2020. 9. 11 検査
2020. 9. 28 修理完了

高圧B1です。297.6Vを示し良好です。

高圧B2です。282.3Vを示し良好です。

高圧B3です。257.5Vを示し良好です。

いろいろ探って行くと、ヒーター回路の抵抗値が異常に低い値です。通常は15Ω位あるのですが半分以下です。
使用真空管はTelefunken ECC83<>有をお使いです。
一般にTelefunkenは抵抗値が低いので電流もたくさん流れます。

恐らく前回こちらでのレストアで各部の電源が正常な状態になり真空管もフルに稼働したため、元々Telefunkenはヒーターの抵抗値が低いので大きな電流がヒーター回路に流れ、既に劣化していたダイオードの一部が短絡を起こし、この低圧回路から高圧倍電圧の片側に供給されている高圧セレンに過大電流が流れ焼け焦げたと考えます。
低圧のダイオードを新しいものに交換すれば大丈夫と考えます。

★修理後の試聴エージング風景です。

今回からパワーアンプをMarantz 2 に換えたので、かなり良い音です。

伸び伸びとした中高音。厚みのある重低音。

JAZZは勿論クラシックでもかなり聴かせてくれます。











交換部品です。

低圧ダイオード直後の電圧です。28.27Vで少し高いですが良好です。

ヒーター電圧です。19.16Vで良好です。

交換したグレーの高圧セレン2個と低圧ダイオード4個です。

★電源を入れて各部の電圧を計ります。

低圧のダイオードを交換して各値を測ってみます。
4本中3本は逆方向で導通があります。表示では1.983MΩでほぼ短絡状態です。
本来は4000MΩ以上の無限大が正常です。

低圧の整流ブリッジ回路を新しいダイオードに交換しました。

ヒーター回路のラグ板の配線が焦げています。低圧ダイオードが飛んだ可能性があります。

取り敢えず焦げた高圧セレンを2個とも交換して電源を入れてみると瞬時にヒューズが飛びます。回路が短絡状態です。


★漸く修理完了です。                                                    2020.9.28

今回もなかなか難儀でした。

焦げて泡を吹いた高圧セレンです。

前回のレストアでセレン直後の電圧は正常値の為、このセレンは大丈夫の判断から2個とも交換していません。

今回の焼けたセレンは低圧側からの倍電圧を受けるセレンなので低圧側に異常があるかも知れません。

低圧側の整流はダイオードですが正常値の為、前回は交換していません。
この低圧側の回路が異常になったのかも知れません。

改めて低圧側を含めて電源回路の再検査が必要です。

最近当工房で【140】でレストアしたものです。 本体右側から煙が上がったので見て欲しいとのご要望です。

裏面です。 高圧セレンが焦げています。

上面です。特に問題はありません。

McIntosh C22 修理依頼機 F. T 様 概要