★ほぼレストアは完了し、音を聴いています。                                      2021. 7. 17






2021. 5. 6 検査
2021. 7. 17 途中経過
2021. 9. 17 レストア完了

他のレストア依頼機C-8と一緒に試聴しています。この為電源ユニットは当工房オリジナルC-8用を繋ぎ換えて聴いています。当然どのC-8,C-4にも互換性があります。(AC点火のC-8にもそのまま繋げます。オリジナルはACとDCの互換性は無くそれぞれ別の電源ユニットになります)
音に重要なところ2点を良品バンブルビーに交換しました。この為、当工房所有機C-8オールバンブルビー機と殆ど同じ雰囲気を出してくれます。

レコード(クラシック)はなかなか聴かせてくれます。 特にピアノ! カーンと響き渡ります。
ティンパニーの余韻はハンパ無いです。各楽器の音がストレートに出てきます。

DECCA DIGITAL RECORDING  BEETHOVEN PIANO CONCERTO No.5"EMPEROR"
デッカのレコードは音が良いので気に入っています。

配線にもウエスタンのケーブルを使用されているのでしょうか? 拘りますね。

拘りがあるのかウエスタンのオイルコンを使われています。整流管やチョークコイルも使われています。豪華です。
電源トランスとチョークが接近し過ぎです。これは電源トランスの一番磁界の影響を受ける配置です。ケースに入れるか内部に持って行きたいですね。
電磁誘導の影響を高容量電解ブロックコンデンサーでカバーでしょうか?
余りレギュレーションは良くない構成です。後で音に影響しなければ良いのですが。。。

厳密に言うと折角のモノーラルアンプにステレオの電源を付けています。左右の干渉は免れません。やはり後の試聴でも少し音量を上げるとチャンネルセパレーションは悪くなって左右の隔たりがぼやけてきます。
勿論、これで普通のステレオアンプとしてとても良い状態ですが。

どうも他人の設計には辛口になります。私はこういうスタイルは取りません。特に電源は左右別にします。

ウエスタンのコンデンサーの配線です。結構こういうところに拘るマニアの方がいますが、普通の10uF/25V程度の安い電解コンデンサーで充分です。この程度で音は変りません。
ウエスタンのパーツを使うので充分満足でしょうが。

数か月後ウエスタンのスピーカーとウエスタンのパーツを使ったアンプの自作マニアの方と話をしていると、やはりウエスタンのオイルコンは音にまろやかさを加えとても良い音になるそうです。
実際の試聴でもそうかなーと思ったりします。こう聞くと羨ましくもなります。。。愚か者の性でしょうか。。。

★2台目です。

★大そうな電源ユニットです。

★レストア完了後の試聴を行っています。

おおーっ、極めて良い音です!

当工房のオールバンブルビー機と全く変らない音です。
ふわーっとした奥行きと臨場感、細部に渡って楽器の判別ができる解像度、殆どノイズも聞こえずピュアな音です。

Marantz7と違ってCR型の回路なので優しい感じで、やはりウエスタンのオイルコンが効いているのか温かみも感じます。

これは良いプリアンプです。







交換部品2台分です。

こちらも左テスターは低圧電圧でピッタリ規定値になっています。

左の黒いテスターが低圧のヒーター電圧です。セレンに交換すると電圧は正規の値になりました。やはり以前のダイオードのパラ接続では電圧は上がり過ぎていました。
右の白いテスターは高圧B1です。前回と同じような値で良好です。

★音はやはり予想通りもやっとした音に換えられています。ビタミンQの音です。

しかし無信号時のノイズも無く安定した状態です。これならストレスを感じず普通に聴けます。


試聴はいつもクラシックで行います。このMcIntosh C-8はどれもクラシックを充分良い音で鳴らしてくれます。
私の好きなアンプです。

なかなか良い状態です。奇麗です。

レコードではイコライジングスイッチをRIAAのレンジに選択しています。これにトーンツマミで微調整することにより丁度良い雰囲気になります。リヤパネルの入力インピーダンスレンジは47kΩ標準です。入力アッテネータも3dB減衰位置で丁度良い状態です。

