電源を入れて5分程の状況です。

2022. 3. 11 検査
2022. 3. 23 修理完了

★前準備が整い、いよいよ電源投入です。

★電源トランスのインダクタンスです。

★出力トランスのインダクタンスを調べます。

★取り敢えず修理完了です。                                         2022. 3. 23


今回修理に当たって、まずは電源を入れて各電圧を測ります。この為ヒューズの手配からですが、このレプリカのヒューズはショートサイズの4Aなのでなかなかありません。
1週間程で漸く手配できました。


★修理後の試聴エージング風景です。


今回、電源を入れて心配していた電源トランスの漏電は無く出力も左右共正常に出ているので一先ずこの状態で様子を見ようと思います。

2時間程経っても各トランスは特に異常に熱くはなりません。やはり電源スイッチに渡りを掛けて接触不良を防いだ事が効いていると思います。












筐体 - コンセントN極間の漏れ電圧です。 AC37.38Vを示し良好です。

各出力管のバイアスを調整した後、再度測ると -47.8Vになり正常です。(左の黒テスター)

左右の出力の残留ノイズです。左右共0.003V位で正常です。

白いデジタルテスターは高圧B電圧を示します。 448Vで良好です。左隣のアナログテスターはバイアス電圧です。

溶着している電源スイッチの端子に渡りを掛けてオリジナルと同じ様に直結にしました。

B1のスクリーングリッド抵抗を純正A&Bの1Wに交換しました。

電源を入れて全体にほぼ正常のようなので音出しを行います。

時折バイアスが1本効かなくなったりヒーターが点灯しないなどのハプニングはありましたが、真空管ソケットの接触不良だったので手直ししておきました。

これ以外は特に問題はなく正常に音は出ています。

交換部品はこれだけです。

このバイアス電圧は-108Vを示し、正常値の倍以上を示しています。

★使用状況をオーナー様に伺うと、電源スイッチがたまに入りがおかしいことがあると言われました。
こちらでこのスイッチを動かすと、接点が溶着して動きません。
恐らく接点の容量不足で使用中に接触不良を起こし、細かなスパークが発生したと思います。このスパークは電源回路に高圧を発生させるため電源電圧がかなり上がった状態で使用されていました。
蛍光灯のグロー球と同じ原理です。グロー球のスパークで高圧を発生させ蛍光灯が点灯します。
この電圧異常が内部回路の電圧を上げ、過去に2回出力管の赤焼を起こし、今回で3回目のスクリーングリッド抵抗の焼け切れが発生し電源トランスや出力トランスの両方が異常発熱を起こしピッチが垂れたと推測します

接点の溶着を起こしている電源スイッチです。

電源トランスからも大量にピッチが流れてチョークコイルにもかかっています。






1次側です。こちらも大体正常です。

A2の1次側です。こちらも低い値です。

A1の1次側です。こちらも低い値です。

約2年半前にこちらでレストアしたMarantz8BRです。今回突然電源が落ちたので診て欲しいとのご要望です。

トランスから流れたピッチが裏カバーまで垂れて床にまで垂れています。左上が電源トランスの位置で右下はBチャンネルの出力トランスのピッチの垂れた跡です。

Aチャンネルの出力トランスからも出ています。こちらは粘度が低いので塊が膨れて出ている程度です。

Bチャンネルの出力トランスから大量のピッチが流れ出ています。前回は少し出ていましたがここまで大量には出ていません。しかもかなり粘度が低いのでかなり高温で流れ出ています。

バイアスC電源です。214μHで通常の半分です。

高圧B電源です。大体正常のようです。

Aチャンネル2次側8Ωタップです。こちらは4mHしか無く異常です。

Bチャンネル2次側8Ωタップのインダクタンスです。通常30mHを越えます。こちらも低い値です。

B1の1次側です。通常20Hを越えるので少し低い値です。

B2の1次側です。こちらも低い値です。

今回は出力管 B1 のスクリーングリッド抵抗が焼き切れています。このとなり(左隅)の同じ抵抗は以前他の修理屋さんがワット数の大きいものに交換されています。

こちらのA1のスクリーングリッド抵抗は前回当工房で交換しました。純正A&Bの1Wです。

前回当工房で電源周りの電解ブロックコンデンサーや各カップリングコンデンサーを交換しました。

Marantz 8BR 修理依頼 概要