★各部の電圧です。
McIntosh MC275 レストア依頼機 S.M 様 概要
2019. 6. 8 初掲載、検査終了
2019. 6. 11 レストア完了
交換部品です。電解ブロックコンデンサーを4本とも正規仕様の新品に交換しました。
バイアスセレンも新品交換です。
ユニティカップルドサーキットの一部抵抗を交換しました。
高圧整流ダイオード直後の電圧です。
少し低い値ですが充分です。
出力管のプレート供給電圧です。偶然にも整流直後と同じ値です。
充分温まるともう少し上がります。
バイアス電圧です。-148.5Vを示し極めて規定値に近い値。
ほぼ新品のような佇まいです。
後部のレタリングも文字消えはありません。
★検査の結果ノイズが出る原因は電源回路の電解ブロックコンデンサーの不良と考えられます。
音的にはきれいな音色が出ているのでやはりバンブルビーを含め殆どのカップリングコンデンサーが良品であることが伺われます。
ただマッキンの、しかもMC275オリジナルとしては元気の無い音なのでやはり電解ブロックコンデンサーの不良が影響しているのでしょう。
交換後の音が楽しみです。
順方向 148.9kΩ
バイアスセレンです。ご覧のように順方向、逆方向とも148.9kΩ,165.4kΩと同じくらい抵抗値があり、特に逆方向にも導通があることから全く整流機能は無い状態なので不良です。
本来検査では逆方向には数メガΩ〜無限大になるべきですが、こちらは単位がキロオームです。
このため以前の他でのレストアでも早期にバイアス用の電解コンデンサーがダメになったのでこのコンデンサーだけを交換されています。
恐らくセレンを持たなかったのでオリジナル状態を維持するためにダイオードに交換せずにそのまま再利用されたのだろうと推測します。
こちらでは復刻ですが新品のセレンに交換します。
逆方向 165.4kΩ
こちらの電解ブロックコンデンサーは表示の通り計測不能を示し、ESRも最大の34.4Ωを示し、不良です。
こちらの電解ブロックコンデンサーは容量不足になり、ESRも高い状態です。
★全てのカップリングコンデンサーは足を片側外して絶縁抵抗計で1本1本検査しました。
幸いにも殆どのコンデンサーは良品でした。
一部のバンブルビーで多少劣化しているものもありましたが音と回路的に問題ない程度の劣化なのでオリジナル状態維持のため再利用します。
高圧整流用ダイオードにパラに接続されているバンブルビーも良品です。
当工房所有機 Marantz7 SN10400番台グリーンで試聴しています。
この#7も完璧なオールバンブルビーのオリジナル状態です。
この組み合わせで聴く音楽はジャンルを問いません。
クラシックは極めて輪郭のはっきりした透明な音を奏で、JAZZは力強い響きです。
誰もが納得する音です。
少しハムノイズが出ていたのでヒーター系と信号系の配線の取り回しを変更しました。
これでハムは殆どでなくなりました。
高圧B2です。281.8Vは良い値です。
高圧B3です。115.0Vはこちらも規定値に近い値です。
初段管のカソードバイパスコンもSPRAGUEの新品に交換しました。塩を吹いたままではいびつな音になります。
入口側カップリングと初段管後のカップリングは良品のバンブルビーです!
マッキンにしては極めて透き通った音を奏でます。
MC275オリジナルでもなかなか出ない音で初期型ならではです。
電解ブロックコンデンサーは4本とも正規仕様の新品です。力強い音の源です。
完璧な電源回路です。4本並んだ煙突?は圧巻です。
バイアスセレンも復刻の新品に交換しました。
UFOのような初期型の整流ダイオードも健在です。
★レストア完了です。 2019.
6. 11
早速音出しです。 イヤー参った!!
さすがオリジナル初期型、名器です! 快活で力強い低音、極めてクリヤーな中高音。
これで全てが良い状態です。この可憐な姿にしてこの音を鳴らしめる。。。実に愉快です。
★内部です。
名器 McIntosh MC275オリジナルの初期型です。
たまに電源投入後にノイズが出るので見て欲しいとのご要望です。
大変きれいな状態なのでたくさん撮りました。
この初段管用カソードバイパスコンは電解液が漏れて塩を吹いています。
これは新品交換になります。
バイアス用電解コンデンサーも交換されています。
検査では殆どのカップリングコンデンサーや貴重な紙巻電解コンデンサーは良品です。
殆どオリジナル状態です。以前他でのレストアで電解ブロックコンデンサーを1本交換されています。
スイッチ類、コンセントも新品同様です。レタリングもきれいです。
つまみ類や入力端子、出力端子も新品同様です。
シャーシー、ボンネット、トランスに至るまで錆や傷は殆どありません。