接続状況です。最終的な試聴は16Ω端子からTANNOY Monitor REDで行います。ノイズの確認は16Ω出力が必須です。

McIntosh MC240 レストア依頼機 概要

2023. 1. 21 検査
2023. 2. 16 レストア完了

★電解ブロックコンデンサーのチェックです。

★これから各カップリングコンデンサーのチェックです。最近では外さなくても状態が正確にわかるようになりました。

★電源を入れて各状態をチェックします。

★バイアス回路です。

こちらの2画像は交換されたニチコンのブロックコンデンサー2本です。両方とも良い値を示しています。

こちらの画像はレストア作業中の状況です。
できるだけバンブルビーを残すために、1本1本片足を外して単体検査を行っています。

今回の交換部品です。

★レストア完了です。                                          2023. 2. 16


高圧回路の電解ブロックコンデンサー2本をオリジナル仕様の新品に交換しました。

音に特に重要な入口側のカップリングコンデンサーを極めてバンブルビーに近いものに交換しました。

多少絶縁不良が有っても問題無い個所のバンブルビーは残しました。絶対に不良状態は良くないところのみMarantz純正GoodAll-TRWの新品に交換しています。
左端の初段管カソードバイパスコンも音に影響するので新品交換です。

たくさんの抵抗を交換しました。特にマッキン特有のユニティーカップルドサーキットのバイアス分配回路の抵抗56kΩは+0.2kΩ以内の極めて正確な値で音の良いメーカーを選択し、容量も全て1Wに上げています。またプッシュプル電圧増幅回路のバイアスも正確な値に換えました。
これにより正確なプッシュプル動作と左右チャンネルのバラつきを無くし、抜けの良い音が得られます。

★電源を入れて各電圧のチェックです。

こちらはTWIN AMPの入力端子からの出力です。左右とも同じレベルの出力で奇麗な波形です。
残留ノイズは極めて小さく(0.002V)、周波数特性は10-20,000Hzの範囲で-2dB以内と優秀です。

こちらはSTEREO入力端子からの出力です。最初の指摘の左チャンネルの出力が弱いのも解消しミリバルの指針は左右とも全く同じレベルです。
波形は若干太くなるので、やはりTWIN 入力の方が良い音になります。

左の白いテスターは高圧B電圧です。455Vを示し良好です。中央はバイアス電圧です。-148.9Vを示し良好です。右端は電圧増幅回路のバイアス電圧です。-50.4Vで良好です。

★出力波形です。

バイアスセレンとバイアス用電解コンデンサーを交換しました。

電源コードをMarantz純正ベルデンの新品丸コードに交換しました。

★レストア後の試聴エージング風景です。


とても爽やかな良い音を出しています。


マッキンは状態が悪くなると低音がボンボンと強調されますが、レストア後の本機は締まった低音とバンブルビーや入力側のコンデンサーが効いて爽やかな中高音がとても魅力的です。







レストア後の内部です。

★ブラックビューティー以外の全てのバンブルビーは不良で、やはり左チャンネルに酷いものが集中しています。何れ近いうちに右チャンネルも同じ様に劣化が進みます。

高圧倍電圧回路の電解ブロックコンデンサー2本をニチコン製に交換されています。

高圧の各電解ブロックコンデンサーはオリジナルです。

新しい電源サーミスタです。後の通電でも正常に動作していることがわかります。

まだ交換されていないオリジナルの電解ブロックコンデンサーです。電解液が滲み出ています。このまま使い続けると破裂します。

★最初の試聴風景です。

電源投入時からノイズは発生していません。

音も特に異常は無さそうです。 やはり左チャンネルが弱い感じです。
バンブルビーの不良か全体に丸くぼんやりした音です。

12AU7です。2本とも良い値です。

★ご希望の真空管チェックです。

バイアスの追加された電解コンデンサーをチェックします。良好です。

バイアスセレンの導通チェックです。こちらは逆方向ですがかなりの導通があります。不良です。

同じく順方向です。正常な抵抗値です。

こちらは正常です。同じく表面に塩を吹いています。基本的に古くなって塩を吹いた状態は表面に電解液が洩れて変色しています。

McIntosh MC240 S/N 1桁台の超最初期型です。 暫くメンテしていないので各部のチェックとレストアを依頼されました。

12BH7です。こちらも2本とも良い値です。

最初の試聴の接続状況です。

こちらは先頭のTelefunken ECC83 <>有 です。 こちらも何とか使えます。

12AX7です。後の2本は同じような値で何とか使えます。

出力管6L6GCです。4本とも新品のように良い値です。

少し出力を上げると、言われる通り左チャンネルが右より弱く出ています。オシロは下段が左チャンネルでミリバルは赤の指針が左です。

残留ノイズです。左チャンネルが激しく振れています。赤の指針が表示の倍以上で振り切れるときもあります。
両チャンネルともかなり状態は悪いようです。

左から高圧ダイオード直後の電圧です。433Vで少し低く出ています。左から2番目の黒テスターは高圧B1です。416Vでこちらも低い状態です。右から2番目は高圧B2です。こちらも303.1Vで低い値です。右端はバイアスC電圧です。 -135.6Vでこちらも低い値です。出力管の動作点がかなりズレています。

電源を入れて数分の出力波形です。上段は右チャンネルですが波形が乱れています。恐らく不良のバンブルビーから発しています。

こちらの2画像もブラックビューティーです。何とかまだ使えそうです。

こちらの2画像はブラックビューティーです。良い状態です。

初段管のカソードバイパスコンです。容量が倍以上に膨らんで極めてESRが高い状態です。表面に塩を吹いています。

こちらは高圧整流回路のオリジナルブロックコンデンサーです。容量はあるもののESRがかなり高い状態です。

こちらも高圧のオリジナルコンデンサーです。このブロックは良い値です。

こちらのブロックは極めてESRが高く機能していません。このブロックのターミナルから電解液が滲み出ています。

交換された高圧倍電圧回路の電解ブロックコンデンサーです。状態は良さそうです。

入力側のカップリングコンデンサーです。バンブルビーが膨らみ亀裂が入っています。

まだバイアスセレンが付いています。かなり前にバイアス用電解コンデンサーを追加されているようです。

全てオリジナルのカップリングコンデンサー類です。

内部です。電源回路の倍電圧回路の電解ブロックコンデンサーが交換されています。電源サーミスタも交換されているようです。これ以外はオリジナル状態です。