★最初の音出しです。

電源を入れて真空管が上がって来ると左からガーとノイズが出ます。数秒で消えます。
恐らくプッシュプル電圧増幅管のバイパスコンデンサーの不良かも知れません。

残念ながらかなり音が悪い状態です。バイオリンがジャージャーと鳴ってかなり歪が出ています。
失礼ながら5分と聴いていられません。
バンブルビーは全て交換です。


入口側のカップリングコンデンサーが交換されています。ここは音に重要な個所なので気になります。


★本機はC22の漏電で念の為点検のつもりでしたが、思いがけずかなり悪い状態です。

このまま聴いていると大変貴重なトランスがダメになります。幸いまだ大丈夫なうちに検査できて良かったと思います。






 

以前のレストアで交換されたバイアス用電解コンデンサーです。
良品です。

何度も電源の入り切りをした為か電源サーミスタからパチッと音がしたので念の為新品に交換しました。

不良の電解ブロックコンデンサーです。左(AeroM)は白く粉のようなものが噴出しています。右は電解液が噴出し、破裂寸前でした。
なるべくオリジナルをできれば残そうと思ったのですが、やはり消耗品は早めの交換が必要なようです。

★前回先にレストア完了したC22に繋いで一緒に試聴エージングを行っています。

3時間程聴いていますがどちらも今の所良い音で鳴っています。




















新しいオリジナル仕様の電解ブロックコンデンサー4本です。

今回の交換部品です。真空管は2時間位聴いているとチリチリと小さなノイズが出てきたので左右2本ともこちらのストック品と交換しました。
交換後はノイズが無くなりました。V2,V5の12AU7です。

高圧電圧もバイアス電圧も良好です。

電解ブロックコンデンサーを4本とも交換したので各電圧のチェック風景です。


★かなり時間が掛かりましたが再レストア完了です。                                          2020. 10. 2


今回いろいろ回路を確認しましたがなかなか不具合個所が特定できません。

結局最後は電解ブロックコンデンサーを4本ともオリジナル仕様の新品に交換したら電源投入時のノイズは消えました。

前回のこちらの検査では良品と判断して交換しなかったのですが、外してみるとやはり電解液が噴き出て全体も膨れています。
最初の簡単なチェックだけでは判別できませんでした。


★レストア完了後改めて再レストアを行っています。                                          2020. 8. 21


最初から電源投入時にブーンと言う音が小さくありましたが電源投入後は全く感じられないためこのまま進めていました。
しかしレストア後、時間を置いて再度電源を入れるとはこれが少し大きくなってきました。

この為、再レストアを行っています。









全てのバンブルビーの足を片方基板から外して絶縁検査です。


★なるべくオリジナルのバンブルビーを残したいとのご要望なので、いつものようにコンデンサーの片足を外して単体での検査を行いました。

★レストア後の試聴エージング風景です。

いつものMC275オリジナルの音です。

ズシンと響く低音、きれいな中高音。いい感じです。


高圧B3です。114.1Vでこちらは少し良くなりました。

出力管のバイアス電圧です。-148Vで極めて良い値です。

左の画像は各出力管のプレート電圧です。4本とも表示の424Vを示しバランスの良い状態です。

高圧B1です。432Vとかなり良くなりました。

高圧B2です。286.1Vでこちらも良くなりました。

初段管のカソードバイパスコンを純正SPRAGUEの新品に交換しました。

高圧整流ダイオードを4本とも交換しました。バイアスセレンも交換しました。

基板上のカップリングコンデンサーはバンブルビー0.22uF/400を1本ブラックビューティーに交換しました。
他は全てオリジナルのままです。

左の画像の上の少し大きめのテスターが絶縁抵抗計です。
上の画像の赤と黄色のクリップのバンブルビーの値が0.0Ωを表示して完全に不良です。

普通はどんなに絶縁不良でも数kΩ位はありますが、このコンデンサーは抵抗がゼロです。
このコンデンサーが付いている場所はプッシュプル位相反転回路なので、これが不良だと上下分割の波形が乱れます。音が悪い最大の原因がこれです。

他の基板に付いているバンブルビーは全て良品でした。

★この電源回路の電解ブロックコンデンサーは前回のレストアで2本交換され、しかも残っているオリジナルも2本とも奇跡的に良品です。
この為各電圧は良い筈ですが、高圧の整流器が劣化して全体に電圧をかなり落としています。

電源の高圧が40V位落ちているので出力管のプレート電圧も全て同じくらい落ちています。

★電源を入れた状態で各カップリングコンデンサーの漏れ電圧を調べると位相反転管以降の0.047uFのバンブルビーが4本とも-5V位電圧が落ちています。

プッシュプル電圧増幅管初段後の0.22uFの160Pは大丈夫です。

高圧B2です。こちらも276.4Vでかなり下がっています。

バイアスセレンです。オリジナルですが画像の通り逆方向に149.9kΩの導通があり不良です。

こちらは順方向です。128.8kΩで良い値です。

★電源を入れて各部の電圧をチェックします。

こちらのブロックも良い値です。

こちらのブロックも良い値です。

バイアス電圧です。 -140Vでまあまあの値です。

高圧ダイオード直後の電圧です。416Vと規定より40Vも下がっています。このダイオードが不良です。

電源トランスの漏れ電圧です。 AC24.6Vで良好です。

こちらは電源サーミスタです。以前交換されています。
48.6Ωで良品です。

プッシュプル電圧増幅管のバイパスコンデンサーです。ESRが高く完全に不良です。

同じくこちらは良品です。

同じくこちらもESRが高い状態です。

高圧先頭2本オリジナルです。ESRが少し高いものの良品です。

こちらのブロックは良い値です。

こちらのブロックも良い値です。

右側2本が以前他でレストアされた時に交換された電解ブロックコンデンサーです。
左側2本はオリジナルのままです。

入口側のカップリングコンデンサーが交換されています。

★電源を入れる前の各電解ブロックコンデンサーチェックです。

電源回路は電解ブロックコンデンサーを2本交換されています。

電源サーミスタが交換されています。
バイアスセレンと高圧ダイオードがオリジナルのままです。このバイアスの電解コンデンサーは代品に交換されています。

初段管のカソードバイパスコンがSPRAGUEの新品に交換されている以外はオリジナルのままです。

とてもきれいな状態です。

内部です。特に大きな改造も無く良い状態です。

2020. 7. 20 検査
2020. 8. 13 レストア完了
2020. 8. 21 再レストア
2020.10. 2 再レストア完了

★レストア後の各部の電圧です。

今回の交換部品です。


★レストア完了です。                                                        2020. 8. 13

高圧B3です。こちらも109.8Vで既定の2/3しかありません。

★こちらは先にMcIntosh C22をレストアされた方からのご依頼です。C22は電源トランスが漏電していた為、これに接続する機器をRCAケーブルで繋ぐと漏れ電圧も低くなることから繋いだ機器に流れている可能性があり、こちらのパワーアンプも念のため検査して欲しいとのご依頼です。

入口側のカップリングコンデンサーもMC275純正のブラックビューティーに交換しました。

本来私はこのブラックビューティーは音が悪いのでMarantzには使いませんが、マッキンはこれが純正なので仕方なく使っています。
ここを違うタイプに交換すると音はかなり良くなります。

(2021. 5. 5)
★最近では上記の青いESRチェッカーは不良判定率が悪いので、より高性能のSANWA(国産)のLCRテスターを使っています。

高圧B1です。403Vを示しかなり下がっています。

McIntosh MC275 検査レストア依頼機 I. E 様 概要