Marantz#8Bレストア I.H 様 概要

2016.11.21

ヤフオクで落札された後、どんな状態か心配なのでレストアを依頼されました。
高圧B電源やバイアスC電源の電圧は正常値でした。オリジナルのブロックコンデンサー類はまだ健在です。
最初の音出しの時バイアス調整で調整代が少なかったのはカップリングコンデンサーのへたりでした。心配していたセレンは大丈夫です。

このためそれぞれのカップリングコンデンサー4本を新品のGood-All(TRW)に交換です。ここは抜けると大惨事になるのでできるだけ信頼性のあるものに交換したいものです。
出力管バイアスのデカップリングも抜けそうだったのでブラックビューティー(160P)が ありましたので交換しました。
初段後のデカップリングもGood-All(TRW)の新品に交換し、この後のカップリングは音に直接影響しますのでブラックビューティー(160P)に交換しました。
カソードバイパスコンデンサーは比較的新しそうで大丈夫でした。
次に、重要な入口側は残念ながら0.022uFのバンブルビーがかなり膨らんでいました。同形式が入手先にも良品が無かったので、こちらで#7によく使うバンブルビーの0.01uFの誤差10%以内をパラに接続して0.02を得ています。
こうすることによりより一層音の抜けが良くなり良い音になります。
もう1本の160Pの0.1uFは大丈夫です。
最後にACバランス、DCバランスとも調整済です。


音は最初の音出しの時と比べると全体の抜けが良く澄み切った透明感がより増しています。
こちらの#8Bオリジナルよりはきれいな音です。やはり入力側のバンブルビーをパラに接続した効果が高いと感じています。

これで当分の間は良い音を安心して聴けると思います。





最初の音出しです。
まずバイアス調整代がかなり少ないので出力管バイアスのカップリングコンデンサーと低圧セレンがへたっていると思います。
このままですと近いうちに抜けて大変危険でした。
音的には特に歪も感じません。シーメンスの出力管とRCAの初段と位相変転管の状態も良く良い音だと思います。
これから各部の電圧やコンデンサー類の絶縁抵抗検査、静電容量検査等を行います。

2016.11.29

★レストア完了です。