McIntosh C22　修理依頼機　概要

★各電解ブロックコンデンサーのチェックです。

2021. 9. 13 検査
2021. 10. 9 修理完了

★前のレストアをされた方は100Vで使うと内部の電圧は使える状態と判断されたようですが、基本的に本機は117V仕様です。しかも100Vでも規定より高い値です。

これは、電源トランス1次側の巻き線のショートから2次側全ての電圧が上がっています。

以前の修理履歴では、内部から煙が出たので修理を依頼したと記載されています。恐らく電源トランス1次側ショートにより2次側が異常高圧になり各部品が焼けて煙が上がったのでしょう。
前回の修理では電源回路の部品交換のみで済まされたようです。

このまま使い続けると1次側のショートが進み、2次側はもっと高い電圧になって危険です。
電源トランスの交換が必要です。また電源トランスのショートの原因の究明も必要です。

★取り合えず電源の1次側のインダクタンスを測定します。

★念のため1次側を100Vで測ります。

清掃が行き届いて綺麗です。消耗品なども交換されています。

★修理後の試聴エージング風景です。

接続のレコードプレーヤーやCDプレーヤーなどを触っても感電しません。
筐体アース間の漏れ電圧も勿論良好です。

普通にマッキンらしい良い音が出ています。

★普通はマッキンの電源トランスはどこにもありません。通常ヴィンテージアンプは電源トランスが逝って部品取り機になるのが一般的です。本機は当工房に来なかったら間違いなく部品取り機となって葬られるところでした。

交換部品です。

高圧B2です。291.9Vを示し良い値です。

高圧B3です。269.1Vを示し良い値です。

低圧整流ダイオード直後の電圧です。25.01Vで良い値です。

白いテスターは高圧B1です。305.0Vで規定に極めて近い良い値です。

左のテスターは高圧セレン直後の電圧です。348.2Vを示し良好です。中央のテスターはヒーター電圧です。18.24Vを示し良好です。右の白いテスターは高圧です。詳細を以下に示します。

低圧のダイオードが１本不良だったので４本とも1000V/2Aの新品に交換しました。

前回他でのレストアで追加されていた不要な電解コンデンサーを撤去しオリジナル状態に戻りました。

★修理後の各電圧のチェックです。　勿論、電源電圧は117Vです。

裏面です。電源廻りはオリジナル状態に戻りました。

今回の修理は主に電源廻りです。電源トランスを特注品に換え、電解ブロックコンデンサーも高圧の２本をオリジナル仕様の新品に交換しました。

電源トランスの漏電の原因は、これまで電解ブロックコンデンサーの不良から電圧が低い状態で長く使われていた為、電源トランスの異常高温を招き絶縁不良から漏電が始まったと考えます。

前の大手ショップ様でも電解ブロックコンデンサーを完全に直さないで販売されたようです。