Marantz8B 検査レストア依頼 概要

★電源トランスが気になったので念のためインダクタンスと1kHz交流抵抗値を測ります。

内部です。こちらも殆どオリジナルの良い状態です。

2024. 7. 18 検査
2024. 8. 3,4 レストア完了

バイアスセレンを交換し、電解ブロックコンデンサーもオリジナル仕様に交換しました。

音に極めて重要な入り口側カップリングコンデンサーを全て良品バンブルビーに交換しました。特に赤いラインの0.022uF/200の良品は極めて希少です。

(2024. 8. 4)
★発送に当って最後に全ての真空管をチェックしました。


★レストア完了です。                                          2024. 8. 3

左右の出力の残留ノイズです。左右とも殆どノイズは出ていません。

左側先頭 0.1uFです。完全に絶縁不良です。

同じく右です。こちらも完全に絶縁不良です。

★入力側カップリングコンデンサーにバンブルビーが付いているので絶縁検査を行います。

★まずは各電解ブロックコンデンサーの検査からです。

プッシュプル分割デカップリングコンデンサーを音の良いUSA仕様に交換しました。抜けるような明瞭な音はここが決め手です。

左右の出力波形です。左右とも綺麗な波形が出ています。
周波数特性は 20Hz〜30kHzまで完全フラットです。 驚きです! 

左の白テスターは高圧B1です。 447Vで良好です。 右テスターはバイアスC電圧です。 -49.6Vで良好です。

交換部品です。

左端の白いテスターは高圧B1です。437Vで極めて良い値です。その右隣はバイアスC電圧です。-48.0Vで良い値です。右の2台のテスターは片チャンネルのACバランス電圧です。上下4V位の差があり丁度良い値です。もう片方のチャンネルも同じように良い状態です。

最後にACバランスのチェックです。いつもは軽く確認をしますが、今回、以前にオーナー様が調整されたそうで確認のリクエストを頂きました。この為、調整風景を画像に残します。

★レストア後の試聴エージング風景です。

いや、これは良い音です!
ときめくような音の広がり、解像度の高い低音。 フルノーマルの#8Bオリジナルでここまで良い音を聴いたのは初めてです。

当工房の#8,#8Bと何が違うのか。出力管はヴィンテージMullard EL34です。 デカップリングが違います。恐らくここの違いが大きいのでは。


★輝くような音でいつものモーツアルトが流れています。極めて新鮮な音に聴こえます。

どれも大変良好です。

残留ノイズです。 ミリバルのメーター読みで左右とも 0.2mVです。極めて良い状態です。

初段管のカソードバイパスコンをMarantz純正SPRAGUEの新品に交換しました。(青)

★レストア後の各値のチェックです。

内部です。ほぼオリジナル状態を確保しながら良い音にレストアしました。

★最初の試聴です。

予想通り、良くない音です。 音全体が割れています。これは入り口のバンブルビーの不良からではなくバイアス不良です。全体のバイアスはそこそこ取れているので各出力管のバイアスはきちんと取れます。しかしバイアスの脈流が音に乗って音が汚くなっています。

やはり、オナー様は何かあるから検査に出されたのでしょう。










左テスターはバイアスC電圧です。 -44.3Vを示し少し低い値です。右の白テスターは高圧B1です。 423Vで良好です。

★電源を入れて各電圧を計ります。

1次側です。インダクタンス、巻き線抵抗値とも少し高いようです。

2次の高圧Lo側です。こちらも良好です。

2次の高圧Hi側です。良好です。

★左の画像の絶縁計の値はどれも数百kΩ〜1MΩで全くの絶縁不良です。
  良品は4,150MΩ〜∞(OL表示)になります。

こちらは順方向で4.49kΩです。







こちらは逆方向ですが4.59kΩと順方向と同じくらい導通があります。
ほぼ整流されず逆方向の波形も通しています。
恐らく電源トランスの異常発熱はこれが原因でしょう。

同じく右です。こちらも完全に絶縁不良です。

★バイアスセレンの導通検査です。

初段管のカソードバイパスコンの右側です。完全に抜け切っています。

こちらは同じく左側です。こちらも完全に抜け切っています。

高圧電源回路のφ35です。3ブロックとも良い値です。

高圧電源の倍電圧の下側です。こちらも良い値です。

電源トランスの配線取り出し口からピッチが流れ出しています。かなり高温になっているようです。

状態の良い Marantz8Bオリジナルです。外観は年代物らしく良い雰囲気を出しています。特に大きな傷や改造はありません。暫くメンテしていないのでどういう状況か検査を依頼されました。

★付いていたMullard EL34はどれも良好です。また、一緒に送って頂いたTelefunken EL34は4本とも新品の状態です。

各真空管に真空管試験機で検査した値をラベルで貼っておきました。







2次側バイアスC電源です。こちらもインダクタンス、巻き線抵抗値とも少し高く出ています。

2段目の 0.022uF/200です。こちらも完全に絶縁不良です。

こちらもC電源のもう片方のブロックです。やはりESRが高く余り良くない状態です。

バイアスC電源です。少しESRが高い状態です。

高圧電源の倍電圧の上側です。良い値です。

入力側カップリングコンデンサーの下にブラックビューティーがあります。配線はしていないので予備に置いてあるのでしょう。