McIntosh C22 修理レストア依頼機 K. N 様 概要

★やっとここまで辿り着きました。。。

電源がまともな状態になって音を聴くと、とんでもない音が出てきます。
ラインアンプから順番にカップリングコンデンサーを交換し、とうとう全てのブラックビューティーを交換することになりました。

全体に電源電圧の異常高圧状態で長く聴かれていた為、各回路にダメージが及んで消耗部品等の劣化を招いていたようです。


ようやくマッキンC22の元気な、しかも初期型に近い音になりました。





★ 1ヵ月後オーナー様から、エージングが効いてマッキンらしい元気で力強い音になり感動しながら毎日聴いていると喜びの電話を頂きました。






最終的な交換部品です。

電源回路を始め各回路の抵抗類をたくさん交換しました。

カップリングコンデンサーのブラックビューティーは全て撤去し音の良いコンデンサーに交換しました。これで漸くまともな音が聴けます。フォノイコのカソードバイパスコンが値の全く違うものに交換されていました。電圧が正常になると発振を起こしたので気が付きました。
C22用の値の近いものに交換し発振は治まりました。

★取り敢えず音出しをしてみます。

以前の大きなノイズはかなり治まりました。しかしまだザーと小さなノイズが乗り音は荒れてひどい音です。

カップリングコンデンサーなどの交換が必要です。


この後各回路を診て行きます。

電源回路はこれでオリジナル状態に戻りました。真空管のヒーターやフロントパネルも正常な明るさです。

ヒーター電圧です。18.94Vを示し良い値です。

高圧B3です。こちらも253.1Vと良い値です。

高圧B2です。こちらも279.6Vと良い値です。

高圧B1です。 295.5Vと極めて良い値です。

交換した特注電源トランスとオリジナル仕様の電解ブロックコンデンサー3本です。

交換部品です。まだ電源回路のみです。電源トランスはやはり1次側がショートしてかなり低い抵抗値でした。

一先ず電源回路のみ修復しました。カップリングコンデンサーなど回路関係はこれからです。


真空管のヒーターも普通より明るく輝いています。真空管の寿命が短くなります。

電源トランスの筐体コンセントN極間の漏れ電圧です。AC24.42Vで漏電はありません。

高圧セレン直後の電圧です。 396を示し高い値です。

高圧B3です。こちらも 281.5Vとかなり高い値です。

高圧B2です。こちらも313.1Vとかなり高い値です。

上の黒いテスターはヒーター電圧を表します。21.23Vとかなり高い値です。
下の白いテスターは高圧B1です。 331.3Vとこちらも高い値です。

こちらは茶色の紙巻の倍電圧用オリジナル電解コンデンサーです。
少しESRは高いものの右の画像の様に損失係数が0.316と小さいのでまだ使えます。

低圧の電解ブロックコンデンサーです。まだ大丈夫のようです。

こちらの電解ブロックコンデンサーも高圧用です。こちらもESRが高く容量も膨れています。不良です。
こちらにも電解コンデンサーを併設さえrています。

こちらは高圧です。ESRがかなり高く不良です。こちらに電解コンデンサーを併設されていますが、後の音出しではノイズが乗っていたので効果は無かったようです。

裏面です。以前どこかで電源回路をチェックされています。ノイズが乗っていたのか電解ブロックコンデンサーにチューブラコンを並列に接続されています。その他は特に改造の個所はありません。

内部上面です。後期型なのでカップリングコンデンサーは全てブラックビューティー(160P)です。特にメンテの形跡はありません。

2021. 4. 2 検査
2021. 6. 30 途中経過
2021. 7. 16 レストア完了

最近当工房で採用したコンデンサーです。エージングが進むとバンブルビーのように抜けの良い輝くような音になります。
これまでバンブルビーの代わりになるものを探していましたが漸く近い音に巡りあえた感じです。
赤いコンデンサーはMarantz7後期型純正GoodAll-TRWの新品です。音に深みを出しています。

★漸く、、、レストア完了です。                                      2021. 7. 16

今回も極めて難儀でした。





★他のカップリングは何とか顕著な漏れはありませんが、音の良し悪しはカップリングの漏れだけが原因ではありません。

★最初の音出しです。

左右からブーンとジーが混ざったノイズが出ています。電源回路がダメです。
音は荒くキンキンします。また左が少し小さく感じます。

音が荒れているのは高圧の電圧が異常に高い事も影響しています。またヒーター電圧も高いので真空管の寿命に悪影響しています。

漏電は無いものの、電源電圧が高圧低圧ともに高いので電源トランスの1次側のショートが考えられます。
電源トランスの交換が必要です。






右の音が悪くゲインも落ちているので修理を依頼されました。

★漸く電源回路が回復したので途中経過を掲載します。                          2021. 6. 30

電源トランスを交換しましたが、色々トラブルがあって正規の状態になるまで時間が掛かりました。




★各電圧のチェックです。

★電源を入れて各電圧をチェックします。

同じく左です。こちらも0.545Vと少し洩れています。

フォノイコ初段後の右です。0.607Vで少し洩れています。

同じく左です。こちらも2.645Vとかなり洩れています。

ラインアンプ2段目のカップリングの右です。2.845Vとかなり洩れています。

ヒーター電圧が高いのでイルミネーションが異様に明るく感じます。

★各カップリングコンデンサーの漏れ電圧チェックです。

ヒーター回路の整流ダイオード直後の電圧です。33.92でこちらもかなり高い値です。

青い電解コンデンサーを併設されています。

★電源を入れる前に各電解ブロックコンデンサーのチェックからです。