完全オリジナル状態で全くメンテの手が入っていません。

最初の外観検査でトーンの高域が少し絞ってあります。高域の音がきついのでしょうか?

Marantz7 S/N 17000番台 検査レストア依頼 概要

赤い矢印の右側、Phono1のRCA端子の白い部分が欠けているそうです。