2019. 11. 16 掲載、検査完了
2019. 11. 30 レストア完了
2019. 12. 7 再レストア完了

★再レストア完了です。                                                       2019.12. 7

レストア完了時に電源の漏れ電圧を計ったのですが、コンセント「N」極と筐体間の電圧がAC79.4Vの漏れ電圧があり、これをオーナー様に伝えると電源トランスの交換を希望されました。
今回はレプリカ用の電源トランスの在庫が無いので特注トランスに交換しました。

★検査の結果電源の先頭のブロックコンデンサーが不良のため音にノイズが入り曇った音になっています。

またラインアンプの音に重要なところが本機も不良になりはっきりしない音になっています。
ここはMarantz7オリジナルもよく不良になるところです。

本来、復刻#7はオリジナルと比べてかなり曇った音です。
その主な原因は使用されているカップリングコンデンサーが白いEFCというラベルの付いたMarantz純正品であり、ボリュームもメキシコクラロスタットでギャングエラーが大きく周波数特性も変えられた粗悪品が使用されています。

本機では真空管は音の良いTelefunken ECC83<>有 に交換されているのでよいのですが、純正ではMarantzのロゴが入った中国製が使われています。これも大変音が悪く、この時代はmcIntoshにも使われ不評のものです。

これらカップリングコンデンサーを当工房で#7オリジナルのレストアに使う組み合わせの代品に全て交換し、ボリュームもMarantz7オリジナル後期型純正の東京コスモスを当工房で少し手を加えることにより、オリジナル純正クラロスタットのように抜けの良い音に変えることができます。

復刻#7と言えども回路はオリジナルと同じです。使う部品で音はガラリと変わります。

Marantz7レプリカです。しばらくメンテしていないのでどういう状態か見てほしいとのご依頼です。

交換後の電源トランスです。

ラインアンプとフォノイコの特に音に影響する所にいつものGoldenBlackを使用し、その他はWE仕様のMarantz7オリジナル後期型純正GoodAllの近年社名が変ったTRWを使用しています。
全体に明るい感じになり、且つ奥行きも醸し出しています。

音の良い東京コスモス製のメイン、バランスボリュームです。
特にバランスボリュームはなかなか手に入りません。

交換部品に電源トランスが追加になりました。























★交換後の各電圧チェックです。

内部も電源回路が少し変わったので画像に残します。

高圧とヒータ電圧を同時に測ります。
画像左上がヒータ電圧です。18.91Vと非常に良好です。
画像左下が高圧B1です。282.4Vでこちらも非常に良好です。

電源トランス交換後の筐体アース間の漏れ電圧です。交換前はAC79.4Vでしたが交換後はAC16.41Vまで下がりました。約30V以下が目安なので極めて良好です。



★レストア完了です。                                                          2019.11.30

今回も少し時間が掛かりました。
メインとバランスボリュームを交換することになったのですが、バランスボリュームの入荷に時間が掛かりました。

電源回路は電解ブロックコンデンサーを先頭のφ25を正規仕様の新品に交換しました。
ここはよく壊れやすく、この形状は代品でもなかなか無く貴重です。

★レストア後の試聴です。

Marantz7オリジナルと殆ど同じ、抜けるような中高音、ダイナミックな重低音が蘇っています。


いつものクラシックのレコードに針を静かに下ろし、いつものフレーズが立ち上がって来ます。
いつも聴くMarantz7の音です。

いい響きです。

ライン右2段目です。 161.8Vで良い値です。

高圧B2です。 264.0Vで良い値です。

高圧B3です。 242.7Vで極めて良い値です。

★レストア後の各電圧チェックです。

交換部品です。

メキシコクラロのメイン、バランスボリュームもあります。

殆どの主なカップリングコンデンサーは交換しました。

赤いセラミックコンデンサーも容量が抜けています。

ライン左2段目です。 161.8Vで良い値です。

低圧ダイオード直後です。 28.36Vで良い値です。

ヒーター電圧です。 20.72Vで良い値です。

★主な真空管プレート電圧です。

← こちらはコンセントN極と筐体間の漏れ電圧です。

AC79.4Vとかなり高い値です。

高圧ダイオード直後の電圧です。 336.0Vで良好です。

高圧B1です。 285.2Vで良い値です。

これが貴重な東京コスモス製 1MΩB 2連ボリュームです。

音の良いTRWのカップリングコンデンサーです。

裏面です。こちらも横一列4個の小さなカップリングコンデンサーはGoodAll-TRWの新品です。音の抜けは抜群です。

内部です。殆どの主なカップリングコンデンサーはMarantz7オリジナルでレストアする部品を使用しています。
電源回路も電解ブロックコンデンサーは先頭のφ25をオリジナル正規仕様の新品に交換しています。
Marantz7の音に重要なセラミックコンデンサーはオリジナル純正のSPRAGUE新品と交換しました。
ボリュームはMarantz7オリジナル後期型に採用されている東京コスモス製に当工房で少し手を加えた音の良いものをメイン、バランスとも交換しました。
Marantz7オリジナル初期型に純正のクラロスタット製に近い音の抜けの良さです。

ラインアンプ左です。1.786Vもの漏れがあり不良です。

ラインアンプ右です。こちらも1.76Vの漏れがあります。

フォノイコ右です。155.5Vで良好です。

ラインアンプ左です。162.9Vで良好です。

フォノイコ左です。153.6Vで良好です。

★カップリングコンデンサーの漏れ電圧です。不良個所のみ掲載します。

ラインアンプ右です。162.2Vで良好です。

高圧B3です。こちらも243.6Vを示し良好です。

まず最初の音出しでは、普通に聴けます。
しかしやはりオリジナルの音と比べるともやっとした輪郭の無い音です。

右の画像はこちらに届いた状態のトーンコントロールのつまみの位置です。

trebleを同じ位置すると何とか聴けます。

スピーカーに耳を近づけるとジーとノイズが聞こえます。

ヒーター電圧です。20.82Vを示し少し高いですが良好です。

低圧整流ブリッジダイオード直後の電圧です。28.36Vをしめし良好です。

★各回路のプレート電圧を計ります。

高圧B1です。286.5Vを示し少し高いですが良好です。

高圧B2です。こちらも265.2Vを示し良好です。

高圧整流ダイオード直後の電圧です。336.8Vを示し良好です。

高圧先頭φ25です。御覧のようにLeaky表示でリークして不良です。

高圧2段目です。ESRハ少し高いですが静電容量は正常です。

低圧です。こちらもESRは少し高いですが正常です。

★それでは電源を入れて各電圧を計ります。

裏面です。こちらも全く手が入っていません。

★電源投入前の各電解コンデンサーのチェックです。

内部です。ほぼオリジナル状態で全く手が入っていません。

復刻Marantz7R  レストア依頼機 Y.K 様 概要