★最初の試聴風景です。パワーアンプはMcIntosh MC60バンブルビー機でTANNOY REDを鳴らしています。

フォノイコのカソードバイパスコンです。良品です。

低圧倍電圧のもう片側です。こちらも容量が完全に抜け切っています。不良です。

低圧倍電圧の片側です。かなり容量が抜けてESRも極めて高い状態です。不良です。

高圧の電解ブロックコンデンサーはこちらも概ね良好です。

上のテスターはヒーター電圧です。少し高いですが良好です。下のテスターは高圧B1です。こちらも339.5Vを示し良好です。

パイロットランプも赤々と付いています

★電源を入れて各電圧を計ります。

フォノイコのカソードバイパスコンです。良品です。

低圧倍電圧のもう片側です。容量がほぼ無いに等しくESRも極めて大きい値で不良です。

低圧倍電圧の片側です。導通不良です。

高圧用ブロックコンデンサーです。概ね良好です。


★2台目です。

こちらも1台目と全く同じです。

オリジナルとはフィンの数が違いますね。色も若干違って少し濃い青です。

★2台目です。

青い低圧セレンと低圧用電解コンデンサーを交換しました。

左の0.1uF/400と中央の大きな0.47uF/200を良品バンブルビーに交換しました。
これ以外はいつも良く使うGoodAll-TRWと丁度同じ値の物が手に入る160P、及び元から交換済良品のBlack-CATを流用しています。
他の小さなバンブルビーはフィルター回路なのでそのままです。

裏面です。特性を合わせるために抵抗類を少し交換しています。

★漸くセレンが入荷し、早速取り付けてレストア完了です。                             2021. 9. 17



★1台目の内部です。

★レストア後の各電圧チェックです。

1台目です。

★本機の低圧セレンに前のレストア屋さんはダイオードをパラに接続して一時的に電圧を確保されています。
しかし不良のセレンは逆方向にも導通がある事から、その内電解コンデンサーがパンクします。
この為、このままにして置くか不良のセレンを外してダイオードだけにするかオーナー様に検討頂いていました。

ただ今、以前から当工房所有機C-8用にセレン整流器を注文していましたが、そろそろ入荷しそうなのでオーナー様にお話したら、ぜひセレンに交換して欲しいとの要望がありました。

この為もう暫くレストア完了は先になります。

こちらは1台目と全く同じです。

★2台目の内部です。

★1台目の内部です。

上のテスターはヒーター電圧です。11.56Vで良好です。下のテスターは高圧B1で338.5Vを示しこちらも良好です。

しかし、厳密に言うとヒーター電圧が少し高く、恐らくこれだけ電解コンデンサーの状態が悪いのでリプルが乗って高く表示しているのかも知れません。ヒーター電圧なので音に直接影響は無い場合もあるので前のレストアされた方はこれで良しとされたのかも知れません。
Marantz7などはヒーター回路の良し悪しが音にかなり影響します。

McIntosh C-8 です。以前Marantz7をこちらで一部バンブルビー化にレストアして良い音だったのでこのC-8も一部バンブルビー化にして音の聴き比べをしたいと依頼されました。

どこかのショップ或いはマニアが製作した電源ユニットがあります。電源の接続ケーブルはオリジナルのようです。
この電源ユニットは独自のコンセントプラグを持ちAC100V仕様になっています。
この為、各C-8からの電源供給は無くそれぞれの電源コードも使用しないで使います。

内部は1台目と同じです。

★1台目の内部です。

できれば使用電圧とヒューズのアンペア数を明記してほしいですね。

よくできています。

★電源を入れてみます。

こちらもセレンにダイオードをパラに接続されています。

★各電解コンデンサーのチェックです。

相変らずこういう事をするベテラン技術者がいます。

交換されたカップリングコンデンサーです。よく見ると値が0.68uFと本来の値と違います。右側の大きなコンデンサーも0.68uFに換えられビタミンQです。音が推測できます。

★各部の電解コンデンサーのチェックからです。

以前他でのレストアでカップリングコンデンサー類を代品に交換されています。電源回路は低圧セレンにダイオードをパラに接続されています。

殆どオリジナル状態で奇麗です。

McIntosh C-8 検査レストア依頼機 I. T 様 概要