検査レストア依頼 mcIntosh MC60 Y.S様 概要
2019. 3. 27 掲載
2019. 4. 2 レストア完了
2019. 4. 4 出力管交換
レストア後のエージング風景です。
★オーナー様のご要望で出力管をナス型のCTL-6550からGEC KT88に交換しました。
さすがにGECです。音の解像度が増し歯切れの良い重低音に変わりました。
特にマッキンのパワーアンプは出力管がヘタって来ると妙にボン付いた低音になりますが、このGECは特性も揃った良品なので軽いタッチの余裕で重低音を聴かせてくれます。
こちらの小さなJBLも大型スピーカーのように雄大な響きを奏でています。
また、中高音もJAZZピアノのタッチがカーン!と目の前に飛び込んできます。
さすがにマッキンのパワーアンプです。力があります。
やはり出力管で音はかなり変わりますね。
いい音です。
★レストア後出力管をGEC KT88に交換しました。 2019. 4. 4
高圧B2も367Vとまずまずの値です。
レストア前はこの電圧が高圧B1よりも高かったのですが、やはり電解ブロックコンデンサーを交換すると正規の電圧になりました。
★レストア後の試聴では素直な癖の無い音を響かせながら、さすがのMC60の力強い低音が引き立ちます。
中高音も明るく透明感溢れた音です。
電源回路も一新し、これでまた当分は元気なマッキンサウンドを堪能できます。
交換部品です。
最初の検査では殆どのコンデンサー類を交換する予定でしたが、レストア中の部品を外しての再検査でまだ充分使えるものもたくさん有ったので、オリジナリティ尊重のため電源回路以外の交換は最小限に留めました。
★2台目です。
交換した正規仕様の電解ブロックコンデンサーです。
こちらも高圧B1は規定値に近い437Vを示しています。
こちらも1台目と同じく各カップリングコンデンサーの交換と電解ブロックコンデンサーを交換しています。
入力側バンブルビーも良品と交換しました。
高圧B1です。正規電圧440Vに極めて近い435Vです。
高圧B2です。これも370.6Vとまずまずの値です。
入口側バンブルビーも良品と交換しました。
検査で不良のカップリングコンデンサーを交換しました。
ブロックコンデンサーも2本とも正規仕様の新品に交換しました。
★レストアの完了です。 2019. 4. 2
★1台目の内部です。
★2台目 SN2600番台です。
★1台目 SN3800番台です。
★カップリングコンデンサーの検査です。代表的な不良のみ表示します。
高圧B2です。少し高めですがまずまずです。
今度は異常に容量が膨れ上がっています。正常値は80+80=160uFなのでかなり膨れています。
この状態だと音量を上げると破裂の可能性があります。
こちらの入口側バンブルビーも絶縁不良です。
★検査結果
2台とも今のところほぼ正常に動作しています。
しかし、上記の様に一部でかなり不良個所があり、このままでは大変危険な状態です。
特にコンデンサー類で既に交換されている所は良いのですが、まだ交換せずにオリジナルのままの物は、このまま放置して聴いていると近いうちに大変な状態になることが予想されます。
こちらは出力管バイアスのカップリングです。
殆ど不良です。
この出力管のカップリングは完全に抜けると出力管に異常電流が流れ、大変危険です。
バイアス回路の電解コンデンサーです。計測不能を表示しています。
★各電圧を計ります。
高圧B1です。まずまずの値です。
こちらも内部は殆ど改造されていません。1台目と同じ様にブロックコンデンサーはオリジナルです。
1台目と同じ様に出力管バイアス回路のカップリングには容量の違うものがダブルで取り付けられています。
★電解ブロックコンデンサーの検査です。
★各部の電圧測定です。
高圧B1はまあまあの値です。
高圧B2です。B1より高い値です。何かがおかしい。。。
こちらのブロックも容量が抜けています。
★まずは電解ブロックコンデンサーの検査からです。
内部はあまり改造はされていません。消耗品であるブロックコンデンサーもオリジナルのままです。
カップリングコンデンサーも一部オリジナルです。出力管バイアス回路のカップリングには容量の違うものがダブルで取り付けられています。
こちらは静電容量は正常値ですが、ESRがかなり高い状態です。
こちらもかなり容量が膨れています。
こちらのブロックは容量が極めて低い値です。
こちらのブロックは容量が抜けて計測不能の表示が出ます。
ESRも過大です。完全に不良です。