McIntosh C-22 修理レストア依頼機 概要

2021. 4. 21 検査
2021. 5. 14 レストア完了
2021. 5. 19 再調整完了

ライン回路の抵抗類を音の良いVishay,REXなどに交換しました。


★再調整の完了です。                                             2021. 5. 19

5月14日にレストア完了し試聴を繰り返していましたが、まだ小さなノイズが気になります。電源が正常に戻ったので大きなノイズは消えましたが小さくザーとブーンが混ざった音が気になります。この為このノイズの除去に取り組んでいました。

発生場所はラインアンプからです。プレート抵抗やバイアス抵抗を交換し電源もヒーター用ダイオードを交換してみました。色々行った結果ザラザラ音は無くなりましたがまだブーンは消えません。
最終的にはランブルフィルターから発していることが判明しました。しかしC22のトーン回路、フィルター回路は抵抗やコンデンサー類を1つにまとめたブロック構造のため、これを直すには完全に別回路を組まなければなりません。こちらの一番嫌いな「改造」になります。しかも姿が変わってしまう位の大改造になります。
諦めて天板右上に付いている出力レベル調整ボリュームを絞って相対的にノイズを軽減して使用して貰うことにしました。

こちらもカップリングコンデンサーは6本を160PからMarantz7純正GoodAll-TRWの新品に交換しました。

電源回路の電解ブロックコンデンサーは3本ともオリジナル仕様の新品に交換しました。音に重要なカップリングコンデンサーはフランス製に交換しました。

ヒーター用ダイオードを交換しました。









交換部品が増えました。

交換部品です。
音に重要な所の160Pは全て交換しました。これで音色の感じがガラリと変ります


★レストア完了です。                                             2021. 5. 14

高圧B2です。こちらも296.9Vを示し極めて良好です。

★レストア後の試聴エージング風景です。

ただ今チャイコフスキー ピアノ協奏曲第1番を聴いています。

力強いピアノのタッチはこれまでの音と比べるとまるで別物です。

JAZZでは音の抜けがかなり良くなりました。特に低音はカラッとしたタッチに重厚感も加わり、従来のボンボンとした低音からガラリと感じが変わっています。

ただ今C22 + MC60ですがMarantz7+ #8Bで聴いているような重低音と煌びやかさが感じられます。


レストア後3時間程聴いていると右側からチリチリとノイズが乗ってきます。真空管をこちらのストック品と取り替えると止まりました。画像は元のノイズの出る真空管です。

ヒーター電圧です。19.19Vでこちらも極めて良好です。

低圧整流ダイオード直後の電圧です。33.20Vで良好です。

高圧B3です。こちらも271.6Vで良好です。

高圧B1です。312.7Vで極めて良好です。

高圧セレン直後です。383Vを示し良好です。

改造されていた電源回路は全て元に戻しました。

ラインアンプの音に極めて重量なプレート抵抗は高級巻線抵抗に交換しました。抜群の音の抜けの良さを出してくれます。当工房オリジナルアンプMKe-1にも使用しています。

★レストア後の各電圧です。

3本ともオリジナル仕様の電解ブロックコンデンサーです。
音のメリハリが違います。

★最初の試聴です。

電源投入後左右から比較的大きくブーンとノイズがでます。電源回路は電圧も低くかなり悪い状態です。
ラインアンプは少し歪っぽい感じです。
フォノイコはまあまあ聴けます。

音が元気の無いのは電源が悪いのと、C22の初期型とはカップリングコンデンサーが違います。後期型はブラックビューティーが使われ、これがぼんやりした音になります。初期型はバンブルビーです。本機は後期型です。

ラインアンプ右のカップリングです。こちらも少し漏れがあります。

高圧B3です。251.3Vと低い値です。

高圧B2です。こちらも272.9Vと低い値です。

音に元気が無いので修理を依頼されました。

筐体とコンセントN極管の漏れ電圧です。AC44.6Vで良好です。

前のレストアで入出力端子に渡りを施してあります。

ラインアンプ左のカップリングです。少し漏れがあります。

低圧整流ダイオード直後です。28.61Vで良好です。

ヒーター電圧です。18.14Vで少し低いですがまあまあです。

高圧セレン直後の電圧です。330.5Vでセレンは良品です。

高圧B1です。286.4Vとかなり低い値です。

同じく左も良品です。

フォノイコのカソードバイパスコン右です。良品です。

★電源を入れて各電圧を計ります。

低圧です。少し容量が足りない状態です。

高圧2段目です。容量が膨れて危険です。

高圧の先頭です。容量はあるもののESRが高い状態です。

こちらもESRが高く不良です。

裏側です。電源が良くないのか電解コンデンサーを追加されています。

★まず電源回路の電解ブロックコンデンサーのチェックからです。

内部です。ほぼオリジナル状態です。電源の電解ブロックコンデンサーは以前他でのレストアで交換されています。フォノイコのカソードバイパスコンも交換されています。