McIntosh MC275SE 修理レストア依頼機 概要

★以上の様に、恐らく電源投入時の左右のノイズはトランスの漏電によるものです。時折ノイズが発生するようになったのもトランス内部の小ショートのノイズからです。何れ大ショートが起きてトランスが逝きます。これが仮に1次側で起こった場合2次側には異常高電圧が発生し真空管やスピーカーが一瞬で飛びます。ヒューズは大惨事の後に静かに切れて終了です。

原因は以前どこかでレストアされた時、電解ブロックコンデンサー交換で適正なものが無かったので容量の小さいものに交換されました。また右の出力管手前の電圧増幅管とのつなぎのコネクターが燃えて接触不良が起こり、この出力管のHi側の動作点が変ったことから出力管に異常電流が流れ続け、電源トランスの発熱に繋がったと考えます。このような状況でも音は普通に出ている筈なので気が付きません。

電源トランスの巻き換え、及び電源回路の殆どの部品の正規品への交換が必要です。








★追検査                                                            2024. 3. 8

昨日の検査中、筐体に手が触れるとピリピリと感じたので漏電を疑い再度トランスをチェックしました。

★電源を入れ、筐体-コンセント間の電圧を計ります。

電源トランス1次側に付いている電源サーミスタの片側が焼けて亀裂が入っています。かなり高い電流が流れています。

McIntosh MC275 SE 後期型です。

こちらは筐体-コンセントL極間の漏れ電圧です。何と、AC170.7Vもあります。危険です。この電圧はRCAコードのマイナス側を通じてプリアンプやその他の機器に流れます。このため他の機器を繋いでいるときはピリピリ感は感じません。接続先がトランジスターの機器の場合かなり危ない状況になります。

こちらは筐体-コンセントN極間の漏れ電圧です。AC79.6Vでかなり漏電しています。

こちらの白いブロックコンデンサーは以前交換されています。しかも、容量の値が全く足りません。ここは大きな容量のブロックコンデンサーを使いますが、以前レストアされた方は適応するコンデンサーが見つからないので入手しやすい物を使われたようです。。

★今回の電源投入後のノイズは電源回路のブロックコンデンサー等の劣化の可能性が高く、バイアスブリッジダイオード等も劣化しています。

細かく部品交換が必要です。


左の白テスターは高圧B1です。453Vで良好です。その隣はバイアス電圧です。 -149.4Vで良好です。右の2台のテスターは出力の残留ノイズです。
ただ今、電源投入後10分経過の値です。0.006V,0.005Vとやはり少しノイズが出ています。
電源投入時は左右とも0.5V位上がるので結構なノイズが出るようです。

交換された白い2本のブロックコンデンサーと水色のオリジナルチューブラコンは一応どれも良い値です。

★取り合えずブロックコンデンサーのチェックです。

基板上のバイアス回路が劣化しています。

基板を細かく見るといろいろ怪しいところがあります。

2024. 3. 7 検査
2024. 3. 8 追検査

なかなか酷いことになっています。右チャンネルのコネクターが燃えています。以前これを修理されたようですが接続不良を起こしています。

★電源を入れて各電圧を計ります。

内部です。かなり修理の手が入っています。