2023. 6. 1 検査
2023. 6. 10 レストア完了

★裏面です。

高圧セレン直後の電圧です。329.8Vでまあまあの電圧です。この電圧で後のB1以降が高く出ているのは何か回路に問題があるようです。

右の白いテスターは高圧B1です。284.0Vを示し少し高い値です。左の黒いテスターは低圧のヒーター電圧です。14.91Vを示し異常に低い値です。これではTelefunken ECC83 <>有の中には動作しないものも出てきます。

こちらの右テスターは高圧B2です。265.7Vで良い値です。

こちらの右テスターは高圧B3です。247.9Vでこちらも少し高い値です。

当工房でのレストア後の裏面です。

裏面の横一列の小さなカップリングコンデンサーも以前のレストアでブラックビューティー(160P)に交換されました。

今回は余り音に影響が少ない所なのでこのまま残すつもりでしたが、よく見ると耐圧200V仕様です。ここは300V以上の電圧が掛かる所なので見過ごすわけには行きません。いつもよく使うGoodAll-TRW 400Vに交換します。

外して単体での絶縁検査をすると、予想通り絶縁不良が出ているものがあります。

交換部品です。ブロックコンデンサー中央は以前他でレストア時に交換されたCE-Manufacturing製です。最近不良で良くこちらで交換しますが、このコンデンサーは余り寿命は長くないようです。

出力波形と出力電圧、周波数特性、残留ノイズのチェックです。奇麗な波形が出ています。

★修理後の試聴エージング風景です。

まず、電解ブロックコンデンサーを交換したのでセレクターの音漏れは全く無くなりました。

以前より明瞭で透明感溢れる音になりました。レコードもしっかり低音が出ています。

時間経過と共に良い音が甦ってきます。殆どオリジナル当時の音です。









白テスターは高圧B2です。251.4Vでまあまあの値です。

左の白テスターは高圧B1です。270.2Vと良い値です。中央のテスターはヒーター電圧です。19.33Vで良い値です。

こちらの白テスターは高圧B3です。231.4Vで良い値です。

こちらは低圧で、当工房で製作したブリッジダイオード直後です。27.7Vで良い値です。

高圧セレン直後の電圧です。 316.8Vでまあまあの値です。

交換した GoodAll-TRWの400V耐圧です。

予算の関係で低圧セレンの代わりに当工房でダイオードだけのブリッジ回路を作りました。小細工をしないで、これが一番良い方法です。

★修理後の各電圧チェックです。

電源回路の高圧セレンはそのまま使い、電解ブロックコンデンサーを3本ともオリジナル仕様に交換しました。

黒いUSA仕様のカップリングコンデンサーです。セラミックコンデンサーは純正SPRAGUEの新品に交換しました。

内部です。前回の他でのレストアで交換されたブラックビューティー(160P)を全て交換しました。電源回路も電解ブロックコンデンサーを3本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。フォノイコのRIAA偏差コンデンサーも正確な値のマイカコンに交換しました。


★修理レストア完了です。                                     2023. 6. 10

低圧セレン直後です。少し低いものの良い値です。これはパラに繋いるダイオードに依るものです。この電圧がそこそこ上がっているのにヒーター電圧が低いのはやはりブロックコンデンサーが不良です。

低圧セレンの裏にダイオードが隠れていました。

電源回路には違和感が満載です。

裏面です。こちらもメンテされていますが、特に電源に苦労の跡が見えます。

内部です。いろいろ手を加えてあります。

★最初の音出し風景です。

ラインアンプはなかなか良い音です。セレクターをTVやFMなどに切り替えるとCD(AUX)の音が盛大に洩れます。
ボリュームも純正クラロスタットで良い状態です。持主の方はかなり回さないと音が出ないと言われ異常ではないかと言われますがMarantz7純正クラロスタットはこれが正常です。普通のボリュームとは設計の考え方が違います。
フォノは最初キンキン音と歪が混ざった音が出ます。RIAA偏差が崩れて低音が弱く感じます。恐らく交換されたブラックビューティー(160P)がかなり古く絶縁はあるものの容量が抜けているようです。また交換されたイコライザーのコンデンサーが不良になっています。


★本機は多少の難はあるものの、きちんと直せば当時のオリジナルの音が聴ける素質の良い個体です。







電解液が噴出して固着した低圧ブロックコンデンサーです。恐らくこれは絶縁不良を起こしています。後の電圧測定で極めて低い値はこのブロックコンデンサーの絶縁不良が起因しています。

恐らく前のレストアで低圧セレンにダイオードをパラに接続されて電圧を確保されましたが、不良のセレンから逆方向の電圧も出ているので、この低圧ブロックコンデンサーが絶縁不良を起こしました。

バンブルビーの漏れ電圧をチェックします。1.593Vを示していますが、このバンブルビーは4本とも良品です。良い音が出ています。

★電源を入れて各電圧を測定します。

本機は以前どこかのショップからメンテ済として購入されたようですが、最近音漏れなどが出始めたので修理とレストアを依頼されました。

ヒーター電圧が異常に低いのに普通に音が出るので真空管をチェックしました。やはりTelefunkenでも<>無や軍用管など様々なものが付いています。

意味不明の大きな抵抗が低圧セレンに付いています。

高圧2段目φ35です。こちらも先頭ブロックで容量抜けがあります。

低圧φ35です。こちらも容量抜けと高いESRが目立ちます。

高圧先頭φ25です。3ブロックとも容量が抜けてESRも高い状態です。

★まずは各電解ブロックコンデンサーのチェックからです。

Marantz7 S/N 18000番台 修理レストア依頼 概要