Marantz7 17000番台 修理依頼機 T. T 様 概要

2020. 8. 12 検査完了
2020. 9. 3 レストア完了

裏面です。

最初の試聴です。温まってくると右からガサゴソとノイズが出てきます。音も歪が乗った音です。カップリングが良い状態なので変です。
MKe-1のステレオアダプターを通して試聴していますが、このボリュームを半分位絞って真空管を手で動かすと大音量でバチバチと大きなノイズが出ます。恐らく真空管か他の抵抗類が不良です。

フォノイコの左の音が出ません。

電源トランスの漏れ電圧です。AC39.2Vを示し良い値です。

高圧セレン直後の電圧です。313.0Vを示し何とか使える電圧です。

★試聴エージング風景です。

やはりバンブルビーの音です。
中高音が煌びやかで透き通た音です。












トーン回路のカップリングコンデンサーも純正SPRAGUEのNOS品に交換しました。

今回の交換部品です。Telefunkenの真空管もあり、かなりの部品を交換しています。

低圧のセレンも交換しました。

横一列の小さなカップリングコンデンサーも4個とも良品バンブルビーに交換しました。

純正SPRAGUEのセラミックコンデンサーに交換しました。

電源回路の電解ブロックコンデンサーは検査ではまだ使えそうなものも有りましたが、オーナー様のご要望で全てオリジナル仕様の新品に交換しました。
高圧セレンも新品に交換しました。

見事なバンブルビーです。少しでも劣化を遅らせるためこちらで特殊なコーティングを施しました。
フォノイコのカソードバイパスコンも全て純正SPRAGUEの新品に交換しました。

内部上面です。基板上のカップリングコンデンサーは全て良品バンブルビーです。一部まだ良品が残っていたので交換したのはフォノイコ0.1uFとラインの0.22uF/400Vです。
フォノイコのRIAA偏差を決めるコンデンサーと抵抗を値の合ったものに交換しました。


★レストア完了です。                                                            2020. 9. 3

本機も大変長い時間が掛かりました。主にバンブルビーの入荷待ちです。

まずはV4の真空管をこちらのストック品でMullardのヴィンテージ管に交換してみます。

ノイズは止まりました。
音も奇麗な良い音です。


高圧B3です。236.8Vを示しこちらも少し低い値です。

Marantz7 S/N.17000番台です。全体にきれいで良い状態です。

結局このTelefunken は不良です。恐らく特性の揃った6本組としてヤフオクで出されているものでしょう。印字も後できれいに印刷されたものです。
当工房でも同じ6本組を買い、その内1本が不良で、結局バラバラな組み合わせになりました。
Telefunkenの音には間違いは無いのですが、中には不良も混ざっているということです。

ヒーター電圧です。17.4Vを示し少し低い値です。

低圧セレン直後の電圧です。24.65Vで少し低い値です。

★各カップリングコンデンサーは残っているバンブルビーを含めて概ね良い値です。

高圧B1です。268.5Vを示し少し低い値ですが何とか使えます。

高圧B2です。251.9Vを示しこちらも少し低い値です。

フォノイコのカソードバイパスコン初段です。容量が倍にになり不良です。

同じく2段目です。こちらも倍になりESRも高く不良です。

★それでは電源を入れて各部の電圧を計ります。

低圧の大きなφ35です。こちらも概ね良い状態です。

高圧2段目φ35です。概ね良い状態です。

高圧先頭のφ25です。2ブロックで表示の通りリークしています。

低圧セレンを無理矢理押し込んで、追加した抵抗のリードとアースが接触しそうで危険です。

★電源を入れる前に各電解ブロックコンデンサーのチェックからです。

低圧セレンが違うタイプに交換され、電圧を合わせるために抵抗を追加されています。どういう訳か配線を搔き乱されています。

内部はまだオリジナルのカップリングコンデンサーが残っています。電源の配線が怪しい状態です。