Marantz9 修理依頼機 概要
2021. 8. 18 検査
2021. 8 .25 修理完了
★やはり高圧ダイオードの2本のうち1本が不良です。これでかなりの脈流が流れています。
高圧の電圧も電源投入後数秒後に急激に変化しています。変だと思っていましたがやはりこれが原因です。
右画像がダイオードを2本とも交換した後の状態です。
しかし、それでも高圧電圧が少し不安定です。この為前回新品交換した電解ブロックコンデンサーも交換してみました。すると完全に安定した状態です。
やはり高圧ダイオードの経年劣化により1本が不良になり、大きな脈流が高圧電解ブロックコンデンサーに掛かり、特に高圧B2のブロックがやられ、電圧の不安定から出力にノイズが出ていたようです。
前記の初段管のカソードバイパスコンを交換した後、かなり安定してきたので電源も疑うようになっていました。 劣化したカソードバイパスコンでは電源の異常に敏感です。
正常なコンデンサーなら多少電源に脈流が乗っても吸収してくれます。それでノイズがかなり減ったのです。
ダイオードの順方向です。導通はありますがかなり高い値です。
高圧B1では無くてB2の電圧が不安定です。電源回路で何かが起きています。前回電解ブロックコンデンサーは全て新品に交換しています。
この為、何かある筈はありません。 念のため高圧整流ダイオードを疑ってみます。
もう1本の電圧増幅管のプレート電圧波形です。同じく揺らぎがあります。
アンプの出力には余り出ませんでしたが、電圧増幅管のプレート電圧の波形を調べました。やはり「ゆらぎ」があります。
各電圧です。右テスターは高圧B1で正常です。左テスターはバイアスC電圧でこちらも正常です。
ミリバルにも激しく針が振れる様子が読み取れます。
オシロの下段がそのノイズです。
こんな波形です。
両方とも純正SPRAGUEの新品に交換しました。
これで安定してきました。これが原因かなと思いました。
今回の交換部品です。前回交換した電解ブロックコンデンサーもあります。
今回も難儀でした。。。
同じく逆方向です。何と、導通があります!
★しかし、まだどうもシックリ来ません。 いろいろしつこく各部を検査してみました。
最終的な出力の波形です。オシロの下段が安定した電圧増幅管のプレート電圧のサインカーブです。「ゆらぎ」は全くありません。
出力の残留ノイズも AC0.001Vと無に等しい値です。
一応そこそこ安定した波形で、正弦波も奇麗です。
出力の残留ノイズです。マルチテスターでは0.003Vで安定しています。
★しかしまだシックリ来ないのでカソードバイパスコンと初段管の電解コンデンサーをチェックしました。
カソードバイパスコンは容量が1.5倍以上膨らんでいます。
初段管の電解コンデンサーもESRが高い状態です。
★初段管と電圧増幅管を交換してみました。するとノイズは殆ど出ません。
しかし元に戻しても落ち着いているので真空管ソケットを洗浄してみました。
またV8のバイアスが安定するのが遅いので出力管4本とも真空管試験機で測定しました。4本ともまずまずの値です。
ボソボソとノイズが出てきたので修理を依頼されました。