こちらは良く見かけるタイプの配置です。
バイアスの整流器が基板の表についています。
これにより出力管のカップリングの位置も違います。
2019. 9. 10 検査完了
★電解コンデンサーの状態をチェックします。
★2台目です。
こちらは1台目より後のシリアル番号のものです。
内部部品の配置が1台目とかなり違います。
電解ブロックコンデンサーは2本とも良好です。
以前のレストアで交換されています。
★こちらは1台目より後に作られた2台目です。(5F***)
★結論としては左右のMC60は年代で回路が違うため、それぞれの回路構成が違っています。
この為、後の方が改良されたのか入口側カップリングコンデンサーは基板の表に配置されました。
これにより配線方法が変わり交流点火のヒーターのハムを拾いやすくなったようです。
普通出回っている回路図は1台目の回路と同じです。
後で製造された2台目は回路図とは全く違う回路になっています。特にバイアス系が全く違います。
元々マッキンのパワーアンプにはプリアンプ用のACアウトレットが入力端子の近い所に設置されています。
この為ハムが拾いやすい構造です。
以前レストアしたMC60やMC30もかなりハムを拾いました。
本機はまだ耳を澄まさないと聴こえない位のハム音なのでかなり優秀なアンプだと思います。
以上の観点から、上記ボリュームとハムバランサーの位置で聴くうえでは問題は無いかと思います。
このアンプもマッキンらしい伸び伸びとした良い音だと思います。
1台目に付いているカップリングコンデンサーは基板表面に付いています。
1台目はボリュームを回してもノイズは少ないのですが2台目は1台目よりノイズが多く、ハムバランスもかなり右に回しきる位で無いとブーンと言うハムは収まりません。
下のボリュームとハムバランサーの位置ですが、お互いにこの位置で左右のバランスとノイズの最小の位置です。
画像は上の画像のように逆さまで撮っています。
★周りを静かにして再度無信号状態で聴いてみました。
ハムバランサーは回しても余り変化が無いので中間位置にしてあります。
こちらはかなり回さないとブーンの音は消えません。
ボリュームも若干1台目よりも回しています。
★シリアル番号が若い1台目です。(3F***)
★1台目です。
検査依頼の内容ではボリュームを回すと中間位置辺りでブーンと言う音が出始めたそうです。
2台目の内部です。
1台目の内部です。
★電解コンデンサーの状態をチェックします。
高圧B3です。351.6Vを示し少し低いですが良好です。
高圧B1です。435Vを示し良好です。
初段管カソードバイパスコンです。ご覧のように良品ですが、これは正規の値のものではありません。
こちらも電解ブロックコンデンサーは2本とも良好です。
以前のレストアで交換されています。
高圧B3の電解コンデンサーです。正常です。
初段管カソードバイパスコンです。ご覧のように良品ですが、これは正規の値のものではありません。
高圧B3の電解コンデンサーです。正常です。
高圧B1です。441Vを示し良好です。
★電源電圧をチェックします。
高圧B3です。375.0Vを示し良好です。
★電源電圧をチェックします。
入力側のカップリングがありません。
最初の音出し状況です。
こちらの試聴では特にボリュームを回してノイズが出るようなことは確認できません。
もう少し聴いてみる必要があるようです。
McIntosh MC60 検査レストア依頼機 S.H 様 概要