McIntosh MC240 修理レストア依頼機 N. K 様 概要

内部です。電源回路に黒い大きな電解ブロックコンデンサーが追加されています。恐らくブロックコンデンサーの不良からノイズが出ていたのでしょう。

2020. 10. 17 検査
2020. 12. 9 レストア完了

★漸くレストア完了です。                                                   2020.12.9

★レストア後の試聴エージング風景です。

マッキンの力強い音に繊細さが加わった感じです。

相変らずMC240の良い音が出ています。








交換部品です。

高圧B3です。102.0Vを示しこちらも良い値です。

高圧B2です。274.8Vを示しこちらも良い値です。

★電源を入れて各部の調整を行います。

下記の試聴エージングを行いながら、最終的には先頭のバンブルビーをフランス製のコンデンサーに換えました。明るく繊細な音に変わりました。

バイアス電圧です。-152Vを示し少し深いですが良い値です。

高圧B1です。412Vを示し良い値です。

★電源回路の部品を全て交換した後電源を入れて暫くすると右の出力管が2本とも少し赤くなってきます。この為各電圧を細かく計ると出力管のグリッド電圧が半分に落ちています。

やはりカップリングコンデンサーの不良から右の出力管のバイアスが異常に浅くなっていました。

この為、左の画像の様に主なバンブルビーを交換しています。

このカップリングの不良の状態で長期間聴かれていたのか、このプッシュプル電圧増幅管として使用している右側のV4の12AX7も不良になり出力管に影響していました。
この為この12AX7を交換して最後に漸く普通に聴けるようになりました。

不良のバンブルビーは音の良いGoodAll-TRWとGoldenBlackに交換しました。
左端に交換した銀色SPURAGUEのカソードバイパスコンが見えます。

高圧倍電圧の特殊な電解コンデンサーはオリジナル仕様の新品に2本とも交換しました。

白化していた高圧のダイオードを新品に交換しました。バイアスセレンも新品に交換しました。バイアス用電解コンデンサーも新品に交換しました。

電源の電解ブロックコンデンサーは4本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。主要カップリングコンデンサーのバンブルビーは6本代品に交換しました。初段管カソードバイパスコンもSPRAGUEの新品に交換しました。試聴を繰り返し最終的に入口側のバンブルビーをフランス製の音の良いものに交換しました。

★出力管が無いのでまだ電源投入はできません。

バイアスセレンの順方向です。良い値です。

バイアスセレンの逆方向です。こちらも導通がありこのセレンは不良です。

電源サーミスタです。89.4Ωと格好に依らず正常です。

ヒューズが飛ぶので修理を依頼されました。出力管が4本ともありません。


バイアス用電解コンデンサーです。良い値です。

初段管カソードバイパスコンの片側です。静電容量が1.5倍に膨らみESRがかなり高い値です。不良です。

こちらはもう片側です。こちらも同じです。

高圧倍電圧の片側です。一見良さそうですが隣のもう片側が不良なのでバランスの関係で一緒に交換した方がよいと思います。

こちらが高圧倍電圧のもう片側です。Leaky表示でリークしています。ESRもかなり高い値です。

こちらは高圧電圧のブロックコンデンサーです。良さそうですがこれは使われていなく、恐らく良い値でも実際はノイズが出て使い物にならなかったと推測します。

各カップリングコンデンサーはオリジナルです。この内どれだけ生き残っているか。電源回路を正常にした後漏れをチェックします。
初段管のカソードバイパスコンは塩を吹いています。恐らく不良です。ここはかなり音に影響するので新しいものに越したことはありません。

★電源を入れる前の各電解コンデンサーのチェックです。

バイアスセレンです。まだオリジナルが付いています。
高圧のダイオードが2本とも白くなっています。かなり高温になったようです。

欠けている電源サーミスタです。

左の2本の電解ブロックコンデンサーが使われていないものです。これもマロリーの交換されていますが既に不良になっていたようです。
高圧ダイオードからの倍電圧用のブロックコンデンサーは2本ともオリジナルです。

元の電解ブロックコンデンサーの回路を外して端子台代わりに使い、新しい電解コンデンサーで動作させていました。