2023. 1. 4 検査
2023. 1. 29 進捗1
2023. 2. 27 レストア完了
イコライザーとラインアンプ後半に付いているRFTのECC83です。概ねどれもこの位で、何とか使えます。Telefunken ECC82は2本とも75を越えているので良好です。
こちらは最後のTelefunken ECC83です。これも何とか使えそうです。
★真空管の検査です。
★不良バンブルビーの単体チェックです。
残留ノイズです。ほぼ検出できない位極めて低い値ですが、C-8やC-20ではボリュームが回路の最後に位置するのでボリュームを絞った状態ではノイズは出ません。
いつものように残ったバンブルビーにコーティングを施しています。
電源回路はほぼオリジナル状態です。元はセラミックコンデンサーが付けられていた最終段カップリングはGoodAll-TRFの新品に交換しました。セラミックでは音が雑になるのでここはやはりフィルムコンデンサーです。
イコライザー回路もチェックしました。今回は優秀で殆ど誤差はありません。
★試聴エージング風景です。
漸く良い音が聴けました。
今回も長い道のりでした。
★時間が掛かった要因はオーナー様の希望によりなるべくバンブルビーを残そうとしました。まずは音に直接影響のあるとこを中心に代品交換を行いました。
通常はこれで良い音になる筈でしたが、今回は簡単に行きません。
バランスボリュームとトーンコントロールのボリュームが不良です。この為ボリュームの中の部品を交換するつもりでしたが、経年でボリュームの軸に付いている赤い指針板が外れません。この為ボリュームを外すことができません。無理に外すと割れて再起不能に陥るので無理はできないのです。
ボリューム内部を洗浄液でジャバジャバ洗い、ついでに真空管ソケットも接点復活剤でベトベトなので洗い流しました。
これで何とかガリや音飛びが無くなり普通に使えます。ラッキーでした。
しかし、これでも音が良くならないので悩みました。各回路を改めてじっくり見直し、まだ残っているバンブルビーを交換して漸くまともに聴ける音になります。悪さをしていたのはやはりトーン回路のバンブルビーでした。
★レストア後のエージングで、時間が経つにつれて良い音になって行きます。こちらでかなりバンブルビーに近い音だと思っているUSA仕様のコンデンサーが効いて来ます。極めて音の抜けが良く煌びやかな音です。
絶縁抵抗値をラベルに書いて貼り付けています。画像の 7.51MΩは完全に不良です。この絶縁抵抗計での良品判断は4,150MΩ以上無限大が良品です。
バンブルビーの片足を外して絶縁を測ります。この時のテスターの表示は1.439MΩです。他のバンブルビーも殆ど1MΩを下回っています。
今回も大量のバンブルビーが交換になりました。それぞれの値をラベルに記しています。
電解ブロックコンデンサーはオリジナル仕様の新品に交換しました。良い音はやはり電源の電解コンデンサーで決まります。
上面です。余り変わっていません。
★漸くレストア完了です。 2023. 2. 27
左から白テスターは高圧B1です。246.1Vを示し良好です。左から2番目の黒テスターはヒーター電圧です。10.88Vで良好です。右から2番目は高圧B2です。221.2Vを示し良好です。右端のテスターは高圧B3です。こちらも192.0Vで良好です。
★レストアもかなり進み、進捗を掲載します。 2023. 1. 29
バランスボリュームからのノイズとガリ状態です。角度によって大きなノイズとガリが発生します。前のレストアされた方は接点復活剤を塗布されていますが、それでも大きなガリが発生しています。
また、トーンの低音ボリュームもガリが激しく音にノイズも乗ってきます。
分解し内部カーボン抵抗の交換が必要です。
メインボリュームやその他のツマミ類は今の所大丈夫のようです。
電源部品交換後の各電圧検査です。
殆どの音に直接係る不良バンブルビーを交換し、電源回路の部品も全て交換しました。この後音質の検査とイコライジングカーブの調整ですが、バランスボリュームの不具合がわかったのでここで進捗として掲載します。
ラインアンプのカップリングコンデンサーです。Bumble Beeがボコボコに膨らんで割れています。手前の小さなコンデンサーも割れています。奥のコンデンサーは、どうしたのでしょう?バンブルビーが黒焦げです。
全てBumble Beeです。この中でどれだけ生き残っているか、、、
出力側のカップリング 0.022uFはセラミックコンデンサーが使われています。通常ここはBumble Beeです。これも当工房ではEQC-1, MKe-1用に多数在庫があります。
バンブルビーの漏れ電圧チェックです。白ラベルの貼ったものに目立った漏れがあります。
左の白テスターは高圧B1です。249.9Vを示しまあまあの状態です。中央のテスターは高圧B2です。こちらもまあまあです。右テスターはヒーター電圧です。5.67Vと半分くらいまで落ちています。
出力波形です。一見まあまあのようです。
高圧2段目の2ブロック目です。こちらも容量が抜けています。
低圧のブロックコンデンサーです。何と! OL表示で導通無しです。
フォノイコのカソードバイパスコンです。裏から手が入らないので表の基板で計測です。少しESRが高いものの何とかまだ使えそうです。
大変きれいなMcIntosh C20初期型です。
★電源状態と出力がまあまあだったので最初の試聴では、パワーアンプをWE350B pp に繋いで聴いてみます。
ノイズはやはり全く感じませんが、、、ひどい音です。
全体に荒く、中高域が歪みます。電圧が低いのとバンブルビーに漏れがあるので音が前に出てきません。
30分程経つと何とか普通に聴けそうです。しかし中高域の歪はずっと気になります。
フォノイコの音はまあまあです。RIAA偏差が崩れています。
長く聴いていられないので早々に最初の試聴は終了です。
高圧先頭です。容量が膨らみESRが極めて高い状態です。
高圧2段目の先頭です。こちらは容量が抜けています。
★電源を入れて各部のチェックです。
★まずは電解ブロックコンデンサーのチェックです。
カソードバイパスコンもオリジナル紙巻のコーネルダビラーです。
裏面です。完全オリジナルです。
使用真空管は珍しいRFTです。
V1, V2, V5, V6 の12AX7がRFT
V3, V4 の12AU7はTelefunken <>有
V7の12AX7もTelefunken <>有です。
内部上面です。
McIntosh C20 レストア依頼機 概要
内部下面です。不良のバンブルビーを音の良いUSA仕様のコンデンサーに換えました。また音に重要なところを良品バンブルビーに交換しています。