2023. 4. 24 掲載
2023. 4. 26 修理完了
内部です。殆ど変わりませんが電源の電解ブロックコンデンサーを交換しました。
★修理完了です。 2023. 4. 26
一通りの検査では不具合個所の特定が困難なので、改めてオーナー様に状況を詳しく尋ねました。
まず、ノイズの状態ですがガサゴソだけでは様々な要因が考えられます。しかしガサゴソの後、時としてバリバリと盛大な音も出ることがあるようです。
これは間違いなく一部の抵抗の損傷です。
今回は不具合個所の他に、電源回路の低圧ブロックコンデンサーが不良なので交換する事になりました。また裏面の小さなバンブルビーの劣化から時間が経つと音に少し濁りが感じられるので代品に交換することになりました。
Marantz 7 S/N 17000番台 修理依頼 概要
★修理後の各電圧と波形のチェックです。
横一列の小さなコンデンサーが今回交換したフランス製のコンデンサーです。バンブルビーのように明るく通る音です。
裏面です。こちらは細かい所をいろいろ手を加えています。
パイロットランプが空前の灯だったので新品に交換しました。少しはマシになりました。
交換部品です。バンブルビーは外した後単体検査をすると、やはり4本とも完全に不良でした。一応この状態でも普通は良い音に聴こえるかも知れませんが、いつもこちらで聴いている音に比べると濁った音に感じたので代品でも良いので交換をお勧めしました。
電源を入れて10分後の電圧です。左の白いテスターは高圧B1です。270.4Vで少し改善しました。右テスターはヒーター電圧です。こちらも17.91Vと少し改善しました。
出力波形です。奇麗な状態です。
電源回路にも少し手を加えました。
手前の長いコンデンサーが今回交換した低圧用電解ブロックコンデンサーです。
こちらの白いテスターは低圧セレン直後です。25.71Vでまあまあです。
こちらの白いテスターは高圧B2です。244.4Vでまあまあです。
★電源を入れて波形の観測です。
★バンブルビーのチェックです。
フォノイコのカソードバイパスコンです。容量の少し大きいタイプに交換されました。何とか良品です。
★電源をいれて各電圧を測ります。
こちらも良品です。
これも特徴的な、交換されたバランスボリュームです。以前こちらでこのボリュームの単体試験を行っています。
内部です。以前こちらでの修理では電源のφ25電解ブロックコンデンサー1本と数本のバンブルビーや他のコンデンサーを交換しました。今回改めて内容を見てみると、以前他でレストアされたときかなりの部品を交換されています。交換された部品の特徴からレストア先が推測できます。
約3年前に当工房でレストアしたMarantz7です。今回は左チャンネルからガサゴソとノイズが出るようになったので修理を依頼されました。
★修理後の試聴エージング風景です。
奇麗な音が出ています。
時間の経過と共に音が馴染んできます。
ただ今、いつものバッハの曲を聴いています。 いつも通り違和感なく聴けます。
裏面の殆どのバンブルビーは劣化して漏れ電圧があります。
表面のバンブルビーはどれもまだ大丈夫です。
★最初の音出し試聴風景です。
なかなか良い音です。特に低音はドドーンと、おどろおどろしいダイナミックな音です。さすがのオールバンブルビーです。
★試聴を初めてから1時間以上経っていますが、特に気になるノイズは感じられません。
波形検査の時、各ボリュームやスイッチ類を全て動かして波形のチェックを行います。この時ノイズ源が変化しノイズが出なくなったのかも知れません。
もう少し時間を掛けて観察してみます。
電圧チェックの時、パネルを触るとピリピリと感じたので漏電を測りました。 AC48.7Vでまずまずの値です。もう少し上がると電源トランスが問題になりますが、今の所まだ大丈夫のようです。
出力波形のチェックです。特に目立った変化はありませんが、バランスボリュームを少し触ると盛大に針が振れます。
入力を切った状態でのフォノイコの残留ノイズです。上が左チャンネルです。かなりノイズが出ています。
右の白いテスターは高圧B1です。以前と同じ263.8Vで少し低いですが何とか使える値です。
左テスターはヒーター電圧です。17.59Vでこちらも少し低いですが何とか使える値です。
高圧2段目φ35です。こちらも3ブロックとも良好です。
高圧先頭φ25です。3ブロックとも良好です
低圧φ35です。こちらは3ブロックとも表示の通りOLで完全に不良です。
真空管は6本ともTelefunken ECC83<>有です。真空管を換えてもノイズは出るそうです。
★電源を入れる前の各電解コンデンサーのチェックです。
交換されたセラミックコンデンサーも特徴的です。
ボリュームはメイン、バランスとも交換されています。