Marantz7 S/N 20000番台 検査レストア依頼 概要
電解ブロックコンデンサーは最初の検査で先頭のφ25以外はまだ使えると判断しましたが、後の試聴で音漏れがあり、最終的に3本とも交換しました。
2021. 1. 14 検査初掲載
2021. 2. 21 レストア完了
レストア後の試聴でCDからの音漏れがありRCA端子のアースに渡りを掛けました。
裏面です。電源回路は低圧セレンを交換しました。画像の左下の2本の黄色いコンデンサーを純正SPRAGUEの新品に交換しました。
内部です。基板上のカップリングコンデンサーは全て交換しました。フォノイコのカソードバイパスコンも4本とも純正SPRAGUEの新品と交換しました。RIAA偏差のコンデンサーも交換しました。ラインのセラミックコンデンサーも純正SPRAGUEの新品に交換しました。
電源回路は高圧セレンと電解ブロックコンデンサーを3本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。
★レストア完了です。 2021. 2. 21
今回もなかなか大変でした。
最初は検査の通り不良品を交換し試聴を行いましたが、CDからの入力がすべてのチャンネルから聞こえてくる音漏れが大きいことがわかりました。
いつもの通り裏のRCAジャックのアース浮きを疑い順番に渡りを掛けて行きます。
全ての渡りをかけてもやはり少し漏れてきます。
結局最初の検査でまだ使えそうだと思った電解ブロックコンデンサーの残り2も交換し3本とも全て交換すると音漏れは無くなりました。
いつも電解コンデンサーの検査に使うチェッカーで良品と判断しても、やはり不良も結構あります。
★レストア後の最終試聴エージング風景です。
おと漏れも無くなり綺麗な音が出ています。
交換部品です。
高圧B3です。248.0Vを表示し良好です。
左右の出力波形の観測中です。左右とも綺麗な波形が出ています。
ヒーター電圧です。18.77Vを表示し良好です。
低圧セレン直後の電圧です。26.6Vを表し良好です。
高圧B2です。267.5Vを表示し良好です。
高圧B1です。287.2Vを示し極めて良好です。
高圧セレン直後の電圧です。336.3Vを示し良好です。
★レストア後の各電圧チェックです。
★最初の音出しです。
音も粗く中高音がきつい感じです。バンブルビーの不良と電源の状態が悪いので元気の無い音と感じられたのでしょう。
オシロの波形です。上段は右で下段が左の出力波形です。下の波形が波打っているのがわかります。
左右の出力電圧です。赤針は左チャンネルで黒針は右チャンネルです。明らかに左の出力が落ちています。
★左右の真空管を入れ換えてみましたが状態は同じです。この為やはり回路が異常です。
左右の音量が違うと言われるので出力波形を撮ってみました。初めにボリュームのギャングエラーも疑いましたが出力を測定するとこのボリュームは全く左右差はありません。
この為やはり回路の不良に依るものです。
上の白いテスターはヒーター電圧を示します。15.9Vとかなり下がっています。
下のテスターは高圧B1です。こちらも262.0Vと20v程下がっています。
高圧セレン直後の電圧です。301.7Vですこし低い値です。
低圧セレン直後の電圧です。22.71Vでかなり低い値です。
高圧B3です。227.8Vでこちらもすこし低い値です。
高圧B2です。245.4Vですこし低い値です。
★各カップリングコンデンサーでは特にバンブルビーでリークがあります。フォノイコのRIAA偏差のコンデンサーも容量が減って不良です。
ラインのセラミックコンデンサーやトーン回路のコンデンサーも容量が変わっているので交換の必要があります。
高圧2段目φ35です。3ブロックとも良い値です。
低圧φ35です。3ブロック中1ブロックでリークしています。
高圧先頭φ25です。2ブロックでLeaky表示でリークしています。
★電源を入れて各値を検査します。
★電源を入れる前に各電解ブロックコンデンサーのチェックです。