内部です。殆どのカップリングコンデンサーをMarantz7オリジナルに使用する部品でレストアしました。セラミックコンデンサーも純正SPRAGUEの新品に交換しました。電源も電解ブロックコンデンサーの高圧2本をオリジナル仕様の新品に交換しました。

Marantz7 レプリカ 検査レストア依頼 概要

★最初の試聴を行いました。

電源立ち上げと同時に小さくブーンとノイズが出ます。

ラインアンプは荒れた騒がしい音です。
フォノイコは何とか聴けます。

真空管をライン3本のみSOV-TECからTelefunkenに換えましたが騒がしさが強調される状態です。
左が少し小さく聴こえるので真空管の特性かも知れません。このTelefunkenもかなり使い込まれたようです。



電源回路がかなり良くない状態なので音全体に荒れた感じになります。またカップリングコンデンサーも劣化して歪みも感じます。

全体に消耗部品の交換が必要です。

高圧整流ダイオード直後の電圧です。329.8Vで良好です。

2021. 4. 10 検査初掲載
2021. 5. 10 レストア完了

★表面のフォノイコのカソードバイパスコンです。

高圧の整流ダイオード直後の電圧です。343.3Vを示し良好です。

内部です。完全な復刻のオリジナル状態です。コンデンサー類はかなりくたびれた状態です。

★ようやくレストア完了です。                                            2021. 5. 10

今回も変なところでつまずきました。


高圧B3です。241.0Vで極めて良好です。

高圧B2です。261.8Vで極めて良好です。

★レストア後の試聴エージング風景です。


伸び伸びとした中高音。どっしりと響く重低音。なかなか良い音になりました。

Marantz7は低音は出ないとよく言われますがこちらは充分な音色です。



いつものドボルザークが優雅に奏でています。味のある音です。

DVORAK Symphony No.8 in G major



1時間程聴いているといつもより解像度が上がったのか、聴き慣れない旋律が聴き分けられます。不思議な感覚です。




交換部品です。殆どのカップリングコンデンサーを交換しました。

左右とも奇麗な波形が出ています。

低圧整流ダイオード直後の電圧です。27.24Vと少し高いですが良好です。

ヒーター電圧です。19.17Vで良好です。

★フォノイコの波形チェックです。

高圧B1です。279.8Vで極めて良好です。

今回思いがけずつまずいたのが左の画像の青い抵抗です。中央の抵抗の足がきちんとハンダ付けされていません。団子ハンダです。穴をほじって引っ張り出してみました。これが浮いていたことにより右チャンネルから発振音が出ていました。これにたどり着くまでかなり時間を掛けて部品を交換しそれぞれチェックしています。
不思議なことにこの状態で新品の時から鳴っていたのです。
今回レストアで偶然完全に浮いたようです。

やれやれです。。。



オーナー様が言われていた、或る時突然出る「バッッ!」というノイズはこれが原因かも知れません。レストア後は1日聴いていても何も起こりません。

★レストア後の各電圧チェックです。

フォノイコの音が悪い原因のプレート抵抗です。左の様にラインアンプも含めて音の良いAMRGに交換しました。

Marantz7オリジナルS/N.10500〜12000番台に使われる純正SPRAGUEの0.33uF/200Vです。心地良い低音の決め手がここです。

裏面です。横一列の小さなカップリングコンデンサーも音の良いGoodAll-TRWの新品です。左下の黄色い細長いコンデンサーもMarantz7純正SPRAGUEのNOS良品です。

オリジナル仕様の高圧用電解ブロックコンデンサーφ25、φ35に交換しました。

いつもこちらでレストアによく使うGoldenBlackとMarantz7純正GoodAll-TRWです。

交換部品としてTelefunken ECC83を同梱でお送り頂きました。

フォノイコ左1段目です。少し漏れがあります。

フォノイコ右1段目です。少し漏れがあります。

ラインアンプ右2段目です。少し漏れがあります。

筐体とコンセントN極間の漏れ電圧です。AC68.3Vを示し少し漏電があります。

★カップリングコンデンサーの漏れ電圧を測ります。

高圧B3です。252.6Vを示しこちらも少し高めです。

高圧B2です。273.7Vを示しこちらも少し高めです。

横一列の小さなカップリングコンデンサーも黒ずんで使用感が漂います。

★電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーのチェックです。

Marantz7レプリカです。オーナーは音楽関係者の方ですが、今回本機を真空管アンプのリファレンス機として使用したいのでメンテを依頼されました。

ラインアンプの3本をTelefunkenに換えて、取り外したのがこのSOVTEKです。

ラインアンプ左2段目です。少し漏れがあります。

ヒーター電圧です。19.16Vでこちらも若干高めです。

低圧ブリッジダイオード直後の電圧です。28.21Vを示しやはり少し高めです。

高圧B1です。293.7Vを示し少し高めです。

どれも良い値です。

★電源を入れて各値を測ります。

同じく高圧2段目です。このブロックも容量が抜けて損失係数も309と異常に高い値を示しています。

低圧のブロックコンデンサーです。こちらはどれも正常値なのでまだ使えます。

高圧2段目φ35です。こちらは容量が抜けて機能していません。

高圧先頭φ25です。容量が1.5倍以上に膨らみESRも高い状態で不良です。

裏面です。こちらも完全に復刻のオリジナル状態でまだメンテの手が入っていません。