Marantz 8 修理依頼 概要

★漸く修理完了です。                                              2022. 2. 27

トランスを2台も巻き替えた為かなり時間が掛かりました。
電源トランスにはエポキシ樹脂が充填されていたので破壊し、この時配線類は壊滅状態となったため新規に新しい線を取り付けています。
しかも、巻き替え後再度組付けすると内部回路も破損して状態が変わっています。いろいろ抵抗類も交換し、漸くバイアス調整やACバランス当の調整ができました。
今回もかなり難儀でした。

出力トランス右の2次側8Ω端子です。正常です。

電源トランス1次側のインダクタンスです。異常に大きい値です。恐らくショートしています。

2022. 1. 17 検査
2022. 2. 27 修理完了


★修理後の試聴エージング風景です。

再び良い音が戻りました。

ノイズも無く爽やかな音です。















今回の交換部品です。珍しく電源トランスの配線の残骸と交換した抵抗です。

電源トランスから伸びる配線が新しくなっています。

出力トランス左の1次の上側です。インダクタンスが少なく出ています。

出力トランス左の1次の下側です。こちらもインダクタンスが少なく出ています。

★こちらで電源を入れてもヒューズがすぐに切れるので電源トランスと出力トランス左側の巻き替えが必要です。


出力トランス右の1次の上側です。インダクタンスや交流巻線抵抗は正常です。

出力トランス右の1次の下側です。こちらもインダクタンスや交流巻線抵抗は正常です。

出力トランス左の2次側8Ω端子です。インダクタンスが1.5倍に膨れています。交流抵抗値も少なく出ています。ショートしています。

電源が入らなくなったので修理を依頼されました。

状況を詳しく伺うと、後でこちらに修理のため送る際に配線を外すと左のスピーカー端子がポロリと外れたそうです。
恐らく使用中にスピーカーのケーブルが切れ切れの状態で何らかの拍子でスパークし、これが出力トランスの1次側に大電流が流れ出力トランスがショートしたと考えます。この反動で出力トランスの1次側にB電源を直接供給している電源トランスの2次側がショートしヒューズが飛んだと推測します。チョットしたことですが不運にも大惨事になりました。
以前のスピーカー切り替え器を使って2台のスピーカーを切り替えて出力トランスと電源トランスをショートさせ巻き替えしたケースと同じ状態になったようです。一般にスピーカー切り替え器は、真空管アンプは使用不可と明記されています。

電源トランスの2次側高圧B電源のインダクタンスです。少し大きく出ています。

ヒューズを確認するとやはり切れていました。